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"忘却にして永遠に刻まれる時"      [コンサートの記憶]

五嶋龍ヴァイオリン・リサイタル2018
              ~サントリーホール

ヴァイオリン:五嶋龍
ピアノ:マイケル・ドゥセク

(プログラム)
シューマン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番ニ短調Op.121
          ⅠZiemlich langsam - lebhaft
          ⅡSehr lebhaft
          ⅢLeise, einfach
          ⅣBewegt


イサン・ユン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番

ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト短調
          ⅠAllegro vivo
          ⅡIntermède. Fantasque et léger
          ⅢFinale. Très animé

(アンコール)
クライスラー:美しきロスマリン
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリッチョーソOp.28





作品に対する確固とした信念がほとばしる!
怒涛のように突き進む音楽を聴いていると
息をするのも忘れるくらい!

けれど
返す刀で内省的な表情が顕になる
巧みなボウイングで表現された詩情あふれる歌は
奏者の心そのもの。。



'18Aug五嶋龍.jpg




始めに奏されたのはシューマンの作品。
執拗に繰り返されるフレーズは
弾き手によってさらに増幅され
心に突き刺さってくる。
出口の見えない不安や葛藤がうずまく。

ふと それが止んで
柔らかなピッツィカートが
あたたかな旋律を奏でる。
神に救いを求めたシューマンの
つかの間の平安だろうか。
時に狂気へ揺り戻されるように激しく奏されるのは
ルターのコラール「深き淵より我汝を呼ぶ」からの引用。
けれど、潮が引くように哀しみの時が去ると
真の愛に抱かれているような優しさに包まれる幸せが。。

まさに、作品の真髄を表現しきった五嶋龍さん。
卓越した演奏技術とアンサンブル能力を持つピアニストとともに。






休憩後の最初の作品は現代音楽。
五嶋龍さんが弾くと、すごくカッコ良くて
ワクワクしながら聴いてしまった!
この手の音楽の難解さから離れて
まるで、即興のような演奏が
風のように駆け抜ける。
これもマイケル・ドゥセクさんのピアノがすごいっ!
そういえば、最初に登場した時
五嶋さんは先にピアニストを紹介する仕草をしていた。
ヴァイオリンとピアノで弾いて、初めてひとつの作品になるのだから。





そして ドビュッシーの最後の作品。

まどろみの中
開け放たれた窓にゆれる白いカーテン
夜空に高くのぼった月を
ふわりと飛び越えてしまうような浮遊感が漂う曲。

いくらでも淡く、空気のように弾くことが出来るけれど
五嶋さんの演奏には主張があって、心がざわめく。
忘れたいのに
忘れてはいけない、なにか。
その答えは いつ見つかるのだろう?







3年ぶりとなったリサイタルツアーのタイトルは「忘却にして永遠に刻まれる時」。
それは
「聴いた人が演奏の詳細は忘れてしまっても、何か心に残るものであってほしい」
という思いで付けられたそうだ。

まったく、この3曲を聴いてしまったら
こんなに濃い時間を 忘れようがないではないか!




連日の猛暑、そしてこの日は台風がほぼ直撃!
ヴァイオリンのコンディションを保つのが大変。
五嶋さんは何度も調弦しての演奏。

そんな事も忘れられない思い出になるのでしょうか。
アンコールで優雅に、そしてはじけるように演奏された曲たちとともに。。






'18Aug五嶋龍2.jpg






この日、五嶋龍さんのスーツの右胸に付けられたアクセサリーが
青く光っていて、とても綺麗でした。
その事をサイン会(長蛇の列!)の時に伝えると
もの凄いスピードでサインをしていた最中だったのに
私の方をきちんと見て
「ありがとうございます!」
と言ってくれました。(感動・・





















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真夏のJAZZライブ      [コンサートの記憶]


小曽根真ソロピアノ
     ~浦安音楽ホール


(セットリスト)
Chick Coria:Mirror Mirror
Makoto Ozone:The Biginning
Makoto Ozone:Sol Azteca
Makoto Ozone:Test of Time
Oscar Peterson:From Canadiana Suite No.8 Land of the Misty Giants
Ray Bryant:Cubano Chant

Makoto Ozone:Mirror Circle
Makoto Ozone:Flores Lirico
Chick Coria:Crystal Silence
Makoto Ozone:Three Wishes

(アンコール)
Frank Churchill:Someday My Prince Will Come
Bobby Timmons:Moanin'






軽やかで明るい音が
クリアに転がっていく
上へ 下へ
自由自在に

それがやがて リズムを刻みはじめ
弾むバスに乗って
メロディーが歌う
そして フェイント!
裏切られても ハッピー
だって小曽根さんのピアノだもの!

そして「The Biginning」
エネルギッシュなマイナーの曲は
パワフルで どこまでも疾走してしまいそう!




いつものようにw 客席の後ろから登場した小曽根さんが1曲目に弾いたのは
「皆さんの空気を感じたら弾きたくなった」というチック・コリアの曲。
準備していたのと違う曲をいきなり弾けちゃうんですね~(凄!

2曲目が終わったところで そんなお話しをして
一応 決めておいたらしい曲目が書かれた紙を取り出して
「ははあ」と笑う小曽根さん。
会場もつられてクスクスw

そしてピアノを鳴らし始め
「ラテンを弾きます」
わあ、小曽根さんのラテンは大好き!
リズムがもの凄くカッコイイのはモチロンなんだけど
「Sol Azteca」、マイナーからメジャーに変わるところが
もう、ゾクゾクするんだな。
このタイトルはボストンにあるレストランの名前。
確か
小曽根さんがチック・コリアから
「一緒にバンドをやろう」
と誘われた場所。
若いジャズ・ピアニストのキャリアのスタート。

そしてブルース。
えっ?
ベースとドラムスが聴こえてきた!!
と思うくらい
重力のあるラインとパーカッシブルな指さばき。


かと思えば
次のオスカー・ピーターソンのメロディックな曲を
それは美しい音色で歌い上げる。
ああ、ハーモニーも 
何て綺麗なんだろう!

そのオスカー・ピーターソンの演奏を聴いたオゾネ少年が
ピアノを弾く決心をした思い出の曲「Cubano Chant」!
あまりの凄いパフォーマンスに驚愕!
腕が4本くらいあるんじゃないかと思うくらいw
何なんだ、このリズムの切れ味のもの凄さは!!






後半、小曽根さんが10年ぶりにレコーディングしたCD「ディメンションズ」から2曲。
THE TORIOは世界最高じゃないかと思うトリオ。
小曽根さんのピアノを聴いていると
ジェームス・ジーナスのベースと
クラレンス・ペンのパーカッションも
一緒に弾いているみたい!



そして、小曽根さんが好きだという
チック・コリアの「Crystal Silence」。
このホールに来てリハーサルをして、とても響きが良いので弾くことにしたという。

美しい曲は静かに始まる
ペダルに乗せたピアノの響きが
深い森にこだまするよう
それがやがて激しくなり
幾重にも連なる綾織りは
奥行きのある音楽を創り上げる
内省と激情
相反する空間が
見事に描き出されていく。。



その曲が緩やかに終わるやいなや
いきなりアップテンポの曲!
ビッグバンドのためにかいた曲をソロでやってのけるっっ

ものすごいテクニックをサラッとやってのける小曽根さん。
タイトなリズムと最高のドライブ感。
それはまさに余裕のパフォーマンス!




アンコールの1曲目は
「せっかくディズニーランドの近くにいるのだから」
と、題名を言わずに演奏された。
でも、誰でも知ってる曲♡


鳴り止まない拍手に応えて、もう1曲。
これも有名なジャズのスタンダード。
みんな大喜び!



ほんとうに、小曽根さんのピアノは
音楽の愛に溢れているから心にグッとくる。





'18Aug OZ浦安2.JPG




















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オルガン・ミサ     [コンサートの記憶]

J.S.バッハ生誕333周年記念特別演奏会
            ~オペラシティコンサートホール


パイプオルガン:鈴木雅明

指揮:鈴木優人
合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン





(プログラム)
J.S.バッハ「クラヴィーア練習曲集第3部」


プレリュード 変ホ長調 BWV552/1

  キリエ:永遠の父なる神よ BWV371/1*
キリエ:永遠の父なる神よ BWV669

  キリストよ世の人すぺての慰め BWV371/2*
キリストよ世の人すぺての慰め BWV670

  キリエ:聖霊なる神よ BWV371/3*
キリエ:聖霊なる神よ BWV671
キリエ:永遠の父なる神よ BWV672
キリストよ世の人すべての慰め BWV673
キリエ:聖霊なる神よ BWV674

  いと高きには神にのみ栄光あれ BWV260*
いと高きには神にのみ栄光あれ BWV675
いと高きには神にのみ栄光あれ BWV676
いと高きには神にのみ栄光あれによるフゲッタ BWV677

  これぞ聖なる十戒 BWV298*
これぞ聖なる十戒 BWV678
これぞ聖なる十戒によるフゲッタ BWV679

  われらみな一なる神を信ず BWV437*
われらみな一なる神を信ず BWV680

~休憩~

われらみな一なる神を信ずによるフゲッタ BWV681

  天にましますわれらの父よ BWV416 *
天にましますわれらの父よ BWV682
天にましますわれらの父よ BWV683

  われらの主キリスト、ヨルダンの川に来たり BWV280 *
われらの主キリスト、ヨルダンの川に来たり BWV684
われらの主キリスト、ヨルダンの川に来たり BWV685

  深き淵より、われ汝に呼ばわる BWV38/6 *
深き淵より、われ汝に呼ばわる BWV686
深き淵より、われ汝に呼ばわる BWV687

   われらの救い主なるイエス・キリストよ BWV363 *
われらの救い主なるイエス・キリストよ BWV688
われらの救い主なるイエス・キリストよによるフーガ BWV689

デュエットI ホ短調 BWV802
デュエットII ヘ長調 BWV803
デュエットIII ト長調 BWV804
デュエットIV イ短調 BWV805

フーガ 変ホ長調 BWV552/2


*:J.S.バッハの和声による4声体コラール
太字:ペダルつきの編曲







ホールをビリビリと揺るがすパイプオルガン!!
冒頭の大音量に電撃が走る。

いよいよ「クラヴィーア練習曲集第3部」の全曲演奏が始まった。

鈴木雅明氏は様々な音色を駆使し、
深い信仰に根ざした作品を、確かな洞察力で演奏する。

銀髪が大きな身振りとともに揺れ
黒い衣装はJ.S.バッハの音楽の使徒のよう。

パイプオルガンのプレリュードが終わると
ステージで「キリエ」が歌われる。
合唱は1パートがたった3人。
透明な歌声は 
のびやかに それは美しく 
ホールに響きわたる。

合唱の指揮をするのは優人さん。
両手を柔らかく使って
アカペラの旋律を紡ぎ出していく。

「キリエ」は合唱からオルガンに引き継がれ
そして また次のコラールが合唱で歌われる。

オルガンはペダル付きのものと手鍵盤だけの編曲がある。

一歩一歩 進んでいくような、重厚なペダル付きの曲の後に
手鍵盤の曲を聴くと どこか浮遊感が漂っているよう。




後半になると演奏は さらに熱を帯びる。


合唱の言葉は明瞭で 
私が座った3階席まで 堅固な意思がはっきりと届く。
研ぎ澄まされた抑揚が空気を切り裂く。

ああ、なんということだろう!
いつの間にか パイプオルガンからも歌詞が聞こえてくる!!


そして コラールとペダル付きオルガンの後
手鍵盤の「深き淵より」は
この日の最弱音で演奏された。
まさに 深き淵 から 呼ぶ声のように。。

それが次の、最後のコラール Jesus Christus,unser Heiland を際立たせる。
合唱の終止の端正な響きが空中に溶けた瞬間、
パイプオルガンが怒濤のように鳴り渡る!



優人さんはオルガンの演奏の時もずっと指揮台の前に立っている。
その後ろ姿は、演奏している父上を
しっかりとサポートしているように見える。
親子というより、音楽を遂行する同士として。


鬼気迫るパイプオルガンは
終盤に置かれた4曲のデュエットで 少し沈静する。
かわいらしい2声の曲は 
どこか懐かしく、あたたかい。


終曲は荘厳なフーガ。
長尺の演奏会を締めくくるに相応しい
そして、もちろんバッハの意思でここに置かれたフーガ。
その偉大な音楽につつまれると
ホールは 大聖堂となる。。







'18Augオルガンミサ.jpg










以前、私にとって「クラヴィーア練習曲集第3部」(オルガン・ミサとも呼ばれている)は
遠い存在でした。

先月、ライプツィヒへ行く前に出来るかぎりの予習をし、
現地で合唱とパイプオルガンを浴びるように聴いたことで
少し距離が縮まったようです。

だから、この日演奏の素晴らしさが解ったこと
そして このタイミングで聴けたのは本当に良かった!!














































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Harpsichord Concert         [コンサートの記憶]

バッハ:チェンバロ協奏曲全曲録音プロジェクト Vol. 1
                   ~ヤマハホール


(オールJ.S.バッハ プログラム)
チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV.1052
           Allegro Adagio Allegro
チェンバロ協奏曲 第5番 へ短調 BWV.1056
           Allegro Adagio Presto
チェンバロ協奏曲 第8番 ニ短調 BWV.1059R
           Allegro [Siciliano] Presto

フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV.1044
           Allegro Adagio ma non tanto e dolce Tempo di Allabreve
チェンバロ協奏曲 第2番 ホ長調 BWV.1053
           [Allegro] Siciliano Allegro

(出演)
鈴木優人(チェンバロ独奏・指揮)
若松夏美(ヴァイオリン独奏)
鶴田洋子(フルート独奏)

バッハ・コレギウム・ジャパン(器楽)
 三宮正満(オーボエ)
 若松夏美(コンサートマスター)
 高田あずみ/竹嶋祐子(ヴァイオリン)
 山口幸恵(ヴィオラ)
 山本 徹(チェロ)
 西澤誠治(ヴィオローネ)




'18July優人.jpg









太いユニゾンの旋律が ぐいぐいと始まる!
チェンバロ独奏、そして弦楽器の各パートは一人ずつだ。
全員の呼吸がおそろしいほどピッタリ合って
前のめりな音楽はとどまるところを知らない。

突き進むような第1番が終わると、立ち位置が変わる。
ヴァイオリンとヴィオラは立奏なのだが、ヴィオラが右側から左側へ。
そうするとチェンバロの音がとても良く聴こえてきて
この曲(第5番)の緩徐楽章の大好きな旋律が
美しく響いて、本当に心地よいこと。

ところが、その後のPrestoを演奏中に
ヴァイオリン奏者の楽譜が譜面台から落ちてしまった!
楽譜はすぐに拾い上げられ、演奏の中断はなく
むしろその事で皆の気合いが一気に固く結ばれたかのように
最後までタイトな演奏が続いたのだった(拍手!!

この曲の演奏後、1度だけマイクで解説をしてくれた優人さん
「ちょっと、台風の影響で譜面台が・・」
と話し始めて、会場は大受けw
(この日は台風直撃!という大変な演奏会。
あわやの譜面台事故をすかさずカバーしてしまう優人さんのユーモアって♡)

それで、何の解説かというと
次に演奏される第8番は、冒頭の9小節しか楽譜がかかれていない。
「それの復元を試みました!」
すごいっ!!

その9小節がカンタータ第35番の中の曲と大変良く似ていたので
バッハはこれを元に協奏曲を作ろうとしたかもしれない。
(バッハは自作曲を良く転用していた)
というわけで、優人さん曰く
「バッハの謎かけに応えるかたちで」
カンタータ第35番の曲を使っての復元。
その貴重な演奏にはオーボエがフューチャーされ、サウンドの厚みが増し
(オーボエはモチロン三宮さん~♫ この日のリードは赤!)
さらにチェンバロは、もの凄く細かい音符の連続技っ
この作曲能力&演奏能力!
優人さんはJ.S.バッハの生まれ変わりかも。。



休憩後の3重協奏曲は座った席のせいかフルートがよく聞こえず、なので感想パス m(_ _)m



いよいよプログラム最後の第2番。

コンバスとチェロが双子のようにシンクロする鉄壁なバス。
その土台の上で楽しく舞い踊るチェンバロとヴァイオリンたち。
沸き立つようなヘミオラは
思わず踊り出したくなってしまう。

まさに 台風を凌ぐアグレッシブな演奏に釘付け!!






さて、この演奏会の前に
この日のプログラム曲の録音が行われていたとのこと。
ということは、CDになるのですね。(楽しみ~
しかも
「全曲録音プロジェクトVol.1」
というタイトル。
ということはVol.2も3もあるのでしょうか?!(これまた楽しみ~


























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それは一瞬の     [音のしずく]




時の狭間を すり抜けて

光の矢を追い越した!




その瞬間

無数の火花が飛び散り

ゆっくりと 鮮やかに 

弧を描く





こんなに美しい空は

二度と見ることはかなわない





未来は 

海の泡となって 消えていく

人魚姫のように。。


















けれども 

ほら 耳をすましてごらん







物語の続きを読む 


あたたかな声が きこえる





永遠と一瞬の狭間でつむがれる

愛しい旋律とともに。。































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Fortepiano    [コンサートの記憶]

第1回 フォルテピアノ・アカデミー オープニング・コンサート
                  ~さいたま市 プラザウエスト 多目的ホール


小倉貴久子さんが講師をつとめる「フォルテピアノに特化した」アカデミーの
オープニング・コンサート。

会場にはフォルテピアノの他にもクラヴィコードやチェンバロなど
7台もの鍵盤楽器が置かれています。
コンサートは、そのうちの3台を使用して演奏されました。



(デュルケン、1795年製の復元楽器)
       ハイドン:クラヴィーアソナタ ニ長調 Hob.XVI:37より 第1楽章
       モーツァルト:クラヴィーアソナタ イ長調 K.331 トルコ行進曲付き

'18Julyフォルテピアノ3.JPG






(クラヴィコード 、1770年代の復元楽器)
       C.P.E.バッハ:わがジルバーマン・クラヴィーアとの別れのロンド

'18Julyフォルテピアノ1.png






(ヴァルター、1795年製の復元楽器)
      ベートーヴェン:クラヴィーアソナタ(幻想曲風ソナタ)嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」

'18Julyフォルテピアノ2.png





クラヴィコードのあたたかな弱音とフォルテピアノの軽やかな爽やかさ。

昔の作曲家は こんな音を聴いていたのだなあ。
しかし、「昔」とひとくくりにしてはいけません。
ピアノはどんどん進化し、作曲家はその楽器に見合った曲をつくった。

例えばベートーヴェンの曲は初期よりも後期の音域の方が広い。
それはピアノの音域が広がり、内部の構造も変化していったから。。

歴史的ピアノの研究を長くしてこられた小倉貴久子さんならでは、のお話しと演奏から
信念と情熱が伝わってきます。

そうそう、クラヴィコードで演奏されたC.P.E.バッハの曲は
所有していた楽器を手放さなければならなくなった時にかかれたそうで
彼は涙を流しながら弾いたというエピソードも。。







コンサートの後、いよいよアカデミーの始まりです。
私は数名の受講生の方々の公開レッスンを聴講しました。

レッスンではフォルテピアノの特徴がさらに解りやすく伝わって来ました。

そして、ノートイネガル、アチャカトゥーラ等々
バロックで使われていた奏法のお話しも出てきて
おおっ!古典はバロックと繋がっているのだな
と あらためて実感したのでした。
























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生誕333       [語られる音たち]

いま、バッハを語ろう   
      ~代官山 蔦屋  


加藤浩子さん(音楽評論家)の新刊「バッハ」出版記念トーク・イベント。
ゲストは鈴木優人さん。

加藤さんの著書は、加藤さんの深い音楽的知性に基づいて
バッハが住んでいた街や村を実際に訪ねた様子、
そして、そこで感じた事や新たな発見を盛り込んで
等身大のバッハを描き出しています。



さて、加藤さんが旅先で撮影した写真や動画を
スクリーンに投影しつつ対談し始めたのですが、
なかなか思い通りの写真が出て来ません。
そこで、優人さんが「なんなら僕がやります!」
と、スタッフからノートパソコンを奪い取りましたw
これでスムーズに写真が出てくるようになり、トーク再開です~。

オルガニストでもある優人さんは、様々なパイプオルガンを弾いた経験があるので
専門的な知識とともに、楽しいエピソードを紹介してくれました。

例えばリューベックのマリエン教会は
オルガン席がとても高い所(ビルの6階くらい)にあります。
階段を昇ってようやく着いた!と思ったら
何やら桶のようなものがあり、ロープが付いています。
聞くところによると、それはオルガニストのための忘れ物回収機なのですって。
つまり、オルガン席に着いて「あっ楽譜を忘れた!」と気付いた時
階段を駆け下りて、また登っていてはミサに間に合わないかもしれません。
そこで、下にいる家族とか友人に
「○○を入れて~!」と言ってロープ付きの桶を降ろすのです。
忘れ物が入った桶は、ロープでするすると引き上げられ
無事に演奏が出来るというもの。

これが加藤さん撮影の、オルガン演奏中の動画とともに語られるので、本当に面白かった~♬
ちなみに、動画の音声がスピーカーから出ないのを察知した優人さん、
即座にPCにトーク用マイクをくっつけて、客席にも聞こえるようにしてくれました。さすがー!

ところで
「お父上とご一緒に音楽をされていて、ぶつかる事はありませんか?」
という加藤さんの質問。
「ぶつかることはしょっちゅうです。ただ、他人とぶつかると後が大変ですが、
家族だと翌日にはすっかり忘れて並んでアイスクリームを食べていたりします」
あああ、ホントに鈴木家はバッハ家と良く似ているかも。
「バッハは20人の子持ちでしたが、僕はひとりっ子ですから~」
そうか、
才能が全て集約されたのですねっ!
お話しは尽きませんが、これからバッハ同様、作曲も含めてますますご活躍くださいませ~。
何しろバッハの作品数は膨大です。優人さんも後世に残る名曲を、ぜひ!



加藤さんの本は、書き込みなどしてヨレてしまったので
新しいのを購入してサインしていただきました。

'18Julyつたや.JPG





先日、優人さんがラジオの「古楽の楽しみ」で管弦楽組曲第3番を紹介して

「祝い事のような特別な機会に、屋外やホールのような広い空間で演奏されたと考えられる。
ライプツィヒの街の晴れやかな場所に思いを馳せながら聴いてみたい。」

と言った時、あの街の空気がふわっと伝わってきて感激しました。

それと同時に、加藤さんが旅を続けるのは、
バッハが存在していた証へのオマージュなのかも、と思ったのでした。














(自分用メモ)
・賛美歌の息つぎ(フェルマータのマーク)のところにバッハは北ドイツでブクステフーデのオルガンを聴いて来た後、即興で不協和音を入れていた。(聴いた音楽がかなり斬新だったもよう。)
(コープマン先生がフェルマータの件について質問を受け、そこはあまり長い間(ま)はとらない。間をとって伴奏者が即興することも出来ると答えていた。←それが良いのか悪いのかは時間が押していて不明)

・バッハを器楽で演奏する時→BCJの若松さんが「ヴァイオリン(楽器)が鳴るように弾いてもダメ」と言っておられた。
そのことから↓↓
・バッハは音楽の本質を求めている。
 カノンに集約できる、深い信仰に基づき普遍的・根源的なものが楽譜から感じられる。








・このお店の印象、かなり悪し。客を待たせても平気だったり、客が何を求めているのか察知できない。掃除が行き届いていない。(最近、ウツワはカッコ良く作ったけど「人」が機能していないという場面が多いなあ)
 



そんな事が続いていたので
この日、駅近くで入ったコーヒーショップでの接客がステキで感動~!
自家製ハチミツレモンのパンケーキもホントに美味しかった♡


'18Julyつたや2.jpg



























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Astor Piazzolla "tango" collection     [コンサートの記憶]

三浦一馬 東京グランド・ソロイスツ 第2回演奏会
                  ~第一生命ホール

三浦一馬(バンドネオン)
東京グランド・ソロイスツ(室内オーケストラ)
宮田 大(ゲスト:チェロ)


(オールタンゴ・ピアソラ プログラム)
リベルタンゴ
メディタンゴ
ウンデルタンゴ*
ビオレンタンゴ
ノビタンゴ*
アメリタンゴ
ル・グラン・タンゴ*

タンゴ組曲 Ⅱアンダンテ・ルバート・メランコリック
      Ⅲアレグロ
バンドネオンとオーケストラのための3つのタンゴ
      Ⅰアレグロ・トランキーロ
      Ⅱモデラート・ミスティコ
      Ⅲアレグレット・モルト・マルカート


(アンコール)
ツィガーヌ・タンゴ
アレグロ・タンガービレ


(編曲/オーケストレーション)三浦一馬
              *山中惇史





'18July三浦一馬.jpg



厚いストリングスの海でしなやかに泳ぐ魚のように
情熱を秘めたバンドネオンは
まるで アスリートのように爽やか!



始めに短い挨拶を述べた以外は
トークを挟まず、音楽をたっぷり聴かせてくれました。
ああ、いいなあ。
潔く音楽で勝負!ステキです~。

バンドネオンというと、ちょっと暑苦しい感じがあったのですが(あくまで個人の印象ですw)
三浦一馬さんは、かなり違っていました。
演奏する姿も、音楽も
とても のびやかで、聡明でハイセンス!
若い時にピアソラ・コンクールで史上最年少で準優勝しているのですね。
って、今も充分お若いですが
ご自分のやりたいことを形にしていけるのは、本当にスゴイ!


ピアソラはきちんと譜面になっている部分が多いので
クラシックの素養のある人は一応弾けるのですが
やはり、タンゴのノリを出すのは難しい。

でも、この東京グランド・ソロイスツは
ベース、パーカッションを筆頭に
ガンガン攻めていて、ホントにカッコイイ!

特にコンマスの石田泰尚さん、スゴイです。
彼はその風貌から「組長」と呼ばれてますが
もう、見た目のコワさとウマさが表裏一体となっていてゾワゾワします~。
あ、風貌だけじゃなく所作も「その筋の方」みたいでしたっw

そして、ゲスト・チェロ宮田大さんとのデュエットのカッコよさ!
今、旬の音楽ここにあり!

タンゴづくし、最高~♪♬


そうそう、この日のプログラムの中で
山中惇史さんのオーケストレーションがとても素晴らしくて印象的でした。
弦楽の鳴りどころを心得ている感じ。


三浦さんと東京グランド・ソロイスツの公演、もうすでに来年の予定が決まったとのこと。
今回はタンゴでしたが
次は何を聴かせてくれるのか、本当に楽しみです!
























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