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冬の日に             [語られる音たち]

みなさんはクリスマスに どんな思いをお持ちですか?

私は街にクリスマス・ソングが流れ出すと
とても切ない気持ちになります。。

(その人は、静かにクリスマスのお話を始めました。。)




・・私の通った幼稚園では、クリスマスにサンタがプレゼントを持ってきてくれました。
サンタは、ホールにあった大きな煙突から登場したこともあって
私はサンタの存在を信じ切っていました。

小学二年生の頃だったか、友達に
「サンタはいないよ」
と言われ、口論になりました。
家に帰って母親に
「サンタはいるよね?!」
と聞きました。
母親は、もう小学二年なんだから、という思いもあったのでしょう、
「いないよ」
と答えたのです。

その時の衝撃は忘れられません!
確かにあった壁が ざーっと崩れ落ちていくような
世界が空気の中にくずれて行くような光景が見えた気がしました。




・・私は1枚のレコードを大切にしていました。
それは様々なクリスマスソングが入っている、
今で言うコンピレーション・アルバムです。
その中の1曲のクリスマス・キャロルが特に好きで愛聴していました。

ある時、従兄弟がそのレコードを貸してほしいと言いました。
その子は乱暴者だったので、私はちょっとイヤな予感がしたのですが
母親に
「貸してあげなさいよ」
と言われ、渋々貸したのです。

案の定、レコードは割れてしまいました。。

またあの曲が聴きたいと思い、同じレコードを捜したのですが
見つかりませんでした。

私は職業柄たくさんのCDを聴きます。
サンプルとして貰うものもあり、クリスマスのCDだけでもかなりの数を持っています。
でも、その中に
あのクリスマス・キャロルはないのです。

毎年、クリスマスが近づくと発売されるCDたち。
今年は入っているかもしれない!
と期待して聴くのですが、ありません。

私が5歳くらいの時のレコードですから、
たぶん有名な曲を集めたものだったはずです。
それなのに、あの曲は再び聴くことが出来ないのです。

幼い時の記憶なので、曲を正確に覚えていたわけではないから
もしかしたら、すでに同じ曲を聴いたのかもしれませんね。
でも、私のなかでは
あのレコードに入っていたクリスマス・キャロルは
聴けていないのです。。



こんなことから、私はクリスマスが近づくと
とても切ない気持ちになるのです。。






そんなお話の後、ご自分で書かれたエッセイをコピーして配って下さいました。
(著書か雑誌で発表されたものだと思いますが、注釈がなく不明です)




「冬の日に」

 夢は、破れるから、さらに求められるのだろう。
世界中のお父さん、お母さんたちが、子供にサンタクロースの話をしきりに伝えるのは、
自分が子供のころサンタクロースがいないと知って、夢が破れたからではないだろうか。
子供にとってサンタクロースの夢は楽しいだけだが
大人にとってのサンタクロースの夢は少し悲しいのかもしれない。

 でも、お父さん、お母さん、サンタクロースはいるのです。
なぜってサンタクロースの体験を語った物語があるのだから。

 そのサンタクロースは、プレゼントを置こうとしたところを、
ベッドで起き続けていた少年に見つかった体験を書いている。
少年は
「ねえ、パパでしょう?」
と言って、まるで信じてくれない。
「本物のサンタクロースだよ。世界中の子供たちにプレゼントを配っているんだ」
と説明しても、
「学校のみんなも、プレゼントを持ってくるのは、本当はパパなんだって言ってるよ」
と、てんから信じようとしない。
少年が自分で作ったという大きな靴下に戦車のプラモデルを入れ、
サンタクロースは本物であることを証明してみせるために部屋の壁を通り抜けて外に出た。
「本当はパパなんでしょう?パパだと言ってよ」
という少年の言葉を背に。

 外は雪が降っていた。
雪の中でそりを動かそうとして、ふと妙な気持ちになり
サンタクロースは門のほうに回ってみて、自分の額をたたいた。
雪に半分埋もれていたが、表札には明らかに
「孤児院」
と書いてあった。



 ヨーロッパのクリスマスは、12月25日に終わってしまうのではない。
マリアの光のミサである2月2日ごろまで、クリスマス・ツリーは光を灯し続けている。
年が明けたという感覚はあまりないから、
新年になっても、ふと、クリスマスがまだ来ていないような気がする人もいるだろう。
この少年も、サンタクロースを信じていないのに
靴下をまだしまっていないかもしれない。

キリストの降誕を歌うキャロルのひとつに、
クリスティーナ・G・ロセティの詩にハロルド・エドウィン・ダークが作曲した
「冬の日に」
と題するものがある。
重いオルガンの響きとともに聖歌隊が
「雪の上に雪が降り続ける」
と厳しい冬を歌い始め、さいごは無伴奏で聖歌隊の少年の声だけになる。
「彼に何を与えることができるのだろうか、貧しい私が」
と静かに響き合う透きとおったコーラスを聴いていると、
なぜか、少年の作った靴下が思いうかぶ。



In the bleak midwinter (Harold Darke) - Guildford Cathedral Choir (Barry Rose)



静かな語り口が心に残る、クリスマスのお話でした。。

この日は、他にもいくつかのお話がありましたが、
特に印象に残った、このお話を書き留めておきたかったのです。








さて、ロセティ(ロセッティ)は詩人であり、画家でもありました。
それは、あるコンサートで初めて知った事です。

→ 

これは、今年の春まだ浅いころでした。
それがこんなふうに繋がってくるとは、不思議です。


ちなみに、これと同じ詩にホルストが曲をつけたものもありますね。
でも、このエッセイはこの曲でなければならない思いが込められています。










お話をして下さった梅津 時比古さんの著書の中に「フェルメールの楽器」があります。
絵画の中で見る楽器が、どんな音色を奏でるのだろうと思っていた私を
古い音楽の世界に導いてくれた本でした。

生きていると、こうして何かが ふっと繋がり合うことがあります。
そんな不思議な 冬の日。






































Sence of Freedom        [語られる音たち]

小曽根真 ワークショップ
「自分で見つける音楽」Vol.2
            ~よみうり大手町ホール


'14DecOz.jpg

この日は自由席だったので、早くから並んでいる皆さんでディズニーランド状態です。

ホールに入るとピアノがセッティングしてあるので、いつものコンサートのようですが
「間もなく開講いたします・・」
のアナウンスで講義だったー、と気付いたりしてw
でも、何人かは小曽根さんが(いつものように)客席後方の扉から登場するのではないかと
首を後ろにねじ曲げています~。
でも、ちゃんとステージ上手から登場です!
そして1曲 演奏してくれました。

♪思いあふれて:アントニオ・カルロス・ジョビン

イントロが、なんとポリフォニーです。
小曽根さんの左手の旋律が良く歌うこと!
まるで教会のオルガニストの即興演奏のようです~。
それがボサノバになっていく、すてきな流れ。
スタインウェイの軽やかな音が
ひとつぶずつ踊りながら宙を舞っていく。。

お話は
「音楽、特にジャズではリズムが最重要!」
というところから始まりました。

楽器の弾き方が身体に入っていれば、リズムをコントロールすることが出来る。

例えば、前ノリでプッシュして弾くオン・トップと
後ろにのるレイド・バックではカラーが違う。
こんなふうにね、とピアノで弾いてくれるところが凄いよねええ。

続いてハーモニー。
ピアノで伴奏をする時、ソリストがどんな音色を欲しているかキャッチする。
相手のためにスペースを空けてあげることは大事。

ここでスペシャルゲストのパキート・デリベラさんを、小曽根さんが
「そこにいるだけでHappyになる人」
と紹介。

クラリネットとサックスを持って登場したパキートさん、
楽器を望遠鏡のようにして客席を眺めていますw
パキートさんは
「これから正しいモーツァルトを演奏するよ。
これを聴けばモーツァルトがニューオリンズ生まれだってわかるよ」

♪クラリネット協奏曲より第2楽章:モーツァルト

ホントにジャズの香りがいっぱいでした~♪
「これは原作から移調して演奏したよね」
と小曽根さんが言うと
「そうなんだよ、A管は質屋に入れちゃったのさ」
とパキートさんww

パキートさんのお話は、カーメン・マクレイが自分のバンドの事について言ったこと。
「彼らが聴くことを覚えれば、もっと素晴らしいバンドになる」

サイレンス=無音の大切さ。
自分の音を聴くこと、
そしてコミュニケーションをとるためには相手を聴かないと!

アドリブについての質問に答える形で、演奏されたのはクリスマスソング。
自分が欲求した、自分に聴こえた音を弾けば良い。

♪The Christmas Song

参考) Nat King Cole




また、どんなふうに練習しているか、という質問に対して
小曽根さんは常にドラムスを想像して弾いている、との答え。
パキートさんも
「ハープ奏者はパーカッションを習った方が良い!」
ええ?!
小曽根さん「どうもハープの人と何かあったらしい」ww

ドラムスはスティックの扱いが技術的に難しいので、コンガがオススメだそうです。

リズムのセンス。
そして、リズムがあるからこそ自由に演奏するセンスがある。
Sence of Freedom!       


この日 語られた中で、とても印象に残ったのは、
「自分で発見したものは忘れない」
人から教わった事やコピーしたものでは身につかない。


そして、自信を持って弾くためには
「準備は練習しかない!」


♪To Brenda With Love :パキート・デリベラ

ゴキゲンなこの曲のタイトル、ブレンダさんはパキートさんの奥様です。



(アンコール)
♪Black Orpheus:Louiz Bonfa

ライブではないのに、会場の盛大な拍手に応えてくれた小曽根さんとパキートさん。
しっとりとした旋律が柔らかい空気をつくり
聴くことの たいせつさを あらためて教えてくれる。

そして、コーラスを一緒に歌おう!と誘ってくれて
会場の皆で口ずさみました。
小曽根さんのピアノで歌えるなんて!
まさに至福のひととき。。

















































深く聴き、恐れずに歌いきる         [語られる音たち]



ジャン=クロード・ペヌティエ

若い音楽家のためのマスタークラス
              ~トッパンホール



フォルジュルネでピアノトリオを聴いたばかりのペヌティエ先生のレッスンです。
3人の若い音楽家が、それぞれフォーレ(前奏曲集より3・4・9番)、
ショパン(前奏曲集より1・14・15番)シューベルト(ピアノソナタ第21番の抜粋)のレッスンを受けました。
ペヌティエ先生が翌日のリサイタルで演奏するのと同じ曲です。



ステージ上には2台のグランドピアノが置かれていますが、
受講生とともに登場したペヌティエ先生は、客席に降りて最前列中央に腰掛けました。
そこには聴講者が座っていたのですが、席を譲ってもらっていました・汗

通訳は私が大ファンの藤本優子さん。
てきぱきと、でも落ち着いた語り口で先生の言葉を全て訳して下さいます。
一昨年のパスカル・ロジェのマスタークラスの通訳もこの方でした。
マスタークラスは通訳で随分印象が変わってしまうので
今回は本当に深くレッスンが聞けて、とても良かったです。



以下、自分のためのメモ。


フォーレ:前奏曲集Op.103
(3番)
晩年の、死を見つめていたフォーレ。
フォーレの作品の特徴は、常に何かに恋い焦がれるような感じがあること。
(4番)
美しく、長いフレーズを描く。作曲家が私達の前で曲をかいているように。
ハーモニーの質感が支えになっている。
息づかいを意識する。
クレッシェントは息づかいが大きくなっていくだけ。
たとえば外に出た時に木のざわめきが大きく聞こえるように。
(9番)
音は少ないが緊張感を保つ。
三声は弦楽三重奏のように長いフレーズを感じる。見事な対位法。
目の前に広がる冬の風景。



ショパン:24の前奏曲Op.28
(1番)
各声部をクリアに。
ショパンの時代の低音の使い方はチェロのような良い響き。モダンのピアノでは鳴りすぎる。

(14番)
ショパンは速度記号を後に書き換えている。
ペザンテ。
(明日、あなたは私のリサイタルに来ますか?
この曲を全然違う解釈で弾くので驚くと思いますよ!)

演奏する人は内気な人が多い(すぐさま正しいことをやりたがる)が、
芝居をやる人のように極端な事を試してみると良い。
そうすると心身が柔軟になって解き放たれる。
イマジネーションが豊かになる。

(15番)
音色の変化は突出しないこと。例えば始めの1ベージは同じ色になる。
28小節目~ 緊張感を保つ。

自分の身体に不自然なことをやってはいけない。
日本の座禅の座った姿はとても自然。




シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 D960

シューベルトの時間の操り方は特別。現代人と全く違う。
今という時間は次はこうする、という流れがあるが
シューベルトは今の充足感。「今」しかない。
時間をたっぷり味わってシューベルトのエレメントを表現する。

人間の魂の神髄に触れる音楽。

繊細だがきちんと存在すること。ムーディーではいけない。
ペダルは耳でふむ!

気持ちよく聴かせる。自由でしなやか。ハピネス。幸せをあびる。
その事と、全ての音をきれいに発音することを兼ね備える。

16分音符4つ、8分音符2つというようなシンプルな音型を
美しいと感じる伝統はドイツ的。

1つのフレーズを同じ力で弾ききることを恐れない。
途中でゆるめずに歌いきること。







レッスンは、それぞれ時間を延長して行われました。
ペヌティエ先生の深い情熱と真摯な語り口に時が過ぎるのを忘れていました。

先生が「これ以上続けるとナイトクラブになってしまうので、今日はここまで!」
そして3人の受講生へ
「経験を積んで、音楽を語らせましょう」
と おっしゃって お開きになりました。














































Enjoy Life            [語られる音たち]



音の響きは

幸せの余韻を残して

空気の中に消えていく

けれど

決して消えないものは

それを聴いた瞬間の あざやかな記憶





小曽根真ジャズ入門講座「Enjoy Jazz, Enjoy Life」
                  ~大田区民ホール・アプリコ小ホール



いつものようにw後ろのドアから現れた小曽根さん、ステージに立ち挨拶すると
「ちなみにこの中でミュージシャンという方は?」
殆ど手が上がりません。
「楽器を弾いた事がある方?」
これもちらほら。
「弾いた事がないという方?」
何人かいたもよう。
「弾いた事があるけどヘタクソ、という方?」
なんと一斉に手が上がりましたww(もちろん、私も手を挙げましたよ~)

そんなふうに楽しく始まったジャズ入門講座。
「話を聞いた後でコンサートに行くと『あ、そういう事が起こっているのか』と
違った形でエンジョイしてもらえるのではないか」
というわけです♪

(以下、自分のためのメモ)

クラシックは芝居の台本のように台詞が書かれている。それを、どう表現するか。
それに対してJazzは自分の言葉でしゃべる。気持ちのやりとり。

音楽の3要素、リズム・メロディー・ハーモニーのうち
ジャズでとても重要なのはリズム。

(演奏)Bienvenidos al Mundo

この曲はラテンの曲なので、様々なラテンのリズムを弾いて紹介。

テンポにピッタリで弾くより前に突っ込むとワクワク感が出る。
リズムを身体に入れて、どう表現するか。

スイングで一番大事なのは 2拍目と4拍目にアクセントをつける。
リズムを感じて叩くと聴いている人に伝わる。

Jazzはその瞬間に生まれる音楽。
クラシックは曲をかいた作曲家と繋がれる。

良い演奏家は自分の音を良く聴いている。それをお客さんに届けられるかどうか。
音の響きを共有すること。





(演奏)Moanin'

インプロビゼーションで一番大事なのは、行ったことがないところに行くこと。

音楽はコミュニケーション。
聴いてくれるお客さんが幸せになって帰ってもらえるように。

「こども向け」というプログラムはない。
こどものためにこそ必死でやっているところを見せる。



(質問)人前で弾くと緊張するが、その対処法は?

怖くなると、上手く弾こうとする。だから自意識を捨てること。
お客さんに何を伝えたいか。
自分に自信を持って。自分から発信すること。

人を愛さないと愛されるはずがない。
どれだけナチュラルで謙虚でいられるか。

アーチストがメッセージを発信した時に
聴いている人の「良かった」と思う感情がすばらしい。




(質問)お客さんからの空気はどう伝わるのか?

弾く人が音楽に集中し、お客さんの感情を信頼すること。
そして聴く人が集中して聴こうとすると気持ちを入れた音がホールの隅まで届く。
自分が集中しきれていないと、空気が澄まない。





音楽は言葉から生まれた。
言語の抑揚が音楽になっていったのは
それぞれの国の音楽をみれば解る。例えばボサノバ・ジャズ・クラシック。



(質問)名曲とは?

理屈抜きに人の心に響く曲。



(演奏)Reborn






ひとりひとりの目を見ながら、真摯にお話をする小曽根さん。

このひとときは二度と来ないことを知っているから
オープンマインドで語り、ピアノを弾いてくれます。

音楽と人生を深く愛している人のお話と演奏は
心の深いところに入りこみ
明日を生きていくための糧となる。。










































・・・pour passer la mélancolie            [語られる音たち]


ピアノで弾くバッハの魅力  (レクチャー&マスタークラス)

      アンドレアス・シュタイアー
                   ~トッパンホール


公開レッスン

J.S.バッハ:パルティータ第1番 変ロ長調 BWV825




レクチャー

ピアノで弾くバッハの魅力



シュタイアー先生は確固たる信念をお持ちで、びしいっとスジの通った方のようです。
外見もドイツ人らしく、がっしりした体格と頑固そうなお顔立ち。
メガネの奥に厳しそうな瞳が光ります。

前半の公開レッスンはレッスンというより ご自分の見解を述べる時間になった気がします。

テンポは当時の様式から考えて、自分なりに設定しなくてはなりませんが
シュタイアー先生は受講生が弾いたテンポで気になる点を
かなり時間をかけて述べられました。

その中で
「ゴムを引っ張った時に、引っ張りすぎると切れてしまうが
むやみに引っ張って切れるのと、
このくらい引っ張れば切れるということを知っていて引っ張るのでは大きく違う。
テンポもそれと同じで、やり過ぎは禁物。」
という比喩はおもしろかった。

しかし、様式の点は受講生がまだ若いので、
彼女を普段教えている先生が考えておかなければならない事だと思いました。
和声の事にしても、そうです。

せっかくのマスタークラスなのに
基本的なテンポと和声の事に終始してしまったのは残念でした。

というのは、初めに受講生が通して演奏をした直ぐ後に
「言おうとしていた事と違う事を言わなければならない」
と仰ったからです。
先生が仰りたかったことは何だったのでしょう~?

受講生の名誉のために書きますが、
彼女の演奏は自分の気持ちを素直にあらわしていて素敵でしたよ。
そして、シュタイアー先生が仰ることをスグに理解するので
演奏がどんどん良くなってすばらしかった!
今後、良い指導者に恵まれて
ぐんぐんのびていってほしいなあと、心から思いました。


続くレクチャーはパルティータの内容の事から話が次々に展開して
バッハの作品、そしてコントラプンクトゥス(対位法)は
後世の作曲家に多大な影響を与え続けているという事が
時間を大幅に延長して語られました。

様々な活動を展開している演奏家のお話は
アクティブで本当におもしろい!

こんなことなら、公開レッスン抜きでガンガンしゃべってほしかったなあ。。




シュタイヤー、パルティータ.jpg

パルティータの楽譜にサインをいただきました。

一緒に写っているのは最新録音のCD。

「・・・pour passer la mélancolie(憂鬱をやり過ごすために)」

という凄いタイトル(しかもフランス語)!
チェンバロでの演奏です。
シュタイアー先生はチェンバロやフォルテピアノで主に演奏活動をされています。

このCDがとても説得力のある演奏で
シュタイアー先生の確固たる信念を表現しているよう。

こんなことなら(再w)、マスタークラスなしで
ご自分でチェンバロでパルティータの解説をして下さったら良かったのにー^^






























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Reborn                         [語られる音たち]


音楽と 言葉と 人に

真摯に向き合う時



それは

心の内側を見つめること

それは

未来を信じること。。






小曽根真ワークショップ 「自分で見つける音楽」
                     ~東京文化会館(小)



客席の後ろから現れた小曽根さん。
笑顔で挨拶しながら、ステージの方へ進んでいく。
拍手の輪が広がる。

「まずは1曲 演奏します」
と、軽やかにピアノを弾き始める。


Sol Asteca (Makoto Ozone)



そして、小曽根さんの音楽への思いが語られる。

言葉は耳で聞いて覚え、さまざまな感情を表現するが
音楽もそれと全く同じ。
理論から先に学ばない方が良い。

Ⅰの和音の後、Ⅴで止めてしまうと気持ちが落ち着かないが
ⅤからⅠに戻ると安心する、というような和音のカラーを覚えていく。

拍感を常に持っている事の大切さ。
裏拍を感じると音楽がドライブしていく。
それはクラシック音楽も同じ。旋律だけで処理してはいけない。

アドリブを怖がらないこと!
自分はリハーサルで良いアドリブを思いついても、それを本番で使うことはない。
同じことをなぞることになってしまうから。
本番では恐くても新しい世界へ踏み込んでいく勇気が必要。
自分から発信しよう。



そうそう、こんな事も。
「今から呼ばれた人はステージの上に!」と
小曽根さんは客席をまわって数人に「はい、あなた」と声をかける。
ステージに上がった人達は小曽根さんに名前をきかれ
もし弾けるならピアノをどうぞ、と促された。
何人かは緊張しながらも とても上手に弾いていてビックリ!

「これがジャズなんですよ」と小曽根さん。
何が起こるか解らない。
解らないからこそ面白いのだ、と。




小曽根さんは「今日は沢山の人とコミュニケーションをとりたい」と
会場からの質問を受け付け、それに丁寧に答えていく。

小曽根さんにとってクラシックとは?
耳コピについて。
自作曲について。
クラシックピアノをやっているが、ジャズを弾きたいのでアドバイスを。。


途中で演奏も交えながらのお話しは熱が入り、予定を大幅に上回った。

そして最後の曲。


Bienvenidos al Munde (Makoto Ozone)

アンコールの嵐~!
客席に「なにがいい?」
いくつかの曲が叫ばれた中から小曽根さんが選んだのはゴキゲンな曲。

Wild Goose Chase (Makoto Ozone)




最後にマイクなしで、先週のコンサートで弾いたラフマニノフのコンチェルトのことを。


「書かれた音楽」に心から向き合うことが出来た、と深い思いが語られた。
そして
先週 聴いてくれた人たちと この気持ちが共有できて嬉しい、と。




わたしも、 とてもうれしいです。。





アンコールを もう1曲。

Reborn (Makoto Ozone)



透き通った 美しい音色が

やわらかい光のように ゆらめく





Reborn
   ・・・あたらしく 生まれる音楽に

心からの愛をこめて

















































もっと深く楽しむために♪              [語られる音たち]

メサイア(משוח )=(      )語で「(    )を注がれた者」という意味。

こーんなレジュメをいただきました@@




鈴木優人さんの
「メサイア」をもっと深く楽しむプレ・レクチャー
                       ~鎌倉芸術館 集会室


バッハ・コレギウム・ジャパンが鎌倉芸術館で初めて「メサイア」を演奏するので
それに先だってのレクチャーです。

ヘンデルの「メサイア」はどんな曲なのか。

そもそもヘンデルとはどんな人だったのか。

メサイアの歌詞について。

そして、演奏するバッハ・コレギウム・ジャパンとは?

このような内容を、大変明晰にお話しされました。
でも、けっして堅苦しくなく、
むしろユーモア盛り沢山で 会場からはしょっちゅう笑い声が^^

後半ではCDで曲の一部を紹介して下さいましたが、
メロディーを歌って下さったり。

そうそう、カウンターテナーの説明では
ホントに裏声で歌ってらっさいました^^

さらにはヘンデルの一番有名な曲、といって
ピアノで「調子の良い鍛冶屋」を演奏♪
な~んてラッキーでしょう~^^
(優人さんのピアノはなかなか聴くチャンスがないので!)


演奏会へ向けて、期待は高まります!



集まった方々は皆さん音楽通の方が多く
100人位の方、全員が「メサイア」を聴いた事があり、
中には歌った事がある方も結構いらっしゃいました!

最後の質疑応答も専門的なものが出て、優人さんもビックリです^^

メサイアの楽譜はどこの出版社のが良いですか?
今度の演奏会のオケの編成は、ヘンデルの時のと同じですか?
ピッチは?

その、ピッチの答えの時
優人さんはメサイアの冒頭を実際にピアノを弾いて
3種類のピッチで弾きわけると、こーんなふうに聞こえます。(おおー!)


それにしても、優人さんは前日に外国から戻られて
「時差ボケ」とか言ってましたが
このレジュメはいつお作りになったのでしょう~?
まったく超人でございます。


ちなみに、最初の(   )の答え。

メサイア=(ヘブライ)語で 「(油)を注がれた者」という意味。

頭に油を注ぐ→祭司の就任の時に油を注がれる→今でも新しく仕事に就く等、始まりの意味がある。







さて、この講座は午前中に開かれました。
優人さんが時差ボケを想定したのですよ(ホントらしい)!
終了しても、まだお昼です。
そのまま帰るのはもったいないので、モノレールに乗って海へ。。



10月なのに気温が上がり、夏のよう。
にぎわう浜辺では子供たちが海に入って大はしゃぎ。

突堤を歩いて行くと ひざしのまぶしいこと!




かわいらしい 赤い灯台と白い灯台


釣をする人たちの向こうに烏帽子岩


キラキラ光る海


その海の上を歩いている人が・・・!

SUPB.jpg







光る水面(みなも)を

すべるように

どこまでも どこまでも 

遥か水平線の

その先まで。。。

































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Ave Verum Corpus              [語られる音たち]



次に歌う音を想像して!

ピアノに頼らずに、自分で音程を想像して歌いなさい。。






ウラディーミル・ミーニン「合唱ワークショップ」
                   ~すみだトリフォニーホール(大ホール)




ミーニン氏は国立モスクワ合唱団の芸術監督・主席指揮者です。
合唱団の日本ツアーの合間にワークショップをしてくれました。

合唱一筋の人生を歩んでこられた、ロシア合唱界の重鎮です。
ご老人ですが、引き締まった身体に軽やかな身のこなし、そしてパワフルな声量。
70台前半くらいかしら、と思ってましたが
後でプロフィールを見てびっくり!
なんと1929年のお生まれだそうです~(かっこいいっ)!


「私達の合唱団が日頃やっている発声練習を実際にやってみましょう~」
ということで、声出しからスタート。

まず、ハミングから口を開いていく。(好きな音程で)
「んーーーーなあああああーー」
すかさず
「もっとパワフルに!」
とミーニン氏の声が飛びます。


声帯があたたまったら発声練習。
唇を閉じたmから開いて母音を付ける。

1.「mマ!  mメ! mモ! mミ!  mマーーーーー」
                          ↑ 伸ばす時、4拍クレッシェンドして4拍デクレッシェンド

2.「ド・レ・ド・ミ・ド・ファ・・」 音階を歌うが、1音ずつドに戻る。上がる時はスタッカート。
                                   上のドから降りる時はレガート。

3.「レ・ミ・レ・ド  レ・ミ♭・レ・ド#」(これはアルト。ソプラノはこの5度上のラから)
   ↑ 全音       ↑ 半音

  ピアノ無しで次の音を想像してから声を出すこと!
  これは普段の発声練習をピアノに頼っていると難しいようですね。
  全音と半音の違いが解らない人が結構いました!


アヴェヴェ レクチャー.jpg



そして いよいよモーツァルトの「Ave Verum Corpus(アヴェ・ヴェルム・コルプス)」です。
歌詞の意味を理解して歌いましょう、と
歌唱指導の間に歌詞の解説もありました。

「聖母マリアがイエス・キリストをお産みになった時、幼子が厳しい人生を歩んで行く事を予感していました。
だから、絵画の中のマリア様は 微笑んでいない。逆に悲しみを感じているのです。
(半音階は苦悩の表現)」

「キリストは十字架に貼り付けにされますが、
その時 番人が下から槍で脇腹を刺し『お前の神は助けに来てくれないではないか』とからかいます」

「私達よりも前に血を流し、試練を受けたキリスト。(あなたの試練があるから死は恐くありません)」



アヴェヴェ レクチャー2.jpg

こちらはホールの方が撮影したもの。(おー、私もいます^^)


歌唱の方は、こんな寄せ集めの合唱団だというのに
ミーニン氏は真摯に指導して下さいました。

フレーズの中ではノンブレスで。(ゆっくりな曲なので、かくしブレスを使う)
どこがフレーズの頂点かを把握しておくこと。
それによってダイナミクスに変化をつける。

ロングトーンは細かい音符で数える事。
数える=音符に命を与える。(数えないと命がなくなってしまう)

カノンは後続唱をしっかり歌い出す。などなど。。

そうそう、レガートに歌う、という指示では何度かヴァイオリンを弾く動作をしていました。


指導者も歌う私達も、一期一会の合唱です。
けれども
良く響く大ホールの中で、歌う時
皆が この美しい曲を心から味わって
崇高な気持ちになっていました。




さて、ワークショップが終わりに近づいた頃
モスクワ合唱団のみなさんがステージに登場しました。

そして、私達が最後に通して歌うのを聴いてくれたのです(はずかしー)!
しかも、歌い終わったら拍手もしてくれましたー。

その後はミーニン氏の粋な計らいで、公開リハーサルとなりました。
しかも同じ曲で^^♪

モスクワ合唱団の皆さん、 まあ、なんてスバラシイ歌声でしょう~~。

アヴェヴェ レクチャー3.jpg

まさに天上からの響きのようでしたよ。。
















Ave Verum Corpus (ミーニン氏の解釈とは少し違いますが、合唱団がかわゆいので貼っておきます^^)




















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何て書いてある?                  [語られる音たち]


アレキサンダー・コブリン マスタークラス

コブリンはユンディ・リがショパンコンクールで優勝した時の入賞者、
という認識しかなかった私はあさはかでしたw

楽曲を深く読み込み、研究していること
そして「教える」ことに真摯な姿勢が素晴らしかった!




以下、主催者からの紹介文です

「2000年ショパンコンクール入賞、2005年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝など、華々しい入賞を重ねたのち、現在は、世界中での演奏活動と、アメリカを中心とする教授活動に多忙のアレキサンダー・コブリン先生の特別マスタークラスを実施します。知的でオーソドックスなアプローチと豊富な実演を交えた素晴らしいレッスンです。」


「知的でオーソドックス」
そうです。
とにかく「楽譜を正確に読む」!!

受講生は暗譜で演奏しますが、意外に見落としている点がある。

「そこのダイナミクスは何て書いてある?楽譜を見ないで!」
と、受講生の目を見据えて問いただす。
受講生はたじろいで
「え・えーと・・何も書いてなか・・」

「その通り! なのにどうして違うことをするの?」

他にも
「アレグロの意味は?
アレグロは『生き生きと』という意味でしょう?
それは必ずしも「早い」ということじゃないんだよ」

などなど。
本当に細かい所まで読みこんでいらっしゃいます。


あ、この日はロシア語通訳の方がいらしてました。
私はナマでロシア語を聞いた事が殆どありましぇん。
初めのうち、人間がしゃべっているように聞こえなかったww




さて、加えて「豊富な実演」!

この日はショパン・ドビュッシー・ラフマニノフと
様々な楽曲でレッスンが展開されたのですが
どれも模範演奏をさっと弾いて下さる。
(私が聴かなかったブラームス・リスト・シューマンも同様だったようです)

それぞれの様式に合致した演奏は、まさに模範!先生の鑑でございます。



コブリン先生のピアノの音はとても美しいですね。
ひとつひとつの音に全て意味があるように聴こえました。

それは、レッスン中も仰っていたように
どの音も「よく聴いて」いるからなのでしょう。

加えてポリフォニーの演奏技術に長けていらっしゃるのですね。
コブリン先生のバッハ、きっとステキでしょうねえ。


それにしても、難しい曲をバリバリ弾く若い受講生のみなさんの逞しさ!
先生のお手本を聴くと、乗り移ったように弾くことが出来るから
これまたスバラシイ!
今日のレッスンが糧となり、さらに飛躍していくことでしょう。






































テンペスト                [語られる音たち]


愛らしいデュエットが対話になる

感極まって・・・ そして和解し

息を合わせて一歩ずつ近づいていく

そんな細やかな感情を表現している曲です。。



菊地裕介さんのベートーヴェン ピアノソナタの講義でした。

24番 Op.78 テレーゼ
25番 Op.79 かっこう
17番 Op.31-2 テンペスト

冒頭のお話しは24番の1楽章。
テレーゼという女性に献呈されたソナタの第1楽章がまるで恋愛のように解釈出来る。
フレーズをよく歌って弾くこと。(奏者の感性が問われる)

Fis Dur は神々しく光にみちている。
(例えば・・と言ってバッハ、スクリャービン、メシアンのサワリを弾いて下さる・凄~)

第2楽章も同じ調性。エスプリに満ちている。
冒頭のフレーズが何度も出てくるが、
ダイナミクス・アーティキレーション・ハーモニーが変化している。


25番も同じように短い曲で、学習者のためにかかれたと考えられる。
第1楽章 「かっこう」とよばれる由来が冒頭に出てきている。
それが繰り返しの後に「かっこう」のモチーフになる。
 
第2楽章 6度と3度の美しいデュエットがmoll ソロがDurでかかれている。
(ふつうはデュエットがDurのことが多い)

第3楽章 リズム素材がとても節約されている。
シンプルなので、後半のリズムの組み合わせが際立つ。
終わりはふいをうつように「かっこう」のモチーフで消える。


17番の第1楽章は主題が聴き手の目の前でつくり出されていく。
和音の配置の重要性。
ベートーヴェンは「この曲は非常に新しいものである」と自負していた。
(よく自慢したらしいw)
レスタティーボのペダルについて。

第2楽章 音域の極端な開きによる効果。
17小節目からの左手の3連は心臓の鼓動(ベートーヴェンお得意の3つの音符)

第3楽章 左に乗っている繰り返すメロディー。
左は保続音を出すためにバスは一瞬で消える。(ペダル注意)
右のメロディの替え歌「おとうさん・おかあさん・おにいさん・おねえさん・・」www
(要するに連綿と続いていく様子)


これは解説のほんの一部で、しかも実際にピアノを弾きながらのものです。

「この部分は別のソナタのこの部分との共通性があって・・」
と言って、すぐにその部分を弾いたりと
さすが、ベトベン・ソナタ全曲録音・全曲演奏会をしただけのことはありますっ。
というか忘れずにサッと弾けるというところを尊敬~!

そして、各曲の解説の後に通しての演奏。
なんてイキイキとして、瑞々しいベートーヴェン^^♪
私がベトベン・ソナタの中で好きな曲のひとつ「テンペスト」を聴けて、大満足でした~。
































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