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Miroslav Kultyshev Piano Rcital    [コンサートの記憶]

優しいメロディーが低音で奏される

なめらかなアルペジオ

最初の転調で 思わず涙

これが

ずっと待ち続けていたピアノ。。






MUSE PIANO SERIES 2016 休日に燦めくピアノの響き
ミロスラフ・クルティシェフ
       ~所沢ミューズ・アークホール
                 

(プログラム)
リスト:愛の夢 第3番
ショパン:ワルツ 第5番 変イ長調op.42
ショパン:エチュード「革命」
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲」

ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ、絞首台、スカルボ)
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番Op.83「戦争ソナタ」
          (アレグロ・インクィエート、アンダンテ・カロローソ、プレチピタート)
(アンコール)
チャイコフスキー:くるみ割り人形~グラン・パドドゥ
ショパン:幻想即興曲








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なんというピアノの響き!
倍音の重なりが粒子になってホールを満たす。

確固たる和声感の上に構築された音楽。
息の長いフレーズ。
心地よいアゴーギグ。

彼が弾く唯一無二のリスト。
そしてショパン!

6年前のショパンコンクールのネット中継で
ミロスラフ・クルティシェフの演奏を聴いて以来
彼以外が弾くショパンは考えられなくなった。

あれから ずっとソロ・リサイタルを待っていた。
ほんとうに、ずっと!

ショパンの作品は、コンクールの時の方が丁寧に弾かれていたように思う。
コンクールはミスがマイナスになってしまうので、慎重にならざるを得ない。
恐らく、この日のショパンの方が彼の本来のものなのだろう。

型から出て自由にはばたくように
時には激しい音も交えた、情熱的でドラマチックな演奏。

また逆に最弱音の神秘的な美しさ!
ゆるやかに奏された音を
それが空気に溶けるまで聴きつづける集中力。

CDに閉じ込めることが不可能な
クルティシェフのピアノの響き。
ナマで聴くことが出来て
最高に幸せ!




そう、「幸せ」な気持ち。
これは不思議!

以前、クルティシェフの演奏を聴くと
それがどんなに明るい曲調のものでも
暗い響きを感じたものだ。
まるで地獄の釜をのぞいてしまったような恐ろしさ。

けれど、今回のリサイタルでは
そんな瞬間はなかった。
だから、すなおに「幸せ」と言えることが嬉しい。。





         

                        (以下の写真はweb上からお借りしました)

'16Octクルティシェフ2.jpg

                    


オンディーヌはまさに水の精。
そう思わせるようなピアノ。
ショパンの時と明らかに違う音色。

曲と曲の間も手を鍵盤から下ろさず(拍手をさせない!)
3曲ぜんぶで1つの曲なのだということが伝わってくる。

さあ、スカルボだ!
この超難曲で、クルティシェフはピアノの機能を最大限に生かした演奏を聴かせてくれた。
まるで 猛り狂った獣と戦うかのように
奏者とピアノが渾然一体となる。
炎の地獄のような音楽は
スカルボが ふいっと消え去って、終わる。



プロコフィエフの作品の現代的な響き。
ゆっくりと奏される時に音程感覚がのある奏者だと
それがとても際立つ。
クルティの見事な音程感覚は
まるで色彩が目に見えるよう!
彼はポリフォニックな感覚も非常に鋭いので
紡がれる音楽は、さながら美しい綾織り。

そして終楽章。
なんということだ!
これはまるでテクノ・ミュージック!
もの凄いリズム感とドライブ感っ!
めっちゃカッコイイ~!!
フランチェスコ・トリスターノの「ラ・ベネクシアーナ」を思い出してしまったw

拍手喝采!




そしてアンコール。

かわいらしいアルペジオから始まり
繰り返されるメロディー。
少しずつ音数が増してゆく。
それはそれは豪華な「くるみ割り人形」。

クルティが こうしてソロで弾いてくれている。
もう
感謝しかない。。



拍手なりやまず。

アンコールの2曲目はショパン。
初めてクルティシェフの演奏を耳にした6年前の秋の日に思いを馳せる。

あの日も
彼は
ショパンを弾いていた。。




















































声の庭          [コンサートの記憶]

ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン
<イタリアの庭で~愛のアカデミア>
                   ~サントリーホール


指揮ウィリアム・クリスティ

ソプラノ:ルシア・マルティン=カルトン
メゾソプラノ:レア・デザンドレ
カウンターテナー:カルロ・ヴィストリ
テノール:ニコラス・スコット
バリトン:レナート・ドルチーニ
バス:ジョン・テイラー・ウォード

オーケストラ:レザール・フロリサン

(プログラム)
A.バンキエーリ:音楽のザバイオーネ「森の創意」&5声のマドリガーレ第1集より
       マドリガーレ「さあ、全員集まったから」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「レント」
O.ヴェッキ:「シエーナの夜会、または現代の音楽のさまざまな気分」より
      「音楽のユーモア」「皆さん静かにしてください」
A.ストラデッラ: カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        シンフォニア「アレグロ」
        5声の合唱「ねえ、恋人さんたち」
        レチタティーヴォ「美女の女神が望む最高の栄誉は」
        アリア「美しい容貌とは」
        レチタティーヴォ「狂わせたのは誰」
ヘンデル: オペラ「オルランド」より
     アリア「冥界の川に住む、邪悪な亡霊たちよ」
ヴェルト:「5・6・7声のマドリガーレ集」第5巻より
     マドリガーレ「もはや涙ではない」
A.ヴィヴァルディ: オペラ「オルランド・フリオーソ」より
         レチタティーヴォ「不実で嘘つきな女よ」
         アリオーソ「鎧も兜も脱ぎ捨てよう」
         レチタティーヴォ「身軽になったので、一息つこう」
         アリア「俺は、背中には百の翼を」
ヘンデル:オラトリオ「時と真理の勝利」より
     アリア「棘は残したまま、薔薇の花だけ」
A.ヴィヴァルディ:「離宮のオットー大帝」より
         アリア「嫉妬よ、おまえは私の魂にもたらした」
A.ヴィヴァルディ:歌劇「愛と憎しみに打ち勝つ徳、またはティグラネス王」より
         アリア「愛しい瞳よ」
A.ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち(愛のアカデミア)」より
        レチタティーヴォ「悟りは愛の学校のメンバーでないけれど」
        アリア「愛の神の矢に用心しなさい」
        レチタティーヴォ「悟りが理性と手を組んだなら」
        マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」

D.チマローザ: オペラ「みじめな劇場支配人」より
       「ああ、皆さん分かってください」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     レチタティーヴォ「美しい方々」「私はどうしたらいいの」「どうですか」
D.サッロ: オペラ「カナリー劇場支配人」より
     インテルメッツォ第2番(抜粋)
     アリア「人前で芝居をするのは惨めだわ」
     インテルメッツォ第1番(抜粋)
     レチタティーヴォ「外国から来る興行師を待ってるの」
モーツァルト: バスとオーケストラのためのアリエッタ
      「お前は手にキスされただけで」
ハイドン: オペラ「歌姫」より
     四重唱「悪党!裏切り者!人殺し!」
N.ボウボラ:ソロ・カンタータ
      レチタティーヴォ「もしも私の心が自由で」
      アリア「この唇と瞳が惑わしたのなら」
ハイドン:オペラ「騎士オルランド」より
     「僕は困惑している」

(アンコール)
ロッシーニ:オペラ「チェネレントラ(シンデレラ)」より
      六重唱「貴女ですね」
ストラデッラ:カンタータ「ねえ、恋人さんたち」より
       マドリガーレ「愛の神は巧みな師匠だ」
ジャキェス・デ・ヴェルト:マドリガーレ「もはや涙ではない」


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ウィリアム・クリスティーの長い手が柔らかく弧を描くと
彼の人柄そのままのような、暖かい音楽が紡ぎ出される。

オリジナル楽器の管弦楽の軽やかな響き。
奏者ひとりひとりが本当に達者!

その確かな演奏に支えられて
若い歌手たちが躍動する。
すべて暗譜で、演技を交えながらの歌唱。
プログラムは様々な作曲家の楽曲から選曲され
若者が「愛」を学ぶプロセスを表していた。

歌はソロよりもアンサンブル。そしてアカペラの重唱の方がすばらしく、
特にアンコール最後のアカペラは抜群だった。
歌が終わっても客席が長いこと静まりかえっていたほど。
ほんとうに、拍手をするのが惜しいくらいの静寂。

欲を言えば管弦楽だけの演奏をもっと聴きたかったなあ。



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ラジオの朝の番組「古楽の楽しみ」で
関根敏子せんせいが良く紹介して下さる「レザール・フロリサン」。
今回はじめて、彼らの生演奏を聴くことができました!
指揮のウィリアム・クリスティーは長く古楽界をリードし続けていて
彼の元を巣立った音楽家による古楽グループが数多く存在するそうです。
クリスティーさん、これからも元気に活躍してほしいなあ!