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Missa O quam gloriosum est regnum [コンサートの記憶]

ヴォーカル・アンサンブル カペラ 定期公演
         ~聖アンセルモ・カトリック目黒教会


トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア(1548~1611)Tomás Luis de Victoria

諸聖人のミサ Missa O quam gloriosum est regnum
 ミサ《ああ天の国はなんと栄光あることか》Missa o quam gloriosum est regnum

諸聖人の晩課 Vesperae in festo ominium sanctorum


演奏:ヴォーカル・アンサンブル カペラ

superius 花井尚美 鏑木綾
altus 青木洋也 安邨尚美
tenor 及川 豊 富本泰成
bassus 谷本喜基 花井哲郎 Maestro di Cappella=音楽監督



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やわらかく浮遊する歌声

美しく絡み合う旋律

16世紀にタイムスリップしたような

不思議な高揚感。。




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11月1日の諸聖人の祝日のためのトマス・ルイス・デ・ヴィクトリアの作品。
グレゴリオ聖歌をはさんで、ヴィクトリアの曲が歌われるというミサの形での演奏です。

祈りの場にふさわしい美しい響きは、まさに神の国からのもの。
俗世の喧噪を忘れ、敬虔な思いで心が満たされます。




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8名のカペラのメンバーは、このクワイヤ・ブックを囲んで歌います。
ひとり1パートになるところもあるので、高度な演奏技術が要求されるのですが
彼らのクオリティは本当にすごいっ!
お互いに聴きあって歌うのですが、
その音程のとり方が まさに絶妙なのです。

以前は、当時のミサを再現するという事で客席に背中を向けて演奏していましたが
この日は顔が見える位置になっていました。
やはり演奏会なので、この方が嬉しいですね。




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ここは、落ち着いた雰囲気で素晴らしい教会です。


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今回は、2階のパイプオルガンの横の席で聴きました。



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カペラがここで演奏するのは(会場の都合で)これが最後になるようです。
この場で 私の大好きなヴィクトリアが聴けたのは本当に幸せでした。


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Messe in h-moll      [コンサートの記憶]

J. S. バッハ
《ミサ曲 ロ短調》 BWV 232 全曲
               ~東京オペラシティ コンサートホール

指揮:鈴木雅明

ソプラノ:朴 瑛実、ジョアン・ラン
アルト:ダミアン・ギヨン
テノール:櫻田 亮
バス:ドミニク・ヴェルナー

合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン




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オペラシティコンサートホールの
高いところにある窓

音楽はそこに向かってのぼっていく
そして 
さらに上の天をめざして


私はその窓を眺めながら
合唱・管弦楽のパート全てが
すみずみまで聴こえる緻密な演奏に身をゆだねていた。。

そこには 何の演出もない。
ただひたすら
音楽に奉仕する演奏家の姿があるのみ。

指揮者をはじめとして、演奏者全員が
情熱的ではあっても決して激することなく
真摯な演奏をするからこそJ.S.バッハの意図が真っ直ぐに伝わって来るのでしょう。

だからこそ、聴衆は深い感動につつまれるのです。



ある方が、音楽をする上で大切なことは

楽譜の中に作曲者の意図を読み取り
何も足さない、何も引かない。

と教えてくれました。



去年の夏、同じ曲を同じくBCJの演奏で聴いた時は
ただただ感動するばかりでしたが
その後、この曲を合唱で歌うことになり
楽譜を読み込んできたので
「何も足さない、何も引かない」
という言葉の意味が本当に良く解りました。
そして、この日の演奏がどんなにクオリティが高いものかということも!





音楽の最後の響きの後
ホールは長い静寂に包まれ

そして深い感動と敬意の喝采!





















ところでっ
演奏会が近づいて来たある日、チラシをよーく見たら
なんと!
優人さんの名前がありません!
「チェンバロ・オルガン:フランチェスコ・コルティ」
うっそー!誰この人?!

優人さんは、この日の翌日に別の演奏会でパイプオルガンを弾くことになっていたのです。
仕方ありません~。でもザンネン~。
と思っていたら
なんとっ
「出演が決まりました!」
との情報ががが(きゃー)!
別の演奏会のリハーサル時間が上手く調整できたようで
こちらの本番に駆けつけてくれたのです。
(まあ嬉しい!私のために~)←阿呆



ということで、こんな感じで(写真、お借りしました)

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本番の時、双眼鏡で観たら(だって3階席だったのですもの)、
優人さんのヘアスタイルが、いかにも「走ってきた!」という感じです。
それは駆けつけたイメージでセットしたらしい(ほんとかw)。
でもね(当然のことながら)演奏はとても駆けつけたとは思えない、すばらしいものでした!
さすが、プロですねえ。

しかし、翌日のBCJの公演には
さすがに分身の術を使うわけにはいかず、
コルティさんが一人でチェンバロとオルガンを弾いたそうです。
これまた凄いワザですねが、
コルティさんは優人さんの同級生だったと聞いて、それくらい当然なのでしょう(何が?
ともあれ このような超絶な人達の集まりなんです、BCJは。
これをライブで聴けるというのは、まさに究極の幸せです!!



























Duo Ricital              [コンサートの記憶]

原田 陽×鈴木優人 デュオリサイタル
             ~王子ホール


原田 陽(バロック・ヴァイオリン)
鈴木優人(チェンバロ)

(プログラム)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第2番 イ長調 BWV1015
     :無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
     :ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第5番 ヘ短調 BWV1018

     :半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 (チェンバロソロ)      
     :ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019

(アンコール)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019a(初稿)より
      Cantabile




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この美しいチェンバロから紡ぎ出される音は
明るい光にみちていて
眩しいほどに輝いている。

優人さんが弾くチェンバロは
どうしてこんなに綺麗な音色なのでしょう!

独奏の「半音階的幻想曲とフーガ」

これほど鮮やかな幻想曲を、他で聴いたことがない。
ともすれば重く、おどろおどろしくなりがちな曲なのに
進む方向が定まった、小気味の良い演奏に息をのむ。

そして何とも見通しの良いフーガ。
遁走曲の名のとおり
逃げようとする旋律が目に見えるよう!



続くデュオ。

すたすたと運んでいく安定したチェンバロに乗って
1部の時よりも ぐんと鳴り出したヴァイオリンが饒舌に歌う。

チェンバロの旋律に装飾が華やかに付け加えられて
あでやかな道行きを楽しませる。

まるで ドラマを観ているような ステキなやりとり。

五楽章あるソナタのうち、第三楽章がチェンバロ独奏なので
ヴァイオリニストは後方に置かれた椅子にかけている。
そんな様子も お芝居のようで。。

愁いを含んだ第四楽章の次に一気に駆け出す音楽は
まっしぐらに大団円へと 突き進んでいく!


そしてアンコールは、同じソナタの初稿にある緩徐楽章。
ふくよかな旋律は幸せの余韻をのこして
演奏会があたたかく閉じられました。。




                (以下の写真はweb上からお借りしました)

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前半のデュオ2曲とヴァイオリン独奏も素晴らしかったのですが、
ことのほか印象に残った後半のプログラムを綴りました。

ヴァイオリンの原田陽さんの演奏を初めて聴いたのは
もう9年も前のこと。
ピアニストのイエルク・デームスが出演したコンサートでオーケストラのコンマスをしていて、
バッハのヴァイオリン協奏曲を演奏していました。
その後、演奏を聴く機会がなかったのですが
数年前にバッハ・コレギウム・ジャパンの管弦楽で弾いているのを「発見」してビックリ!
BCJでは、当然のことですがバロック・ヴァイオリンを弾いていました。
確か、以前はモダン楽器だったはずなのに?
(それに長髪をバッサリ切って、別人のようでした。)

原田さんがバッハに対する思いの深さを、この日のプログラムに書いていらして
オリジナル楽器を演奏するようになったのは、自然な流れだった事が解りました。



そういえば、優人さんが王子ホールで二人だけの演奏(しかも独奏も!)というのを聴いたのは
初めてだったかもしれません。

あ~、チェンバロの音がステキだったなあ。。
(と余韻にひたっております)
































Miroslav Kultyshev Piano Rcital Ⅱ       [コンサートの記憶]

まさか二度目があるとは!!





ミロスラフ・クルティシェフ ピアノリサイタル
          ~東京音楽大学A館100周年記念ホール

(プログラム)
リスト:愛の夢 第3番
ショパン:12の練習曲Op.10より第12番「革命」ハ短調
ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調Op.42
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ長調Op.35「葬送」

ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83「戦争ソナタ」
          (アレグロ・インクィエート、アンダンテ・カロローソ、プレチピタート)
(アンコール)
ラフマニノフ:断片
ショパン:幻想即興曲
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲Op.71a(プレトニョフ編)より
          7.アンダンテ・マエストーゾ





音大の文化祭でクルティの演奏会があると知ったのは、この10日ほど前だったでしょうか。
入っていた予定を変更したのは言うまでもありませんっ!

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先日のさらに上をいってて、本当に凄かった!

ショパンの内声の表現
ラヴェルの倍音の響かせ方
プロコのタイトなリズム感。。
もうゾクゾクしっぱなし!

最弱音から大音響までのダイナミクスと
音色のグラデーションは
まるで万華鏡・・
ああ、なんてゴージャスなんだろう。。

何度も涙があふれそうになる。




そして何より、
神懸かりのような集中力は圧倒的!!

まるで 天国にいる作曲家と交信をしているかのよう
いや、じっさい
降臨したのかもしれないね。。






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Seymour An Introduction      [カーテン・コールの後に]


シーモアさんと、大人のための人生入門
              ~渋谷アップリンク



イーサン・ホークが俳優として、また自分の人生に行き詰まりを感じていたときに出会った
ピアノ教師のシーモア・バーンスタインは、かつて高い名声を誇るピアニストでした。
シーモアさんの人柄に魅了されたイーサン・ホークが、彼のドキュメンタリーを撮りました。


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シューマン、そしてブラームス。
シーモア先生の奏でるピアノの音色の
なんて暖かいことでしょう!

そして、決して平坦ではない長い人生を歩んできたシーモア先生の
深い言葉の数々。。
もう、何度でも繰り返し観たい映画です。
(なにしろ、大事なお話のバックに演奏が流れたりするので、集中力の限界です~・汗)



シーモア先生は来日してマスタークラスをしたこともあり、
また、著書が翻訳出版されています。
これまで知らなかったなんて、不覚!!
映画を撮ってくれたイーサン・ホークには感謝しかないです~。








































Piano Solo Live         [コンサートの記憶]

小曽根真 ピアノ・ソロ・ライブ
           ~狛江エコルマホール

(セットリスト)
Inprovisation:M.Ozone
The Beginning :M.Ozone
Someday My Prince Will Come:F.Churchill
Gitanerias:E.Lecuona
Cubano Chant:R.Bryant
Time Thread:M.Ozone

Mazurka #24:F.Chopin
Prelude #2:A.Scriabin
My Witch's Blue:M.Ozone
Cyrstal Silence:C.Corea

(アンコール)
Valses Venezolanos :A.Lauro
Autumn Leaves:J.Kosma



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ゆっくりと 
ピアノの響きを確かめるように弾き始める
そして
コマ落としの映画のように
次々に現れては消える、さまざまな場面。。



整音の行き届いた楽器からインスパイアされたという即興演奏。
最初の音がショパンの舟歌の冒頭にそっくりだったので驚いたけれど
ショパンが豊かな倍音の響きを作品に込めたように
小曽根さんも同じ響きを聴いていたに違いない。


さて、以前にトリオで演奏されたタイトな曲の後
ほっとするような優しい音色で始められた「いつか王子さまが」。
軽やかなワルツは やがて豪華に!
通り一遍で終わらないのは、やはりピアノのせい?


キューバの作曲家E.Lecuonaがかいた"Gitanerias"は
先日のゴンサロ・ルバルカバとのデュエットの最終日に弾かれたもの。
ジプシー音楽のイメージというが
どことなくスパニッシュな香り。
小曽根さんが弾くラテン系のダンサブルな曲は最高!

キューバつながりて"Cubano Chant"。
ベースをガンガンきかせてノリノリ♬
これは小曽根さんがピアノを始めるきっかけになった曲。

そして"Time Thread”の穏やかなハーモニーが
この世のものとは思えないくらい
優しい音色でしっとりと奏でられる。。



ブレイクをはさんでクラシックを2曲。
というより、それらの曲をテーマにしたインプロヴィゼーション。

「ショパンは怒ってるでしょうか?」と
弾き終わった小曽根さんが言うくらいファンキーなマズルカ♬

次は20数年前にチック・コリアが「この曲いいよ!」と教えてくれたという
スクリャービンのプレリュード。

薄明かりの部屋
やわらかなビロードの上を
音の粒がころがる。。

これは
そう、ゴンサロ・ルバルカバとのデュエットで聴いた会話。
あの時
ふたりの言葉の重さは
重力に逆らって放物線を描き
宙に舞っていた。。

それが租借され 再び紡がれると
美しい陰影とともに 新しい命が宿される

それは
決して追憶や感傷ではなく。。


そんなふうに聴いていると
小曽根さんにとってゴンサロ・ルバルカバとの出会いが
どんなに素晴らしいものであったかがわかる。
内面をさらけ出して
まるでバトルのように繰り広げられたデュエットは
お互いを高めあう、至福の時間だったのでしょう。

この日は、その時の追想ではなく
さらなるステップとなっているのが聴けて
胸がいっぱいに。。




拍手を制するかのように弾き始められた"My Witch's Blue"
テーマのアルペジオがオソロシクなめらか!

音楽のタイムだけでなく
光と闇を表現するのに必要な技術を
小曽根さんは次々と手に入れる。
自分のイメージに向かって着実に進んでいく。
そんな、音楽に対する真摯な姿勢を見る度に
尊敬せずにはいられない!


最後は"Cyrstal Silence"
夢のような柔らかい音色が
ゆっくり、ゆっくりと奏でられる。

やがて刻みはじめられたリズムは
重い足どりのように進んでいく。
さらなる慟哭は
時空を引き裂くかのよう!

そうして
また
新しい夜明け

透き通った空気の中に
美しい夢のかけらが吸い込まれていく。。




ホールの、新しく生まれ変わったピアノにインスパイアされた
ダイナミックでいて繊細な、クラシカルな曲の後のアンコールは
ヴェネズエラのワルツ。
元はA.Lauroが作曲したギターの曲で、まるでフラメンコ。
なんてステキにカッコイイのだろう!


鳴り止まない拍手に応えて、もう1曲♬
「枯葉」が聴けたら、もう文句なしですねえ~。
しかも、とっても解りやすいアレンジw
みんなが大満足♡の幕切れでした!


























Miroslav Kultyshev Piano Rcital    [コンサートの記憶]

優しいメロディーが低音で奏される

なめらかなアルペジオ

最初の転調で 思わず涙

これが

ずっと待ち続けていたピアノ。。






MUSE PIANO SERIES 2016 休日に燦めくピアノの響き
ミロスラフ・クルティシェフ
       ~所沢ミューズ・アークホール
                 

(プログラム)
リスト:愛の夢 第3番
ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調op.42
ショパン:エチュード「革命」
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲」

ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83「戦争ソナタ」
          (アレグロ・インクィエート、アンダンテ・カロローソ、プレチピタート)
(アンコール)
チャイコフスキー:くるみ割り人形~グラン・パドドゥ
ショパン:幻想即興曲








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なんというピアノの響き!
倍音の重なりが粒子になってホールを満たす。

確固たる和声感の上に構築された音楽。
息の長いフレーズ。
心地よいアゴーギグ。

彼が弾く唯一無二のリスト。
そしてショパン!

6年前のショパンコンクールのネット中継で
ミロスラフ・クルティシェフの演奏を聴いて以来
彼以外が弾くショパンは考えられなくなった。

あれから ずっとソロ・リサイタルを待っていた。
ほんとうに、ずっと!

ショパンの作品は、コンクールの時の方が丁寧に弾かれていたように思う。
コンクールはミスがマイナスになってしまうので、慎重にならざるを得ない。
恐らく、この日のショパンの方が彼の本来のものなのだろう。

型から出て自由にはばたくように
時には激しい音も交えた、情熱的でドラマチックな演奏。

また逆に最弱音の神秘的な美しさ!
ゆるやかに奏された音を
それが空気に溶けるまで聴きつづける集中力。

CDに閉じ込めることが不可能な
クルティシェフのピアノの響き。
ナマで聴くことが出来て
最高に幸せ!




そう、「幸せ」な気持ち。
これは不思議!

以前、クルティシェフの演奏を聴くと
それがどんなに明るい曲調のものでも
暗い響きを感じたものだ。
まるで地獄の釜をのぞいてしまったような恐ろしさ。

けれど、今回のリサイタルでは
そんな瞬間はなかった。
だから、すなおに「幸せ」と言えることが嬉しい。。





         

                        (以下の写真はweb上からお借りしました)

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オンディーヌはまさに水の精。
そう思わせるようなピアノ。
ショパンの時と明らかに違う音色。

曲と曲の間も手を鍵盤から下ろさず(拍手をさせない!)
3曲ぜんぶで1つの曲なのだということが伝わってくる。

さあ、スカルボだ!
この超難曲で、クルティシェフはピアノの機能を最大限に生かした演奏を聴かせてくれた。
まるで 猛り狂った獣と戦うかのように
奏者とピアノが渾然一体となる。
炎の地獄のような音楽は
スカルボが ふいっと消え去って、終わる。



プロコフィエフの作品の現代的な響き。
ゆっくりと奏される時に音程感覚がのある奏者だと
それがとても際立つ。
クルティの見事な音程感覚は
まるで色彩が目に見えるよう!
彼はポリフォニックな感覚も非常に鋭いので
紡がれる音楽は、さながら美しい綾織り。

そして終楽章。
なんということだ!
これはまるでテクノ・ミュージック!
もの凄いリズム感とドライブ感っ!
めっちゃカッコイイ~!!
フランチェスコ・トリスターノの「ラ・ベネクシアーナ」を思い出してしまったw

拍手喝采!




そしてアンコール。

かわいらしいアルペジオから始まり
繰り返されるメロディー。
少しずつ音数が増してゆく。
それはそれは豪華な「くるみ割り人形」。

クルティが こうしてソロで弾いてくれている。
もう
感謝しかない。。



拍手なりやまず。

アンコールの2曲目はショパン。
初めてクルティシェフの演奏を耳にした6年前の秋の日に思いを馳せる。

あの日も
彼は
ショパンを弾いていた。。




















































声の庭          [コンサートの記憶]

ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン
<イタリアの庭で~愛のアカデミア>
                   ~サントリーホール


指揮ウィリアム・クリスティ

ソプラノ:ルシア・マルティン=カルトン
メゾソプラノ:レア・デザンドレ
カウンターテナー:カルロ・ヴィストリ
テノール:ニコラス・スコット
バリトン:レナート・ドルチーニ
バス:ジョン・テイラー・ウォード

オーケストラ:レザール・フロリサン

(プログラム)
A.バンキエーリ:音楽のザバイオーネ「森の創意」&5声のマドリガーレ第1集より
       マドリガーレ「さあ、全員集まったから」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「レント」
O.ヴェッキ:「シエーナの夜会、または現代の音楽のさまざまな気分」より
      「音楽のユーモア」「皆さん静かにしてください」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「アレグロ」
        5声の合唱「ねえ、恋人さんたち」
        レチタティーヴォ「美女の女神が望む最高の栄誉は」
        アリア「美しい容貌とは」
        レチタティーヴォ「狂わせたのは誰」
ヘンデル: オペラ「オルランド」より
     アリア「冥界の川に住む、邪悪な亡霊たちよ」
ヴェルト:「5・6・7声のマドリガーレ集」第5巻より
     マドリガーレ「もはや涙ではない」
A.ヴィヴァルディ: オペラ「オルランド・フリオーソ」より
         レチタティーヴォ「不実で嘘つきな女よ」
         アリオーソ「鎧も兜も脱ぎ捨てよう」
         レチタティーヴォ「身軽になったので、一息つこう」
         アリア「俺は、背中には百の翼を」
ヘンデル:オラトリオ「時と真理の勝利」より
     アリア「棘は残したまま、薔薇の花だけ」
A.ヴィヴァルディ:「離宮のオットー大帝」より
         アリア「嫉妬よ、おまえは私の魂にもたらした」
A.ヴィヴァルディ:歌劇「愛と憎しみに打ち勝つ徳、またはティグラネス王」より
         アリア「愛しい瞳よ」
A.ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        レチタティーヴォ「悟りは愛の学校のメンバーでないけれど」
        アリア「愛の神の矢に用心しなさい」
        レチタティーヴォ「悟りが理性と手を組んだなら」
        マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」

D.チマローザ: オペラ「みじめな劇場支配人」より
       「ああ、皆さん分かってください」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     レチタティーヴォ「美しい方々」「私はどうしたらいいの」「どうですか」
D.サッロ: オペラ「カナリー劇場支配人」より
     インテルメッツォ第2番(抜粋)
     アリア「人前で芝居をするのは惨めだわ」
     インテルメッツォ第1番(抜粋)
     レチタティーヴォ「外国から来る興行師を待ってるの」
モーツァルト: バスとオーケストラのためのアリエッタ
      「お前は手にキスされただけで」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     四重唱「悪党!裏切り者!人殺し!」
N.ボウボラ:ソロ・カンタータ
      レチタティーヴォ「もしも私の心が自由で」
      アリア「この唇と瞳が惑わしたのなら」
ハイドン:オペラ「騎士オルランド」より
     「僕は困惑している」

(アンコール)
ロッシーニ:オペラ「チェネレントラ(シンデレラ)」より
      六重唱「貴女ですね」
ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち」より
       マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」
ジャキェス・デ・ヴェルト:マドリガーレ「もはや涙ではない」


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ウィリアム・クリスティーの長い手が柔らかく弧を描くと
彼の人柄そのままのような、暖かい音楽が紡ぎ出される。

オリジナル楽器の管弦楽の軽やかな響き。
奏者ひとりひとりが本当に達者!

その確かな演奏に支えられて
若い歌手たちが躍動する。
すべて暗譜で、演技を交えながらの歌唱。
プログラムは様々な作曲家の楽曲から選曲され
若者が「愛」を学ぶプロセスを表していた。

歌はソロよりもアンサンブル。そしてアカペラの重唱の方がすばらしく、
特にアンコール最後のアカペラは抜群だった。
歌が終わっても客席が長いこと静まりかえっていたほど。
ほんとうに、拍手をするのが惜しいくらいの静寂。

欲を言えば管弦楽だけの演奏をもっと聴きたかったなあ。



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ラジオの朝の番組「古楽の楽しみ」で
関根敏子せんせいが良く紹介して下さる「レザール・フロリサン」。
今回はじめて、彼らの生演奏を聴くことができました!
指揮のウィリアム・クリスティーは長く古楽界をリードし続けていて
彼の元を巣立った音楽家による古楽グループが数多く存在するそうです。
クリスティーさん、これからも元気に活躍してほしいなあ!