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きっと またね         [コンサートの記憶]

フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル
               ~三鷹市芸術文化センター 風のホール




(プログラム)
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988

ギボンズ:ヴァージナルのために書かれた作品より
          パヴァン/エアー/フランス風エアー/イタリア風グラウンド/グラウンド
トリスターノ:Circle Songs(2017)より
          Circle Song3 / All I have/ My old number /Heraklion
ロッシ:3つのトッカータ
          第1番/第2番/第7番
ラモー=トリスターノ:歌劇「カストールとポリュックス」より序曲
トリスターノ:ラ・フランシスカーナ

(アンコール)
デリック・メイ=トリスターノ:ストリングス・オブ・ライフ





'17Julyフランチェスコ三鷹2.jpg

                     (写真はweb上からお借りしました)




ステージの上手から登場したフランチェスコは
ゆったりとした足どりでピアノの後ろを回って鍵盤の前へ進み
いつもように 膝に手を置いて深々とおじぎをする。
真っ直ぐに伸ばした長い足に編み上げのショートブーツ。
細身の身体にフィットした黒いジャケットが良く似合う。


ゴルトベルクは
先日の王子ホールの時よりもタッチが優しく聴こえる。
羽のように柔らかく、春のそよ風のようにあたたかい。

同じ曲なのに
こんなに違って聴こえるなんて!

ホールが変わり、オーディエンスが変わったこと
そして天気や演奏者の体調も影響して
音楽は生き物のように変化する。。


たとえば
今日のゴルトベルクがクリームソーダなら
この間のはかき氷ね。
氷の粒が混じっているくらい粗いかき氷。
食べているうちに頭がキーンとしてくるやつ。

私はかき氷の方が好きだよ、フランチェスコ。




後半はギボンズの作品から。
ヴァージナルは、とてもつつましい楽器で
閉じた空間が似合うはずなのに
フランチェスコがグランドピアノで弾くと
柔らかな抑揚と豊かな響きで
古い時代のイギリスの音楽が饒舌に彩られる。

続くCircle Songsは、先日Hakuju Hallで聴いたのは最初の1曲だけ。
でも、その時と同じく
どの曲もハーモニーが本当に美しい。
そしてテンポが緩やか~中庸で
今までのテクノ的なオリジナル曲とは全く違う。
まるで映画音楽のように
それぞれのシーンが再現されていくよう。。

そして次は17世紀のロッシの作品。
こんなふうに 古い時代と現代を行きつ戻りつしても
不思議なくらい違和感がない。

トッカータは、
リュートなどが調弦をして試し弾きをしているうちに
曲になっていったといういわれがある。
もとはといえば即興。
それがフランチェスコにフィットするのだろう。
ともすれば、とりとめのない演奏に陥りやすい曲なのに
ダンスをリードしてくれるような彼の演奏は
ドライブの仕方も、間のとり方も
ほんとうに小気味よくて、思わず微笑んでしまう。


さらにラモーになると
これはもう踊り出したくなってしまう!
フランチェスコが弾いているのはピアノなのに
オリジナル楽器のオーケストラの にぎやかな演奏が聴こえてくる。

躍動するヴィオラ・ダ・ガンバ。
丁々発止のオーボエ・ダモーレとフラウト・トラベルソ。
バイオリンが歌い、ファゴットが仕掛ける。
ティンパニがリズムを繰り出すと
ダンスは最高潮に!

大きな拍手と歓声の中
間を置かずにオリジナル曲のラ・フランシスカーナが始まる。
即興のイントロの華やかなこと!
続くテクノも超カッコいいグルーヴはそのまま、
もの凄く豪華!!

ああ、どうしよう
これが最後の曲だなんて信じたくない!

そんなセンチメンタルな気持ちを察してくれたのか
アンコールはデリック・メイの曲。
静かに始まったイントロに 一瞬 泣きそうになったけれど
疾走するテクノは
きっと またね
という約束だったよね。











こうしてフランチェスコ・トリスターノのジャパンツアー6公演
(私はそのうちの3公演を聴きました♫)が終わりました。

でもね、今年は11月にまた来日です!
今度はオリジナルのピアノ・コンチェルト(日本初演)ですよ。
ものすごーくカッコイイ曲なので(配信で観ました♫)
ナマで聴けるのが本当に楽しみ~♡