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Jazz meets Classic      [コンサートの記憶]

"Jazz meets Classic"
      ~東京文化会館 大ホール


ピアノ:小曽根真、ゴンサロ・ルバルカバ

打楽器:安藤芳広、小林巨明(第1部のみ)
指揮:角田鋼亮(第1部のみ)
管弦楽:東京都交響楽団(第1部のみ)

(プログラム)
第1部
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
バルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲

第2部
デューク・エリントン:キャラバン
チャーリー・ヘイデン:ファースト・ソング(ゴンサロ・ルバルカバ ソロ)
即興演奏
小曽根真:タイム・スレッド(小曽根真 ソロ)
マイルス・デイヴィス:ソーラー

(アンコール)
ジョゼフ・コズマ:枯葉
セロニアス・モンク:ブルー・モンク
チック・コリア:スペイン






オーケストラだけで演奏された1曲目が あっという間に終わる。

2台のピアノが設置され、いよいよ協奏曲だ。

この曲は「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」に、作曲家が後から管弦楽を付けた曲。
だから、二人のピアニストと二人のパーカッショニストがメインになる。

そのパーカッション隊が
ものすごく上手い!!
音楽を牽引していくかと思えば
あるところでは余裕をみせる。

暗譜で挑む小曽根さんの真剣な表情。
もう一人のピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバは
速いパッセージを弾きながら、それを歌っている。
「パパパパ~」
というように全てを細かく。

小曽根さんは10日前のワークショップの時
「自分の中にない音楽」
と言って、演奏を断ろうかと思うくらい大変だったと明かしている。
でもそれを暗譜するまで弾き込んでしまえるって本当にすごい!

そのワークショップで、この曲の終わり方に触れ
「これだけ難しいことを延々とやっておきながら、最後がごく普通のⅤーⅠで終わるんですよ」
と言っていた通り
シビアな不協和音の連続の終わりに
えもいわれぬ優しい音でⅤーⅠが鳴らされて、曲が閉じられた。


ハンガリーの香りがするバルトークの独特な世界。
ああ、もう一度聴きたいなあ!
その時はピアノ2とパーカッション2という元の姿で
丁々発止のやりとりを体験してみたい。



さあ、第2部はピアニストふたりのインプロヴィゼーション!



'16Oct.OZ.jpg



演奏の前にマイクを取った小曽根さん。
「ここからは水を得た魚のように」w
そして、ゴンサロ・ルバルカバの紹介を。

デビューしたてのゴンサロの超絶な演奏を聴き('91)アゴが地面に落ちるくらい驚いたこと。
一つ一つの音に意味があるのに、もの凄いスピードで弾くことが出来る人は他にいない!

さらに、クラシックとジャズの両方を弾けるということで
今回のプロジェクトに彼を招いたのだそう。
そして、小曽根さんとゴンサロを引き合わせてくれた方が
はるばるサンパウロから聴きに来てくれた、と紹介される。
満場のあたたかい拍手!

続けて
1部は大変に緊張するものだったので、2部はリラックスして聴いてほしい。
実は、これから何をするのか全く決めていない。
(会場から驚きのどよめき)

こうして、2台ピアノによるインプロビゼーションが始まった。



コンチェルトの時と同じで
向かい合わせに置かれたピアノの下手側に小曽根さん、上手側にゴンサロが座る。

そこに出現したのは、音楽というより3Dの映画が立ち現れたような感覚。
断崖絶壁のロッククライミングのように
弾かれた音は電光石火のように次の音への足がかりとなる。
突風で宙に舞い、旋回するかと思えば
鮮やかに空(くう)を切って突き進んでいく!
同じ場所に留まることは一時(いっとき)もない、
次々に展開する画面。。

ジャズのライブと同様、私たちは曲名を知らされていないので
(上に挙げたものは、後日発表されたもの)
元の曲のテーマさえも殆ど弾かれないくらいのインプロビゼーションに
ただただ驚愕するのみ。





ひとりがソロを弾く時、もうひとりはステージ後方に座って聴いている。

ゴンサロのソロ。
とても内省的で、しっとりと聴かせてくれる。
音のひとつぶひとつぶが本当に綺麗。

コンテンポラリーダンスは
クラシックバレエの素養がある人が踊ると
非常に美しいという事を思い出させてくれる。
これは
ゆるやかなパ・ド・トウ。。


ふたたび、2台ピアノ。
いったい起承転結はどこにあるのだ?というような即興!
更にスピードが上がり、音数が増え極限を超えたようなパフォーマンス。
おそろしいことに、二人はそれを心から楽しんでいるのだ!


(ところで、ゴンサロは左のソフトペダルをずっと踏んで演奏していた。
CFXがこの音?と不思議に思って足許を見てわかったこと。
これは相手の音との区別が聞こえやすいようにしたかったのだろうか?)




小曽根さんのソロ。
浮遊感のあるピアノの響きが
やわらかく空中にふくらんでいく
かと思えば
それが ふっと途切れる

次の瞬間に弾かれる単音は
孤独と幸福の狭間。。


真っ先に拍手をしたのはゴンサロ。
ピアノに戻ると、最強のデュエットに。
仕掛け花火の連続のようなピアノに
私たちはそれこそ、アゴが地面に落ちてしまうのだ!

小曽根さんが以前「パンドラ」というCDをリリースした事があったけれど
この日、また新しい箱が この二人によって開けられたのかも。




そしてもちろん、アンコール。
ゴンサロが「枯葉」の冒頭をパラッと弾く。
会場から「を~~!」という歓声。
「知ってる曲だっ」w
でも、それはほんの一瞬で、すぐにインプロビゼーションの海に飛び込む。

ダブル・アンコールはブルー・モンク。
これはジャズファンにはたまらない。
もう、何でも弾けちゃうんですね(あたりまえ

しか~し、これを聴いても
拍手は鳴り止まない!!

なんだかバルトークを聴いたのは遠い過去のようだ。
時間の経過がおかしなことになっておるぞw

と、拍手をし続けていたら
なんと!
もう1曲がありました~♬

あわわわ
この曲は!!

ずーっと即興で弾き続けてるけど
このスケールは絶対あの曲だーー!!

最後の方に弾かれた
「スペイン」のテーマにクラップが起こる。
でも
実はそれが宴の終わり。

一番ステキな表情を撮し取った写真のように
音楽は熱いまま心に焼き付けられた。。