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avec orgue        [コンサートの記憶]

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ第92回

指揮:鈴木雅明
オルガン:鈴木優人

(プログラム)
モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲 K.620
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」

サン=サーンス:交響曲 第3番 ハ短調 作品78 「オルガン付き」



鈴木雅明さんの手に指揮棒が!

バッハ・コレギウム・ジャパンを指揮する時は持たないので
ちょっと、びっくり。
そうだ、モダン・オーケストラの指揮なんだもの。
と、何故かそわそわしてしまう。

モーツァルト2曲は小さめの編成のオーケストラ。
快速なテンポが心地よい。
ティンパニもトランペットもオリジナル楽器だ。
サウンドが透明で、すがすがしいこと!

そして情熱的な指揮に、オーケストラが俊敏に反応する。
それぞれの声部が本当に良く聴こえてくる。
歌っているというより、饒舌なおしゃべり。
言葉は確かにモーツァルトの時代のものだけれど
語り方はまさに現代の息づかい。
生き生きと繰り出される会話に胸がときめく。

そして圧巻は「ジュピター」のフィナーレ!
フーガの全ての旋律は細いけれど強靱な糸のよう。
それぞれの糸は淡い、さまざまな色をしていて
きらめきながら風に乗る。
それらは 決して絡み合うことなく
大洋を走る船の帆のように
頑強に織り上げられていく。。




'16Jun サンサンス.jpg




後半はオーケストラの編成が大きくなり、管楽器が増える。
ティンパニもモダン楽器に。
オーケストラがステージに集まり始め、オルガン席に優人さんが登場(拍手~
あ、指揮者と一緒に登場しなかったのは協奏曲じゃないからですね。

第1楽章の前半はオーケストラのみの演奏。
そこここに和風な感じの旋律がちりばめられていて
どことなく懐かしさが。

後半、主題が戻って来てオケが静った時
低弦のピチカートに促されて
パイプオルガンの演奏が穏やかに始まる。
まるで大聖堂の祈りの時のような、荘厳な響き。

足鍵盤の低音と柔らかなハーモニーの上で
オーケストラが美しいメロディーを奏でる。
優雅な、でも礼節を持った音楽は
まるで正装した貴婦人。。
そう、モーツァルトよりずっと新しいはずなのに
時代が逆になってしまったかのよう。。



さあ、疾走する第2楽章の始まり!
厚みのあるオーケストラが縦横無尽に駆け巡る。
指揮者、そしてコンマスのエネルギッシュなこと!
全身全霊で音楽を牽引していく。

いちど、潮が引くように静まり
再び始まった単旋律にデジャヴを覚える。
そうか、これは「ジュピター」のフーガのテーマだ。
さらにパイプオルガンが最強音でそれを鳴らす!
私がいる3階席までもが 地鳴りのようにビリビリと震える。
まさに圧倒的!!
オーケストラもトゥッティだ。
しかし、それに勝るオルガンの音量!
ホール全体が巨大な音の坩堝となり
雄壮な結末へとなだれ込んでいく。。

すばらしい幕切れ!
満場の喝采!










公演のチラシに

鈴木雅明&優人、≪親子鷹≫との「オルガン交響曲」

と、ありましたが
まさしく時代の先端を走る二人に相応しいですね。
これからも鋭い鷹の眼で未来を見据え、さらに高く羽ばたいていくことでしょう。