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Dvorak Hall        [歌にたくして]

J. S. Bach Messe h-Moll

Bach Festival Orchestra and choir
Hiroya Aoki /Japan/conductor

Rudolfinum — Dvorak Hall
Fri 16 Jun 2017 / 7.30pm

ドヴォルザークホール.jpg




Kyrie (キリエ)の「憐れむ」という言葉の中には

そばに居てください

忘れないでください

という意味がある




そして

ロ短調ミサ曲全編に流れているのは

なによりもポジティブな感覚・・・




演奏会の日の朝、指揮者はこんなふうに話してくれた。
以前、Kyrieを練習している時に
どう思って歌っているのか?私たちの声があまりにも悲痛な感じがすると言われた事がある。
対訳に書かれている「憐れむ」は「かわいそう」などではない
何かもっと別の意味があるに違いない。
それから私は様々に調べたり人に聞いたりしたのだが、よく解らないままだった。
いつか聞いてみたいと思いつつ、機会がないまま
とうとう演奏会の日になってしまった。
このまま本番を迎えたくない、と意を決して尋ねた私に
ていねいに応えてくれた。。
それが嬉しくて、熱いものがこみ上げる。
思いを共有できた喜び。

けれど、今はそんな感情に浸っている場合じゃない。

さあ!涙をふいて
「その時」を迎えよう。




ドヴォルザークホール5.jpg


ドヴォルザークホールはプラハの「ルドルフィヌム」の中にある1000人収容の大ホール。
ヨーロッパ最古のホールの一つで、内装が大変に美しく まろやかな響きがする。


ドヴォルザークホール2.jpg


私たち合唱が到着した時には、オーケストラのリハーサルが終わっていた。
そして、私たちも加わって最後のリハーサル。

なんと歌いやすいホールだろう!
それぞれのパートが良く聞こえてくる。
オーケストラの楽器の音もとてもクリアだ。
それなのに、残響音につつまれるような素晴らしい感覚。

指揮者は英語で的確に指示を出していく。
要所を簡潔に。
だから のびのびと演奏できる。
ただし、責任はとても重い。

「指揮を見て!」
それは常に言われてきた。
でも、ずっと指揮を見ていたら客席の方を指さしている!
そうだ
音楽はオーディエンスに届けるのだ!!



リハーサルが終わり、楽屋へ行く。
衣装に着替える。
準備は万端!

その瞬間、急に寂しさが押し寄せる。

長いことかけて準備してきた ロ短調。
楽曲を分析し、お手本を繰り返し聴き、練習を積み重ねてきた日々。
安定した発声を手に入れたくて、あらゆる方法を試みてきた。

そんな 熱い時間が
この本番の後には
もう、ないのだ!
そう思うと胸が締め付けられるよう。


でも、次の瞬間には意識をステージに向ける。
そこにあるのは
J.S.バッハがかいた、珠玉の音楽が演奏されるのを待っている。




ドヴォルザークホール4.jpg





ステージに足を踏み出すと、沢山の拍手が迎えてくれた。
そこには、ほぼ満場のプラハの人々!
あたたかく、私たちが並び終わるまで拍手を続けていてくれた。

バロックピッチのA音が静かに奏される。

スコアを開いた指揮者は
いつものように 祈りを捧げる。


さあ、休憩なし!




ドヴォルザークホール3.jpg




「最初の1音を聴いた時、この演奏会はうまく行くと確信した」
それは、演奏会が終わってから指揮者が語ったこと。
客席で聴いていた方も
「最初の音は この世のものとは思えないような凄い音だった」
と言って下さった。そして
「曲の最後まで、本当に感動的な演奏だった」とも。

それはきっと
演奏者全員が全身全霊で曲の演奏に集中したからだろう。
何か大きな力が私たちの心をピュアにした。
私たちは
微塵の邪心もなく
音楽をすることに全てを捧げていた。。



「同じ曲を演奏しても、ステージごとに違う演奏になる」
これは、プロの演奏家の誰もが異口同音に言っている。

この日、私はそれを身をもって体験した。

世界中から集まった音楽家たちが奏でた
一夜かぎりの音楽。
それは
この美しいホールが
まるで小宇宙になったように
星々の巡りゆくさまを描き出したのだ。


終曲 Dona nobis pacem (我らに平和を与えたまえ)

心からの祈りをもって歌い終わる

ながい残響音が消え
指揮者が手を降ろしても静まりかえった客席。

やがて
静かに拍手が起こり

喝采となる。。。





プラハ城 夜.jpg







それにしても、オケは全員がとても上手かった。
とはいえ前日に初めて合わせたのだから
彼らをまとめた指揮者は本当に凄い。
そして、男声は現地で参加した方が多かったのだが
オソロシク上手で、特に本番のレベルの高さは尋常じゃなかった。
だから「この曲は、こんなふうに出来ていたんだ!」と目からウロコの部分がいっぱい!
しかも歌いやすい!!
しっかりした土台に乗って頑張らずに歌えるって、ホントに快感w

そして、ずっと出来なくて千本ノックで練習した「グロリア」の歌い出しが
本番でバッチリ決まった時は、心の中でガッツポーズ!
今回の杉村さんのトランペット、ものすごくキレイな音色で
リハの時、前奏でそれを聴いて
のけぞって歌えなかったこともあり
本番で上手くいったのはホントに嬉しかった♡

さらに嬉しかったのは
それぞれのパートにはプロのエキストラの方の参加があったけれど
アルトは自力で頑張った!
しかし、一体バランスは取れていたのだろうか??
と、後で指揮者に聞いてみたら
「大丈夫だった」
!!!
やった~♫♪♬




というわけで、旅の話はいずれまた。




























Come agein        [音のしずく]


青白い炎のように

冷酷で真摯な情熱は

未来の「その瞬間」を

かならず最高のものにする



あなたはいつも

そうやって生きてきた

命をかけて







そして今

あなたが創りあげる夢は

天空にかかる月



それに寄り添う惑星は。。











Come again / John Dowland (1562-1625/26)







Come again, sweet love doth now invite
Thy graces that refrain
To do me due delight,
To see, to hear, to touch, to kiss, to die
With thee again in sweetest sympathy





おいで もう一度
今 甘美な愛が
遠くなったあなたの魅力を招いている
私に相応な喜びを与えるために
無上の甘美を共に感じながら
あなたと再び
見つめあい 声を聞き 触れあい 口づけし
ひとつになるために






























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