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Christmas Gift       [コンサートの記憶]

クリスマスの贈り物 バロック音楽とともに
             ~読売大手町ホール

(出演)
加耒 徹(バリトン)
斎藤 秀範(ナチュラル・トランペット)
三宮 正満(バロック・オーボエ)
懸田 貴嗣(バロック・チェロ)
鈴木 優人(チェンバロ、オルガン)

(プログラム)
ビーバー:イントラーダ
ブクステフーデ:いかに美しき曙の明星
聖書朗読(ルカによる福音書2:1-7)
賛美歌 第96番:エッサイの根より
ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ第6番 変ロ長調
テレマン:オーボエ、ハープシコート、通奏低音のためのトリオ第12番 変ホ長調
鈴木優人:「いざ来たりませ、異邦人の救い主」による7声のコントラプンクトゥス
聖書朗読(ルカによる福音書2:8-14)
J. S. バッハ:クリスマス・オラトリオより第8番「大いなる主よ、おお、強き王よ」 BWV 248

プレトリウス:曲集「テレプシコーレ」から「ブレ」
スウェーリンク:「大公の舞踏会」
コレット:チェロ・ソナタ第6番 ニ長調
聖書朗読(ルカによる福音書2:15-21)
J. S. バッハ:カンタータ27番「誰が知ろう、いかにわが終わりの時が迫り来るかを」から
           第3曲アリア「ようこそ!と私は進んで言いつつ迎えよう」
テレマン:ソナタ ニ長調
J. S. バッハ:「まぶねのかたえに」
J. S. バッハ:カンタータ第147番「心と口と行いと生活が」から
           第9曲アリア「私はイエスの奇跡を歌い」
           第10曲コラール「イエスは常に私の喜び (主よ、人の望みの喜びよ)」

(アンコール)
賛美歌 第111番:Adeste Fideles (神の御子は)
 







'16Decクリスマスの贈り物3.jpg




バロック音楽の名手5名によるクリスマス・コンサート(しかも全員 男性です♡)

まずはナチュラル・トランペットの斎藤秀範さんが登場。
右手だけでトランペットを支え、
左手は腰に当てるという独特のスタイルでファンファーレを響かせます。 



              (以下、リハーサルの写真はweb上からお借りしました)
'16Decクリスマスの贈り物2.jpg







次は優人さんのオルガン独奏です。
ポジティブ・オルガンのかわいらしい音色が明るい星の輝きのようで、ステキ☆★


そしてバリトンの加耒 徹ですが、歌ではなく聖書の朗読です。
読まれた箇所は、キリスト誕生前夜の部分。
続いて賛美歌が歌われます。

これは演奏会の姿を借りたクリスマス・パジェントのようですね~☆


バロック・チェロの懸田さんと優人さんの演奏は
あまりにも息が合っていて
アンサンブルをしているというより
ふたりで一つの楽器を奏でているようです!
ひとつの楽器なのにチェロとオルガン両方の音色が聴こえるみたい。
なんだか とても不思議。
いつもBCJで一緒に通奏低音を弾いているからでしょうか?

さあ、その2人に三宮さんのバロック・オーボエが加わります。
ご衣装とリードの色を合わせるお洒落な三宮さん、今日はブラックでコーディネイト♡
この方の演奏はいつ聴いてもスッキリとしていて
「瀟洒(しょうしゃ)」という言葉がピッタリ!


この3人に加耒さんが加わり、優人さんの作品を演奏。
学生時代にバッハの曲に倣ってかいたものだそうですが、
こんなに凄い曲がかけちゃうなんて、まさにバッハもビックリ!

そして再び聖書朗読、大天使がイエスが生まれた事を羊飼いに伝える場面です。
加耒さんの朗読は初めて聞きましたが、
力強く説得力があって まことにすばらしい~!

でもやっぱり歌は最高♬
加耒さんが歌うクリスマス・オラトリオのアリアを聴くのは
私たちの合唱の公演から数えてこの日で3回目。
空気がビリビリと震える、奥行きのあるバリトン・ヴォイス!
とても艶やかで張りがあって、
この曲の雰囲気に本当に良くマッチしてますねえ♡

トランペットの斎藤さんも入った全員での演奏で
にぎやかに前半が締めくくられました。




後半は演奏の前に全員による ゆるいwトーク。

バロックの楽器は一般には珍しいので、その紹介です。
まずは斎藤さんのナチュラル・トランペット。
ピストンがある現代の楽器と違って
「水道管のような一本の管の先にジョウゴが付いているだけのもの」
だから唇だけで音程を調節するのですね~。
このお話は会場の皆さんがかなり感心したらしく、
サイン会では斎藤さんに質問が集中していましたよ。

続いて懸田さんのバロック・チェロです。
現代の楽器と大きく違うのは、楽器の下部にある棒(エンドピン)が無いことです。
エンドピンの先は尖っていて、床に刺して楽器を固定します。
床を見ると刺した穴がたくさん開いている!
「こんな前で弾いたんですかね?」
「これは違うんじゃないの?」
「間違ってお客さんを刺しちゃったら大変」
「バロック・チェロはお客さんを刺すことはないですね」
「平和な楽器です~」www
その平和な人柄が、まとめ役になっているようで
「懸田さんがいなかたら、みんなバラバラになってしまう」
だそうです~。

加耒さんがバロックものを歌う時は、ピッチの違いもあり
感覚を変えるというお話をさらっとした後
三宮さんのバロック・オーボエのお話。
リコーダーのような形をしているけれどリードが付いていて
ギネスブックに「一番難しい木管楽器」と掲載されているそうです!
三宮さんは後半の曲でオーボエ・ダカッチャという珍しい楽器も演奏してくれました。

最後に優人さんが2つの鍵盤楽器の紹介です。
「チェンバロは弦をプチン・プチンはじいて音を出します。
オルガンは中にリコーダーが入っていて音色も変えられます。」
(なるほど~、大変わかりやすいですね!)


ところで、このユニットにはまだ名前が付いていないので募集中!とのこと。
おおお!続きがあるのですね(嬉~

そして この会場をステキにデコレートした切り絵作家の方と
超かっこいいポスターを撮影したカメラマンの方が紹介されました。(拍手~
(ポスターはこの記事の上部の写真ですが、これが駅にデカデカと貼り出されて
けっこう話題になったみたい。しかーし!コンサートの告知と思わなかった人もいたみたいw)

そうそう、本番のご衣装は その写真と同じ黒で揃えていらっさいました。
しかもポケットチーフが深い紫色。
お洒落ですね~♡
あ、加耒さんがネクタイされていたのですが
「ひとりだけネクタイしてる!」
と つっ込まれていましたよw




'16Decクリスマスの贈り物4.jpg








後半は華やかでウキウキするオーボエ・ソロから始まりました。
続いてオルガンで奏されるのは「大公の舞踏会」
とくれば、もう王宮に招かれた貴族の気分~♬
さらに楽士がチェロに変わり、これまた艶やかな音楽が奏されます。

次なる聖書朗読は、羊飼いらが誕生した幼子イエスを拝みに行った部分です。
加耒さんが語ると情景が目に見えるよう!
続く明るい曲調の独唱もステキ♡
それに絡む、のんびりした音色のオーボエ・ダカッチャが盛り上げます。

このバッハのカンタータと次のテレマンのソナタは
優人さんが楽器の編成を変えて編曲しました。
だからチェンバロが超絶に大活躍!
という場面を鍵盤ねらいの席から目撃w
という私をステージからチェック入れないで下さいw

管楽器の潔い曲の後、
バッハの賛美歌とカンタータで聖なる日を祝います。
最後の「イエスは常に私の喜び 」は
「主よ、人の望みの喜びよ」として知られている曲。
まさに「クリスマスの贈り物」のタイトルにピッタリの
あたたかな幕切れです。


そしてアンコールで奏されたキャロル。
この幸せなひとときを
いつまでも心にとどめておこう。。






 

神の御子は今宵しも
ベツレヘムに生れたもう
いざや友よ、もろともに
いそぎゆきて拝まずや
いそぎゆきて拝まずや

とこしなえのみことばは
今ぞ人となりたもう
待ち望みし主の民よ
おのが幸(さち)を祝わずや
おのが幸(さち)を祝わずや



'16Decクリスマスの贈り物1.jpg
















LANG LANG 2016           [コンサートの記憶]

ラン・ラン  ピアノ・リサイタル
            ~横浜みなとみらいホール


(プログラム)
チャイコフスキー: 「四季」op.37b
            1月 炉端にて
            2月 冬送りの祭り(謝肉祭)
            3月 ひばりの歌
            4月 まつゆき草
            5月 白夜
            6月 舟歌
            7月 刈り入れ人の歌
            8月 取り入れ
            9月 狩
            10月 秋の歌
            11月 トロイカ
            12月 クリスマス
 
ショパン:スケルツォ第1番 ロ短調 op.20
     スケルツォ第2番 変ロ短調 op.31
     スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
     スケルツォ第4番 ホ長調 op.54

(アンコール)
アルベニス:スペイン舞曲より アストゥリアス
ファリャ:火祭りの踊り
ショパン:華麗なる大円舞曲 Op.18




'16Decランラン1.jpg


静かに優しく チャイコフスキーがはじまる。
響きを慈しむように
音のゆくえをたしかめるように弾かれる小品たち。

その ひとつひとつに
心がこもていて
暖かい愛がながれてくる。

ほんとうに さまざまなタッチを駆使して
色彩のグラデーションを描いていく
それは もう見事に!

そして 
どんなに速く弾いても
クリアに聴こえる音の粒だちの小気味よさ。
リズミカルなパッセージの
なんと軽やかなことだろう!




ロシア人が弾くチャイコフスキーはステキだ。
彼らは、あの美しいメロディーを
自分の生まれた国のものとして、ごく自然に弾いている。
普通に弾くだけでチャイコフスキーの音楽そのものになってしまう。
ロシア語の抑揚で歌われる旋律は本当にすばらしい。
それは、他国の人が真似しようのない演奏。


ラン・ランの演奏は、ロシア人のとはモチロン違う。
音程のとり方も、リズムの感じ方も。
でもね、
この日はチャイコフスキーがとても近く感じられた。
たとえば
中国のフィルターを通して見たロシアの大地。

四季の移ろいを童心にかえって楽しむように
ラン・ランのピアノは
どこまでも自由だ!





さあ、後半はショパン。
スケルツォ1番、冒頭の速いパッセージから
一気にホール中の心をつかむ!
音の切り方、間合いのとり方に
「そう来たか!」
の連続わざw
胸のすくような裏切りの数々。
息をする暇も与えない。(快感!!)

そしてスケルツォの どの曲にも入っている
ポーランドの民謡のようなゆったりとした旋律が
夢のように奏される。。







私はずっとショパンが聴けなかったし、弾けなかった。
クルティシェフのショパン以外は聴く気になれなかったから。
それが、6年越しの願いがかなってクルティのナマの独奏が聴けてから呪縛がとれたようだ。

この日のラン・ランの演奏を素直に楽しむことが出来た自分に驚き。
それどころか
彼の発する明るいオーラがホールを満たし
幸せで胸がいっぱいになった。。






ラン・ランは登場すると、片手を挙げて挨拶をするのです。
さあ、僕を聴いて!みんなで一緒に楽しもう!とでも言うように。
演奏前の緊張感などとは無縁ですねえ。
そして、弾き終わって挨拶する時は
会場のひとりひとりとアイコンタクトをとるんですよ。すごいなあ。



プログラムが終わると(もちろん)スタンディング・オベーション!!
熱狂のるつぼ。

まさかの3曲アンコールがあって、大騒ぎ。
花束攻勢にも制止がなかったみなとみらい、エライ!
(ここで、どこぞのホールのように係員が割って入ると興ざめですもん)

さあ、終わると出口へ急げっとサイン会の列に走る人・人w

私は「今日は絶対パスして帰る!」
と心に誓っていたのに
あっさり誓いは破られました~
こんなに幸せなまま電車に乗りたくないもん。(なんのこっちゃ)









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というわけで、1時間以上並んで いただいた貴重なサインでございます。
私の後にもまだまだ列は続いていましたが、
ラン・ランはずっと立ちっぱなしでサインしてらっさいました。
そして、ひとりひとりに丁寧に応対していてビックリ。
(数年前はそうでもなかった←あまり印象良くなったの)


で、私も「すばらしい演奏でした!」と言ったら(たぶん英語でw)
「Thank you!」
とお返事してくれました♡

ところで、ランランは毎週月曜日に中国語教室をYTで公開しています。
といってもほんの1分間ていどで、1つの単語の発音を教えてくれるのです。
この週の「マンダリン・マンデー」(タイトルです)の課題の言葉が
「dark blue」でした。ラン・ランが好きな色だそうです。
中国語では「深蓝」。
その読み方は「shen lan」。
これを丁寧に発音して教えてくれるという内容でした。
私が
「shen lan. Mandarin Monday」
と言うとラン・ランが
「Oh! 深蓝 is dark blue! Mandarin Monday!」
と明るく応えてくれました(わーい)!



そうそう、
子どもさんには自分から声をかけて、ウェルカムオーラ満載でしたよ。
ラン・ランは、ここ数年 子どもにピアノを教える活動を本格的にやっているので
逆に学ぶところが多かったり、心境の変化もあったのでしょう。
そしてこの日、彼の演奏を聴いた子ども達(かなり大勢来ていましたよ)は
心にステキな宝ものをもらって、いつまでも音楽を愛する人になることでしょう。。

























































Missa O quam gloriosum est regnum [コンサートの記憶]

ヴォーカル・アンサンブル カペラ 定期公演
         ~聖アンセルモ・カトリック目黒教会


トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア(1548~1611)Tomás Luis de Victoria

諸聖人のミサ Missa O quam gloriosum est regnum
 ミサ《ああ天の国はなんと栄光あることか》Missa o quam gloriosum est regnum

諸聖人の晩課 Vesperae in festo ominium sanctorum


演奏:ヴォーカル・アンサンブル カペラ

superius 花井尚美 鏑木綾
altus 青木洋也 安邨尚美
tenor 及川 豊 富本泰成
bassus 谷本喜基 花井哲郎 Maestro di Cappella=音楽監督



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やわらかく浮遊する歌声

美しく絡み合う旋律

16世紀にタイムスリップしたような

不思議な高揚感。。




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11月1日の諸聖人の祝日のためのトマス・ルイス・デ・ヴィクトリアの作品。
グレゴリオ聖歌をはさんで、ヴィクトリアの曲が歌われるというミサの形での演奏です。

祈りの場にふさわしい美しい響きは、まさに神の国からのもの。
俗世の喧噪を忘れ、敬虔な思いで心が満たされます。




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8名のカペラのメンバーは、このクワイヤ・ブックを囲んで歌います。
ひとり1パートになるところもあるので、高度な演奏技術が要求されるのですが
彼らのクオリティは本当にすごいっ!
お互いに聴きあって歌うのですが、
その音程のとり方が まさに絶妙なのです。

以前は、当時のミサを再現するという事で客席に背中を向けて演奏していましたが
この日は顔が見える位置になっていました。
やはり演奏会なので、この方が嬉しいですね。




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ここは、落ち着いた雰囲気で素晴らしい教会です。


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今回は、2階のパイプオルガンの横の席で聴きました。



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カペラがここで演奏するのは(会場の都合で)これが最後になるようです。
この場で 私の大好きなヴィクトリアが聴けたのは本当に幸せでした。


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Messe in h-moll      [コンサートの記憶]

J. S. バッハ
《ミサ曲 ロ短調》 BWV 232 全曲
               ~東京オペラシティ コンサートホール

指揮:鈴木雅明

ソプラノ:朴 瑛実、ジョアン・ラン
アルト:ダミアン・ギヨン
テノール:櫻田 亮
バス:ドミニク・ヴェルナー

合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン




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オペラシティコンサートホールの
高いところにある窓

音楽はそこに向かってのぼっていく
そして 
さらに上の天をめざして


私はその窓を眺めながら
合唱・管弦楽のパート全てが
すみずみまで聴こえる緻密な演奏に身をゆだねていた。。

そこには 何の演出もない。
ただひたすら
音楽に奉仕する演奏家の姿があるのみ。

指揮者をはじめとして、演奏者全員が
情熱的ではあっても決して激することなく
真摯な演奏をするからこそJ.S.バッハの意図が真っ直ぐに伝わって来るのでしょう。

だからこそ、聴衆は深い感動につつまれるのです。



ある方が、音楽をする上で大切なことは

楽譜の中に作曲者の意図を読み取り
何も足さない、何も引かない。

と教えてくれました。



去年の夏、同じ曲を同じくBCJの演奏で聴いた時は
ただただ感動するばかりでしたが
その後、この曲を合唱で歌うことになり
楽譜を読み込んできたので
「何も足さない、何も引かない」
という言葉の意味が本当に良く解りました。
そして、この日の演奏がどんなにクオリティが高いものかということも!





音楽の最後の響きの後
ホールは長い静寂に包まれ

そして深い感動と敬意の喝采!





















ところでっ
演奏会が近づいて来たある日、チラシをよーく見たら
なんと!
優人さんの名前がありません!
「チェンバロ・オルガン:フランチェスコ・コルティ」
うっそー!誰この人?!

優人さんは、この日の翌日に別の演奏会でパイプオルガンを弾くことになっていたのです。
仕方ありません~。でもザンネン~。
と思っていたら
なんとっ
「出演が決まりました!」
との情報ががが(きゃー)!
別の演奏会のリハーサル時間が上手く調整できたようで
こちらの本番に駆けつけてくれたのです。
(まあ嬉しい!私のために~)←阿呆



ということで、こんな感じで(写真、お借りしました)

'16Nov BCJ2.jpg



本番の時、双眼鏡で観たら(だって3階席だったのですもの)、
優人さんのヘアスタイルが、いかにも「走ってきた!」という感じです。
それは駆けつけたイメージでセットしたらしい(ほんとかw)。
でもね(当然のことながら)演奏はとても駆けつけたとは思えない、すばらしいものでした!
さすが、プロですねえ。

しかし、翌日のBCJの公演には
さすがに分身の術を使うわけにはいかず、
コルティさんが一人でチェンバロとオルガンを弾いたそうです。
これまた凄いワザですねが、
コルティさんは優人さんの同級生だったと聞いて、それくらい当然なのでしょう(何が?
ともあれ このような超絶な人達の集まりなんです、BCJは。
これをライブで聴けるというのは、まさに究極の幸せです!!



























Duo Ricital              [コンサートの記憶]

原田 陽×鈴木優人 デュオリサイタル
             ~王子ホール


原田 陽(バロック・ヴァイオリン)
鈴木優人(チェンバロ)

(プログラム)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第2番 イ長調 BWV1015
     :無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
     :ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第5番 ヘ短調 BWV1018

     :半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 (チェンバロソロ)      
     :ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019

(アンコール)
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019a(初稿)より
      Cantabile




'16Nov優人原田2.jpg




この美しいチェンバロから紡ぎ出される音は
明るい光にみちていて
眩しいほどに輝いている。

優人さんが弾くチェンバロは
どうしてこんなに綺麗な音色なのでしょう!

独奏の「半音階的幻想曲とフーガ」

これほど鮮やかな幻想曲を、他で聴いたことがない。
ともすれば重く、おどろおどろしくなりがちな曲なのに
進む方向が定まった、小気味の良い演奏に息をのむ。

そして何とも見通しの良いフーガ。
遁走曲の名のとおり
逃げようとする旋律が目に見えるよう!



続くデュオ。

すたすたと運んでいく安定したチェンバロに乗って
1部の時よりも ぐんと鳴り出したヴァイオリンが饒舌に歌う。

チェンバロの旋律に装飾が華やかに付け加えられて
あでやかな道行きを楽しませる。

まるで ドラマを観ているような ステキなやりとり。

五楽章あるソナタのうち、第三楽章がチェンバロ独奏なので
ヴァイオリニストは後方に置かれた椅子にかけている。
そんな様子も お芝居のようで。。

愁いを含んだ第四楽章の次に一気に駆け出す音楽は
まっしぐらに大団円へと 突き進んでいく!


そしてアンコールは、同じソナタの初稿にある緩徐楽章。
ふくよかな旋律は幸せの余韻をのこして
演奏会があたたかく閉じられました。。




                (以下の写真はweb上からお借りしました)

'16Nov優人原田3.jpg






前半のデュオ2曲とヴァイオリン独奏も素晴らしかったのですが、
ことのほか印象に残った後半のプログラムを綴りました。

ヴァイオリンの原田陽さんの演奏を初めて聴いたのは
もう9年も前のこと。
ピアニストのイエルク・デームスが出演したコンサートでオーケストラのコンマスをしていて、
バッハのヴァイオリン協奏曲を演奏していました。
その後、演奏を聴く機会がなかったのですが
数年前にバッハ・コレギウム・ジャパンの管弦楽で弾いているのを「発見」してビックリ!
BCJでは、当然のことですがバロック・ヴァイオリンを弾いていました。
確か、以前はモダン楽器だったはずなのに?
(それに長髪をバッサリ切って、別人のようでした。)

原田さんがバッハに対する思いの深さを、この日のプログラムに書いていらして
オリジナル楽器を演奏するようになったのは、自然な流れだった事が解りました。



そういえば、優人さんが王子ホールで二人だけの演奏(しかも独奏も!)というのを聴いたのは
初めてだったかもしれません。

あ~、チェンバロの音がステキだったなあ。。
(と余韻にひたっております)
































Miroslav Kultyshev Piano Rcital Ⅱ       [コンサートの記憶]

まさか二度目があるとは!!





ミロスラフ・クルティシェフ ピアノリサイタル
          ~東京音楽大学A館100周年記念ホール

(プログラム)
リスト:愛の夢 第3番
ショパン:12の練習曲Op.10より第12番「革命」ハ短調
ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調Op.42
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ長調Op.35「葬送」

ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83「戦争ソナタ」
          (アレグロ・インクィエート、アンダンテ・カロローソ、プレチピタート)
(アンコール)
ラフマニノフ:断片
ショパン:幻想即興曲
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲Op.71a(プレトニョフ編)より
          7.アンダンテ・マエストーゾ





音大の文化祭でクルティの演奏会があると知ったのは、この10日ほど前だったでしょうか。
入っていた予定を変更したのは言うまでもありませんっ!

'16Novクルティ.jpg



先日のさらに上をいってて、本当に凄かった!

ショパンの内声の表現
ラヴェルの倍音の響かせ方
プロコのタイトなリズム感。。
もうゾクゾクしっぱなし!

最弱音から大音響までのダイナミクスと
音色のグラデーションは
まるで万華鏡・・
ああ、なんてゴージャスなんだろう。。

何度も涙があふれそうになる。




そして何より、
神懸かりのような集中力は圧倒的!!

まるで 天国にいる作曲家と交信をしているかのよう
いや、じっさい
降臨したのかもしれないね。。






'16Novクルティ2.jpg








































Piano Solo Live         [コンサートの記憶]

小曽根真 ピアノ・ソロ・ライブ
           ~狛江エコルマホール

(セットリスト)
Inprovisation:M.Ozone
The Beginning :M.Ozone
Someday My Prince Will Come:F.Churchill
Gitanerias:E.Lecuona
Cubano Chant:R.Bryant
Time Thread:M.Ozone

Mazurka #24:F.Chopin
Prelude #2:A.Scriabin
My Witch's Blue:M.Ozone
Cyrstal Silence:C.Corea

(アンコール)
Valses Venezolanos :A.Lauro
Autumn Leaves:J.Kosma



'16OctOZエコルマ.jpg




ゆっくりと 
ピアノの響きを確かめるように弾き始める
そして
コマ落としの映画のように
次々に現れては消える、さまざまな場面。。



整音の行き届いた楽器からインスパイアされたという即興演奏。
最初の音がショパンの舟歌の冒頭にそっくりだったので驚いたけれど
ショパンが豊かな倍音の響きを作品に込めたように
小曽根さんも同じ響きを聴いていたに違いない。


さて、以前にトリオで演奏されたタイトな曲の後
ほっとするような優しい音色で始められた「いつか王子さまが」。
軽やかなワルツは やがて豪華に!
通り一遍で終わらないのは、やはりピアノのせい?


キューバの作曲家E.Lecuonaがかいた"Gitanerias"は
先日のゴンサロ・ルバルカバとのデュエットの最終日に弾かれたもの。
ジプシー音楽のイメージというが
どことなくスパニッシュな香り。
小曽根さんが弾くラテン系のダンサブルな曲は最高!

キューバつながりて"Cubano Chant"。
ベースをガンガンきかせてノリノリ♬
これは小曽根さんがピアノを始めるきっかけになった曲。

そして"Time Thread”の穏やかなハーモニーが
この世のものとは思えないくらい
優しい音色でしっとりと奏でられる。。



ブレイクをはさんでクラシックを2曲。
というより、それらの曲をテーマにしたインプロヴィゼーション。

「ショパンは怒ってるでしょうか?」と
弾き終わった小曽根さんが言うくらいファンキーなマズルカ♬

次は20数年前にチック・コリアが「この曲いいよ!」と教えてくれたという
スクリャービンのプレリュード。

薄明かりの部屋
やわらかなビロードの上を
音の粒がころがる。。

これは
そう、ゴンサロ・ルバルカバとのデュエットで聴いた会話。
あの時
ふたりの言葉の重さは
重力に逆らって放物線を描き
宙に舞っていた。。

それが租借され 再び紡がれると
美しい陰影とともに 新しい命が宿される

それは
決して追憶や感傷ではなく。。


そんなふうに聴いていると
小曽根さんにとってゴンサロ・ルバルカバとの出会いが
どんなに素晴らしいものであったかがわかる。
内面をさらけ出して
まるでバトルのように繰り広げられたデュエットは
お互いを高めあう、至福の時間だったのでしょう。

この日は、その時の追想ではなく
さらなるステップとなっているのが聴けて
胸がいっぱいに。。




拍手を制するかのように弾き始められた"My Witch's Blue"
テーマのアルペジオがオソロシクなめらか!

音楽のタイムだけでなく
光と闇を表現するのに必要な技術を
小曽根さんは次々と手に入れる。
自分のイメージに向かって着実に進んでいく。
そんな、音楽に対する真摯な姿勢を見る度に
尊敬せずにはいられない!


最後は"Cyrstal Silence"
夢のような柔らかい音色が
ゆっくり、ゆっくりと奏でられる。

やがて刻みはじめられたリズムは
重い足どりのように進んでいく。
さらなる慟哭は
時空を引き裂くかのよう!

そうして
また
新しい夜明け

透き通った空気の中に
美しい夢のかけらが吸い込まれていく。。




ホールの、新しく生まれ変わったピアノにインスパイアされた
ダイナミックでいて繊細な、クラシカルな曲の後のアンコールは
ヴェネズエラのワルツ。
元はA.Lauroが作曲したギターの曲で、まるでフラメンコ。
なんてステキにカッコイイのだろう!


鳴り止まない拍手に応えて、もう1曲♬
「枯葉」が聴けたら、もう文句なしですねえ~。
しかも、とっても解りやすいアレンジw
みんなが大満足♡の幕切れでした!


























Miroslav Kultyshev Piano Rcital    [コンサートの記憶]

優しいメロディーが低音で奏される

なめらかなアルペジオ

最初の転調で 思わず涙

これが

ずっと待ち続けていたピアノ。。






MUSE PIANO SERIES 2016 休日に燦めくピアノの響き
ミロスラフ・クルティシェフ
       ~所沢ミューズ・アークホール
                 

(プログラム)
リスト:愛の夢 第3番
ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調op.42
ショパン:エチュード「革命」
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲」

ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83「戦争ソナタ」
          (アレグロ・インクィエート、アンダンテ・カロローソ、プレチピタート)
(アンコール)
チャイコフスキー:くるみ割り人形~グラン・パドドゥ
ショパン:幻想即興曲








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なんというピアノの響き!
倍音の重なりが粒子になってホールを満たす。

確固たる和声感の上に構築された音楽。
息の長いフレーズ。
心地よいアゴーギグ。

彼が弾く唯一無二のリスト。
そしてショパン!

6年前のショパンコンクールのネット中継で
ミロスラフ・クルティシェフの演奏を聴いて以来
彼以外が弾くショパンは考えられなくなった。

あれから ずっとソロ・リサイタルを待っていた。
ほんとうに、ずっと!

ショパンの作品は、コンクールの時の方が丁寧に弾かれていたように思う。
コンクールはミスがマイナスになってしまうので、慎重にならざるを得ない。
恐らく、この日のショパンの方が彼の本来のものなのだろう。

型から出て自由にはばたくように
時には激しい音も交えた、情熱的でドラマチックな演奏。

また逆に最弱音の神秘的な美しさ!
ゆるやかに奏された音を
それが空気に溶けるまで聴きつづける集中力。

CDに閉じ込めることが不可能な
クルティシェフのピアノの響き。
ナマで聴くことが出来て
最高に幸せ!




そう、「幸せ」な気持ち。
これは不思議!

以前、クルティシェフの演奏を聴くと
それがどんなに明るい曲調のものでも
暗い響きを感じたものだ。
まるで地獄の釜をのぞいてしまったような恐ろしさ。

けれど、今回のリサイタルでは
そんな瞬間はなかった。
だから、すなおに「幸せ」と言えることが嬉しい。。





         

                        (以下の写真はweb上からお借りしました)

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オンディーヌはまさに水の精。
そう思わせるようなピアノ。
ショパンの時と明らかに違う音色。

曲と曲の間も手を鍵盤から下ろさず(拍手をさせない!)
3曲ぜんぶで1つの曲なのだということが伝わってくる。

さあ、スカルボだ!
この超難曲で、クルティシェフはピアノの機能を最大限に生かした演奏を聴かせてくれた。
まるで 猛り狂った獣と戦うかのように
奏者とピアノが渾然一体となる。
炎の地獄のような音楽は
スカルボが ふいっと消え去って、終わる。



プロコフィエフの作品の現代的な響き。
ゆっくりと奏される時に音程感覚がのある奏者だと
それがとても際立つ。
クルティの見事な音程感覚は
まるで色彩が目に見えるよう!
彼はポリフォニックな感覚も非常に鋭いので
紡がれる音楽は、さながら美しい綾織り。

そして終楽章。
なんということだ!
これはまるでテクノ・ミュージック!
もの凄いリズム感とドライブ感っ!
めっちゃカッコイイ~!!
フランチェスコ・トリスターノの「ラ・ベネクシアーナ」を思い出してしまったw

拍手喝采!




そしてアンコール。

かわいらしいアルペジオから始まり
繰り返されるメロディー。
少しずつ音数が増してゆく。
それはそれは豪華な「くるみ割り人形」。

クルティが こうしてソロで弾いてくれている。
もう
感謝しかない。。



拍手なりやまず。

アンコールの2曲目はショパン。
初めてクルティシェフの演奏を耳にした6年前の秋の日に思いを馳せる。

あの日も
彼は
ショパンを弾いていた。。




















































声の庭          [コンサートの記憶]

ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン
<イタリアの庭で~愛のアカデミア>
                   ~サントリーホール


指揮ウィリアム・クリスティ

ソプラノ:ルシア・マルティン=カルトン
メゾソプラノ:レア・デザンドレ
カウンターテナー:カルロ・ヴィストリ
テノール:ニコラス・スコット
バリトン:レナート・ドルチーニ
バス:ジョン・テイラー・ウォード

オーケストラ:レザール・フロリサン

(プログラム)
A.バンキエーリ:音楽のザバイオーネ「森の創意」&5声のマドリガーレ第1集より
       マドリガーレ「さあ、全員集まったから」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「レント」
O.ヴェッキ:「シエーナの夜会、または現代の音楽のさまざまな気分」より
      「音楽のユーモア」「皆さん静かにしてください」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「アレグロ」
        5声の合唱「ねえ、恋人さんたち」
        レチタティーヴォ「美女の女神が望む最高の栄誉は」
        アリア「美しい容貌とは」
        レチタティーヴォ「狂わせたのは誰」
ヘンデル: オペラ「オルランド」より
     アリア「冥界の川に住む、邪悪な亡霊たちよ」
ヴェルト:「5・6・7声のマドリガーレ集」第5巻より
     マドリガーレ「もはや涙ではない」
A.ヴィヴァルディ: オペラ「オルランド・フリオーソ」より
         レチタティーヴォ「不実で嘘つきな女よ」
         アリオーソ「鎧も兜も脱ぎ捨てよう」
         レチタティーヴォ「身軽になったので、一息つこう」
         アリア「俺は、背中には百の翼を」
ヘンデル:オラトリオ「時と真理の勝利」より
     アリア「棘は残したまま、薔薇の花だけ」
A.ヴィヴァルディ:「離宮のオットー大帝」より
         アリア「嫉妬よ、おまえは私の魂にもたらした」
A.ヴィヴァルディ:歌劇「愛と憎しみに打ち勝つ徳、またはティグラネス王」より
         アリア「愛しい瞳よ」
A.ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        レチタティーヴォ「悟りは愛の学校のメンバーでないけれど」
        アリア「愛の神の矢に用心しなさい」
        レチタティーヴォ「悟りが理性と手を組んだなら」
        マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」

D.チマローザ: オペラ「みじめな劇場支配人」より
       「ああ、皆さん分かってください」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     レチタティーヴォ「美しい方々」「私はどうしたらいいの」「どうですか」
D.サッロ: オペラ「カナリー劇場支配人」より
     インテルメッツォ第2番(抜粋)
     アリア「人前で芝居をするのは惨めだわ」
     インテルメッツォ第1番(抜粋)
     レチタティーヴォ「外国から来る興行師を待ってるの」
モーツァルト: バスとオーケストラのためのアリエッタ
      「お前は手にキスされただけで」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     四重唱「悪党!裏切り者!人殺し!」
N.ボウボラ:ソロ・カンタータ
      レチタティーヴォ「もしも私の心が自由で」
      アリア「この唇と瞳が惑わしたのなら」
ハイドン:オペラ「騎士オルランド」より
     「僕は困惑している」

(アンコール)
ロッシーニ:オペラ「チェネレントラ(シンデレラ)」より
      六重唱「貴女ですね」
ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち」より
       マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」
ジャキェス・デ・ヴェルト:マドリガーレ「もはや涙ではない」


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ウィリアム・クリスティーの長い手が柔らかく弧を描くと
彼の人柄そのままのような、暖かい音楽が紡ぎ出される。

オリジナル楽器の管弦楽の軽やかな響き。
奏者ひとりひとりが本当に達者!

その確かな演奏に支えられて
若い歌手たちが躍動する。
すべて暗譜で、演技を交えながらの歌唱。
プログラムは様々な作曲家の楽曲から選曲され
若者が「愛」を学ぶプロセスを表していた。

歌はソロよりもアンサンブル。そしてアカペラの重唱の方がすばらしく、
特にアンコール最後のアカペラは抜群だった。
歌が終わっても客席が長いこと静まりかえっていたほど。
ほんとうに、拍手をするのが惜しいくらいの静寂。

欲を言えば管弦楽だけの演奏をもっと聴きたかったなあ。



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ラジオの朝の番組「古楽の楽しみ」で
関根敏子せんせいが良く紹介して下さる「レザール・フロリサン」。
今回はじめて、彼らの生演奏を聴くことができました!
指揮のウィリアム・クリスティーは長く古楽界をリードし続けていて
彼の元を巣立った音楽家による古楽グループが数多く存在するそうです。
クリスティーさん、これからも元気に活躍してほしいなあ!










































Jazz meets Classic      [コンサートの記憶]

"Jazz meets Classic"
      ~東京文化会館 大ホール


ピアノ:小曽根真、ゴンサロ・ルバルカバ

打楽器:安藤芳広、小林巨明(第1部のみ)
指揮:角田鋼亮(第1部のみ)
管弦楽:東京都交響楽団(第1部のみ)

(プログラム)
第1部
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
バルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲

第2部
デューク・エリントン:キャラバン
チャーリー・ヘイデン:ファースト・ソング(ゴンサロ・ルバルカバ ソロ)
即興演奏
小曽根真:タイム・スレッド(小曽根真 ソロ)
マイルス・デイヴィス:ソーラー

(アンコール)
ジョゼフ・コズマ:枯葉
セロニアス・モンク:ブルー・モンク
チック・コリア:スペイン






オーケストラだけで演奏された1曲目が あっという間に終わる。

2台のピアノが設置され、いよいよ協奏曲だ。

この曲は「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」に、作曲家が後から管弦楽を付けた曲。
だから、二人のピアニストと二人のパーカッショニストがメインになる。

そのパーカッション隊が
ものすごく上手い!!
音楽を牽引していくかと思えば
あるところでは余裕をみせる。

暗譜で挑む小曽根さんの真剣な表情。
もう一人のピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバは
速いパッセージを弾きながら、それを歌っている。
「パパパパ~」
というように全てを細かく。

小曽根さんは10日前のワークショップの時
「自分の中にない音楽」
と言って、演奏を断ろうかと思うくらい大変だったと明かしている。
でもそれを暗譜するまで弾き込んでしまえるって本当にすごい!

そのワークショップで、この曲の終わり方に触れ
「これだけ難しいことを延々とやっておきながら、最後がごく普通のⅤーⅠで終わるんですよ」
と言っていた通り
シビアな不協和音の連続の終わりに
えもいわれぬ優しい音でⅤーⅠが鳴らされて、曲が閉じられた。


ハンガリーの香りがするバルトークの独特な世界。
ああ、もう一度聴きたいなあ!
その時はピアノ2とパーカッション2という元の姿で
丁々発止のやりとりを体験してみたい。



さあ、第2部はピアニストふたりのインプロヴィゼーション!



'16Oct.OZ.jpg



演奏の前にマイクを取った小曽根さん。
「ここからは水を得た魚のように」w
そして、ゴンサロ・ルバルカバの紹介を。

デビューしたてのゴンサロの超絶な演奏を聴き('91)アゴが地面に落ちるくらい驚いたこと。
一つ一つの音に意味があるのに、もの凄いスピードで弾くことが出来る人は他にいない!

さらに、クラシックとジャズの両方を弾けるということで
今回のプロジェクトに彼を招いたのだそう。
そして、小曽根さんとゴンサロを引き合わせてくれた方が
はるばるサンパウロから聴きに来てくれた、と紹介される。
満場のあたたかい拍手!

続けて
1部は大変に緊張するものだったので、2部はリラックスして聴いてほしい。
実は、これから何をするのか全く決めていない。
(会場から驚きのどよめき)

こうして、2台ピアノによるインプロビゼーションが始まった。



コンチェルトの時と同じで
向かい合わせに置かれたピアノの下手側に小曽根さん、上手側にゴンサロが座る。

そこに出現したのは、音楽というより3Dの映画が立ち現れたような感覚。
断崖絶壁のロッククライミングのように
弾かれた音は電光石火のように次の音への足がかりとなる。
突風で宙に舞い、旋回するかと思えば
鮮やかに空(くう)を切って突き進んでいく!
同じ場所に留まることは一時(いっとき)もない、
次々に展開する画面。。

ジャズのライブと同様、私たちは曲名を知らされていないので
(上に挙げたものは、後日発表されたもの)
元の曲のテーマさえも殆ど弾かれないくらいのインプロビゼーションに
ただただ驚愕するのみ。





ひとりがソロを弾く時、もうひとりはステージ後方に座って聴いている。

ゴンサロのソロ。
とても内省的で、しっとりと聴かせてくれる。
音のひとつぶひとつぶが本当に綺麗。

コンテンポラリーダンスは
クラシックバレエの素養がある人が踊ると
非常に美しいという事を思い出させてくれる。
これは
ゆるやかなパ・ド・トウ。。


ふたたび、2台ピアノ。
いったい起承転結はどこにあるのだ?というような即興!
更にスピードが上がり、音数が増え極限を超えたようなパフォーマンス。
おそろしいことに、二人はそれを心から楽しんでいるのだ!


(ところで、ゴンサロは左のソフトペダルをずっと踏んで演奏していた。
CFXがこの音?と不思議に思って足許を見てわかったこと。
これは相手の音との区別が聞こえやすいようにしたかったのだろうか?)




小曽根さんのソロ。
浮遊感のあるピアノの響きが
やわらかく空中にふくらんでいく
かと思えば
それが ふっと途切れる

次の瞬間に弾かれる単音は
孤独と幸福の狭間。。


真っ先に拍手をしたのはゴンサロ。
ピアノに戻ると、最強のデュエットに。
仕掛け花火の連続のようなピアノに
私たちはそれこそ、アゴが地面に落ちてしまうのだ!

小曽根さんが以前「パンドラ」というCDをリリースした事があったけれど
この日、また新しい箱が この二人によって開けられたのかも。




そしてもちろん、アンコール。
ゴンサロが「枯葉」の冒頭をパラッと弾く。
会場から「を~~!」という歓声。
「知ってる曲だっ」w
でも、それはほんの一瞬で、すぐにインプロビゼーションの海に飛び込む。

ダブル・アンコールはブルー・モンク。
これはジャズファンにはたまらない。
もう、何でも弾けちゃうんですね(あたりまえ

しか~し、これを聴いても
拍手は鳴り止まない!!

なんだかバルトークを聴いたのは遠い過去のようだ。
時間の経過がおかしなことになっておるぞw

と、拍手をし続けていたら
なんと!
もう1曲がありました~♬

あわわわ
この曲は!!

ずーっと即興で弾き続けてるけど
このスケールは絶対あの曲だーー!!

最後の方に弾かれた
「スペイン」のテーマにクラップが起こる。
でも
実はそれが宴の終わり。

一番ステキな表情を撮し取った写真のように
音楽は熱いまま心に焼き付けられた。。

























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