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兎も蛙も          [絵画への旅]


鳥獣戯画.jpg




特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」
        ~東京国立博物館  平成館 特別展示室


兎も蛙も、そして猿も
なんと いきいきと 楽しそうに遊んでいることでしょう!

これが平安時代に描かれたなんて思えません。
こんなに達者な絵描きがいたなんて!

動物たちの背景の草木もまた写実的ですばらしいこと。

けれど どれもみな 勢いのある筆で
ささっと描かれています。

ほんとうに、楽しい絵巻物。

しかし、展示は修復されたばかりとのことで
墨の色が妙になまなましいw

見慣れた写真の、ちょっと黄ばんだ和紙の古めかしさは何処へ?

そして、私が行った時は前半部分だけの展示で
後半部分は写真が展示されていました。
展覧会の会期の前半と後半に分けて、展示を替えるのですって。(2回来い、ってこと?w)

それにしても、鳥獣戯画には
甲巻・乙巻・丙巻・丁巻 があり、上の画像が甲巻だというのは初めて知りました!(汗)

他にも展示があったのですが、とにかく甲巻を見るのだけでオソロシク時間がかかりました。

私は開館の1時間前に到着したのですが、既に長蛇の列!
この日は良い天気で、朝から暑いこと。
まずい、日傘を持って来なかった~
と、激しく後悔していたら
「日傘を貸し出しますー」
という声がして、台車がゴロゴロとやってきました。
台車の上に日傘が沢山乗っています!
もちろん、お借りしましたよ。
その上、テントには給水サービスも。
ありがたや~。

列を誘導する係の男性が注意事項を言っていますが
それが漫談のようで面白い。
聞いているうちに開館時間になり、漸く中へ。

そして入場したとたんに
「甲巻はこちらにお並び下さい!」
という声が。
何だか良くわからないけど、並んだ方が良さそうだ!
と判断し、列に加わりました。
ジグザグに並べるように、ポールとロープでコースが出来ています。
ディズ△ーランド状態w

並んでいる間に壁の掲示や動画で修復作業の様子を見ることが出来ます。
ここに及んで、私は漸く
鳥獣戯画の「甲巻」の展示を見るために並んでいることを理解したのでした(遅!

ここでも1時間くら並んだでしょうか。
後ろを見ると、列がどんどん伸びていて
ここで3時間待つこともあるそうです~

やっと、甲巻の展示の前に来ると
「移動しながらご覧下さい!」「立ち止まらないで下さい!」
と、後ろから怒鳴られながら観るわけです(悲

合計2時間並んで、観るのは2分くらい??!

というわけで、もう他の展示を見る余力はありません。
あ、乙丙丁巻は観てきました!
他のは修復していなかったので、味わいがありました。(おい)
でも、甲巻はずば抜けて上手な人が描いたのだなあと改めて感心したのでした。

いったい、どんな人が描いたのでしょう?
興味は尽きません。



鳥獣戯画2.jpg

























マリアの祈り       [絵画への旅]

ボッティチェリとルネサンス  フィレンツェの冨と美
                  ~Bunkamura ザ・ミュージアム


受胎告知、ほんとうに よく来てくれました!

こんなに大きな絵が はるばる海の向こうから来るなんて。。
もう、それだけで感動です!

天使のお告げを聞き、ひざまづくマリア。
清らかな横顔が、あまりにも愛おしい。
この時すでに、身ごもった子の悲しい未来を思い
マリアは憂え 祈ったといいます。
ボッティチェリは その瞬間を 愛に溢れた眼差しで描きました。。


'15ボッティチェリ受胎告知.jpg





こちらの動画を観ると「受胎告知」の大きさが解ります。








ボッティチェリの絵は若い頃から少しずつ変化していきますが
どれを見てもすぐに彼の作品だと解ります。


「ケルビムを伴う聖母子」

'15ボッティチェリ ケルビムを伴う聖母子.jpg








「開廊の聖母」

'15ボッティチェリ 開廊の聖母.jpg







「聖母子と二人の天使」

'15ボッティチェリ 聖母子と二人の天使.jpg



世界中から集められた作品たち。
いつか、また逢えますように!









おまけ

フランチェスコ・ボッティーニ作「大天使ラファエルとトビアス」
旧約聖書の「トビト記」の、トビアスくんの旅に付き添う大天使ラファエルのお話が好きなので
この絵に逢えて嬉しかった♬

'15ボッティチェリ トビアス.jpg





































小さな職人たち        [絵画への旅]

フジタ、夢を見る手
      ~ポーラミュージアム アネックス



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銀座で、思いがけず すてきな展覧会に行きあたりました。

レオナール・フジタの晩年の作品です。
乳白色のこども達が、何やら哲学者ふうに登場します。

箱根にある美術館からの出品。

一緒に観た友人達も、箱根まで行かなくて良かった!と変な感想をw
しかも無料というところが!

↓こちらが箱根のポーラ美術館にある、フジタのコレクションです。

レオナール・フジタ

リンクの中ほどにある「小さな職人たち」は、どれも15cm四方の額絵です。
マジメなのかシニカルなのか、どれも観ていて飽きませんでした!






銀座はクリスマスのイルミネーションで彩られています。

毎年、大きな生木のツリーが登場することで有名な宝飾店。
立て替えのため、今年で見納めだそうです。


'14Dec銀座.jpg


























黄金のルネサンス              [絵画への旅]

ウフィッツィ美術館展
        ~東京都美術館




『通り過ぎようとするのか!おぬしは!』

私を引き留めたのは この絵でした。

ウフィッツィf.jpg

ドメニコ・ギルランダイオ作
「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」






ウフィッツィは現地に行ったから、この展覧会は行かないつもりでした~。
しかーし!
何故か買ってあった「早割チケット」。
きっと千円という価格に釣られたのでしょう~w

しかたがないので(おいっ
足を運んだのですが・・・

行って良かったですっ!!!

だってっ

ウフィッツィ以外の美術館からも出品があるではないですか!
それならそうと、心の準備が。



いつものように朝イチで入場して、早足でさっさと回ろうとしたら
この大きな絵が
どお~んと架かっていたのです。

見れば「アカデミア美術館」と書かれています。
えええっ!
ではこの他にも?!
と、良く見ると あれもこれも。あらまあ。
フィレンツェにあるいくつかの美術館から出品されていたのです。



こちらは「捨て子養育院美術館」から

ウフィッツィb.jpg


ボッティチェリ作「聖母子と天使」
なんと可愛らしいこと。。














そして、この展覧会のメダマの「パラスとケンタウロス」

ウフィッツィ a.jpg

現地では ボッティチェリの作品を集めた部屋に置かれていたのですね。

何しろ、あそこには「プリマヴェーラ」があるので
私はそれに釘付けだったわけです(滝汗)

こうして、この絵一点だけで観ると本当に迫力がありました。
堂々とした大作ですが、すみずみまで繊細に描き込まれていて
いつまでも見飽きない作品でした。。





























Nicodemus               [絵画への旅]

夢見るフランス絵画展
       ~Bunkamura ザ・ミュージアム


ルノワールも、ユトリロも、ローランサンもいました。

もちろん、モネの「エトルタ、夕日のアヴェル断崖」↓ もステキでしたよ。

夢見るフランス絵画展.JPG







でも、私の心を捉えたのは

ルオーの「ニコデモ」でした!

ニコデモは「ヨハネによる福音書」に登場するパリサイ人です。

彼はユダヤ教の指導者でしたが、
夜 人目をしのんでイエスを訪問し、キリスト教の教えを受けていました。

そしてイエスが処刑された時、ヨハネとともにイエスを十字架から下ろしたのです。

ですから、十字架降下を描いた絵画にはヨハネと共に登場することが多いのです。


ルオーは ニコデモをピエロの姿で描きました。




Nicodemus Georges Rouault


ルオー ニコデモあ.jpg



優しい表情の道化師は 何も言わない
すべてを解っているのに
心の中にしまって 語ることはない

そんな愛もある

そんなふうに愛されたら
これまでの何もかもを 許してしまえるだろう。。








イタリアが起源の農業俳優による仮面劇「コメディア・デラルケ」は
決まったキャラクターが登場する喜劇です。

ピエロは純真無垢なキャラクターで
物語を引っかき回す役どころです。

ルオーはそんなピエロ像を数多く描きました。

彼はピエロの心の奥にある思いを
ニコデモに重ね合わせたのかもしれません。。



























笛を吹く少年               [絵画への旅]


たった今

筆を走らせたよう!

つややかな光沢と

油絵の具の香り。。





オルセー美術館展  印象派の誕生 ―描くことの自由―

            ~国立新美術館


入り口を入ると、いきなり マネ!
印象派の水先案内をした画家だから当然とはいえ、心の準備が・・w
最初から「ピアノを弾くマネ夫人」が登場するとは思いませんでした!
そして、ウナギですー。
マネが好んで使った黒。
日本の墨色のような。
だからウナギさえもマネの色をしてます。すてき。
それがまあ、つやつやとしていて
エドヴァール(マネの名前です)が たった今 筆を走らせたよう!

イーゼルに立てかけられたキャンバス。
油絵の具の香り。
まるで 私の横に彼がいるような。。
何かとても懐かしい気持ちでいっぱいになる。

エドヴァール!
たった半世紀しか生きなかったのに
あなたは どんなに密度の濃い人生を送ったことだろう。。



振り向くと、あの少年。
大きな瞳 笛に息を吹き込む口もと
柔らかな指。。


私は笛の音を聴きながら
飽くことなく眺め続けていました。
時間の経つのを忘れて。。

笛を吹く少年☆.jpg


この作品は、ナポレオン三世の時代の
フランス皇帝近衛兵の鼓笛隊員がモデルになっています。
笛はファイフという木製の横笛で、ヨーロッパには当時のものが現存しています。
会場には、それを参考に制作されたものが展示されていました。










展覧会は、風景・人物・静物など
印象派の作品を次々に紹介していきますが
どれもこれも 素晴らしいものばかり。

ミレーの「晩鐘」は画集・画像で見るとぼやけてしまって解りにくいのですが
細部がとても丁寧に描き込まれていて驚きました。

晩鐘.jpg










マネのモデルにもなっていたベルト・モリゾが
女性らしい視点で描いた「ゆりかご」

ゆりかご.jpg










そして、クロード・モネの若き日の大作「草上の昼食」
木漏れ日がまぶしい!

草上の昼食・右.jpg

418×150 cm(左) 248.7×218 cm(右)という本当に大きな作品。
元は1枚だったものが、保存状態が悪く 切り取らざるをえなくなったのだそうです。

でも、こういう形で観ると かえって構図が斬新でインパクトがあります。
この会場は天井が高いので、こういう大作が余裕で展示されていて
本当に見応えがあります。












最後にマネの円熟期の作品で展覧会の幕が下ろされます。


ロシェフォールの逃亡.jpg

「ロシェフォールの逃亡」

マネが何かの事件にインスパイアされて描いた作品です。

月夜に光る波頭
海の上をすべるように進む小舟

エドヴァールは
自分の魂を
水平線の彼方へ
そして
その先へと
旅させていたに違いない。。



















































































絵筆は歌う             [絵画への旅]




軽やかな色彩のハーモニー

無邪気で陽気で・・

けれど

少しだけ せつなくて




デュフィ展
     ~Bunkamura ザ・ミュージアム



ポストカードなどで良く目にしますが、きれいなだけの絵だと思っていました。
たまたま展覧会に行くことになり、さほど期待していなかったので
あまりの美しさに本当に驚きました!


「ノジャン、ピンクの橋と鉄道」

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会場の解説・・・絵画に光りを現すために 描かれたそれぞれの対象に陰影を与えるのではなく、        印象派のように点描で表現するのでもなく、光を色彩の帯へと分割する手法は
        テキスタイル制作から発展した。

そのテキスタイルも展示されており、なかなかお洒落。
そしてドレスのデザイン画がこれまた秀逸!

'14Dufyドレス.jpg



「パリ」

'14Dufyパリ.jpg

朝、昼、晩のパリの風景です。
私はこの絵の前で ずいぶん長い時間を過ごしました。
心躍るパリのいちにち。。
その中に迷い込んでしまったような錯覚を覚えるほど、長い時間を。




「電気の精」

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1937年パリ万博の時に10m×60mの壁画として展示されたそうです。
右端から古代の哲学者に始まって、年代を追って科学者や発明されたものが描かれています。
左の方に電気の精が飛んでいます。。
細かく見ると本当に楽しい!

こちらも是非ご覧下さい→電気の精




デュフィは自分の中にある童心を思う存分 表現しているようです。
そのための技術を一朝一夕に手に入れたものではないことが
この展覧会で良くわかりました。



「麦打ち」

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デュフィが亡くなった日の朝
アトリエのイーゼルに立てかけられていた絵です。


明るい色彩の中
天国への階段をのぼっていったのでしょう。。






































優美な館から             [絵画への旅]

ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館

華麗なる貴族コレクション 
          ~Bunkamura ザ・ミュージアム


自分の邸宅をまるごと美術館にしてしまったペッツォーリ。
収集した美術品を公開してしまうとは、何と懐の広い人でしょう。

'14ミラノ美術館展.jpg

チラシの右上にいるオヒゲの方がペッツォーリです。



絵画はもちろん、工芸品、タペストリー、武具などなど
あらゆる美術品(それも年代が多岐にわたっています)を収集。
そして、それぞれが大変センスが良い!
まさに目の保養でございました。



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この2枚は対になって飾られているそうです。

私が特に気に入ったのが左の「アルテミジア」。
作者は『グリゼルダの物語の画家』というペンネーム?だそうです。
色彩的には地味ですが、非常に優美で魅力的。
早世した夫の遺灰を自分の涙と混ぜて飲む・・・夫への愛と忠誠を誓う物語なのだとか。





このところ、いくつか展覧会に足を運んだのですが
これは!というようなものがなく、書きそびれていました。
この展覧会は時を忘れて見入ってしまうくらい
久々のヒットでした!
そうそう、作品の解説が大変読みやすかったことも。
解説を読みながら鑑賞するのが自然に出来たのは
この展覧会が初めてかもしれません♫
























































ターナーのスケッチブック                   [絵画への旅]

ふんわりと 時間がただよっているような

やわらかな色づかい

こんな風景が描けるのは

心に たくさんの愛を持った人だから





ターナー展
           ~東京都美術館





ヴェネチア、月の出
ターナー月の出.jpg

油絵の大きな作品もたくさん来ていて、とても充実した展覧会でしたが
私が心を動かされたのは、水彩画。

スケッチブックに描いた作品たちです。

ヴェネチアの海のかおりが 風に乗ってただよってきそうな
昼間と夜の さかいめの時間。。







スカボロー:色彩の習作

ターナー スカボロー.jpg

とても習作とは思えません。

そういえば、「スカボロフェアー」という古い歌がありましたね。
「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム・・」
と歌われていて、スカボローでハーブをどうするんだろう? 
長いこと不思議に思っていました。

つい最近、
「戦争により悪霊(エルフ)と化した少年に
旅人が唱える魔除けの言葉」
ということを知りました。





ターナーは黄土色が好きだったようで
展示されていた油絵のパレットはほぼ黄色でした。

若くして画家としての地位を確立したターナー。
油絵を描く時は、それに相応しいものでなければならなかったのでしょうか。

それに対して水彩画は、
もっと自由に彼の心を表現しているように思えました。

彼は後の印象派の先駆けとも言われています。
ちなみにドビュッシーはターナーの絵からインスピレーションを得たそうです。


そうそう、書籍の挿絵もすばらしかった!
よくもまあ、こんなに細かく描けたものだと思うくらい。

(それにしては油絵で描かれた風景の中に登場する人物は
コミックのアシさんが描いたみたいなんですけどw)



ターナーは風景画家として有名ですが、
昔の物語を風景の中に織り込んで描くのが得意でした。

下は、それを予感させるような若い頃の作品。
詩人の散文が添えられています。






バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カバーランド、にわか雨

ターナー展'13虹.jpg


堂々たる 儚い弓が

壮大にそびえ立ち

ありとあらゆる色彩が

姿をあらわす
































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バルビゾンへの道                   [絵画への旅]


水面がゆれる

優しい風がそよぎ

ふわりと木の葉がひるがえる






バルビゾンへの道
                 ~Bunkamura




印象派よりも少し前の世代のジャン=バティスト・カミーユ・コローの風景画は

やわらかい色調で 愛にあふれた物語を紡ぎ出します。

その絵を観ていると

まるで自分が その風景の中に佇んでいるように思えてくるのです。



この展覧会ではコローの作品を3点観ることが出来ました。

そのうちの2点は フランスの自然を描いたものです。







コロー 川辺.jpg

サン・ニコラ・レ・ザレスの川辺





コロー水車小屋.jpg

水車小屋のある水辺





コローの絵に逢うために この展覧会に行ったのですがw
内容が充実していて驚きました。

それは、ヨーロッパ絵画の1600年代から1800年代のものまで、
宗教画・肖像画・風景・静物を網羅しての展示だったのです。

コローはバルビゾン派とよばれていますが、
中世からの絵画が
いかにして そこに辿り着いたかを知る事が出来るのです。

そして、この先に印象派があることも示唆されています。




ところで、驚いたことに
この作品たちは、全て山形県の山寺にある後藤美術館の所蔵だというのです。

こんなに充実した美術館があるなんて、びっくりです!
(そんな田舎にあるなんて、とは言ってませんよ。言ってるかw)




ともあれ、コローに逢えてよかったな。

ずーっと眺めていましたよ^^