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Clavier Ubung         [コンサートの記憶]

Francesco Tristano
      ~王子ホール



(プログラム)
J.S.バッハ :クラヴィーア練習曲 Clavier Ubung 第2巻より
      フランス風序曲 BWV831  
       序曲 Ouverture/クーラント Courante/ガヴォット Gavotte I/II/
       パスピエ Passepied I/II/サラバンド Sarabande/ブーレ Bourree I/II/
       ジグ Gigue/エコー Echo
  
     :イタリア協奏曲 BWV971
       第1楽章 Allegro/ 第2楽章 Andante/  第3楽章 Presto

     クラヴィーア練習曲 Clavier Ubung より
     :ゴルトベルク変奏曲 BWV988


(アンコール)
F.トリスターノ:ラ・フランシスカーナ





'17Julyフランチェスコ王子2.jpg
                            (写真はweb上からお借りしました)




かっきりとしたアルペジオでゆったりと始まった序曲。
スライドする音型が華やかに彩り、高揚していく。
そして、いざフーガに飛び込むと
それはもうフランチェスコの真骨頂!
おそろしいスピードで演奏されるパッセージは
決してブレることはない。。


こうして「フランス風序曲」から始まった演奏会。
この組曲は序曲の後、次々に舞曲があらわれる。

フランチェスコのポリフォニーの演奏は
いつもながら、にくいくらいに完璧。

そしてこの日 さらに素晴らしかったのは
二人の踊り手が舞っている姿が見えるようだったこと!

曲ごとに衣装が変わり、照明が変わる。
軽やかに
しなやかに
ステップを踏む姿。。

それはフランチェスコの雄弁な左手が
右手と同等に、
いえ それ以上に語るから。

また ある時はパーカッシブルにリズムを強調して
ダンスを躍動させていく。




さあ、私の大好きな「イタリア協奏曲」!

フランチェスコ!
そんなに速く弾いたら
すぐ終わってしまうじゃないの!!

というくらいのスピードで始まった第1楽章。

いつ聴いてもスカッとする抜群のテンポ感。
強調されるリズムとグルーヴは最高。
その中で ふっと色が変わる偽終止に はっとする。
ああ、これが彼のバッハだ!


そして第2楽章。
左手はカラッとした時を刻むオスティナート。
決してセンチメンタルに陥らない独唱は
毅然として遠くを見つめる。


さあ、激流のような第3楽章!
どんなに速くてもフランチェスコの音色は
気品を失わない。
1つずつが推進力を持っているから
クリエイトする音楽がスピード感にあふれている。
それぞれの旋律が絡み合い
渦を巻きながら
高く 高く 飛翔していく。。






後半は「ゴルトベルク変奏曲」。

私はフランチェスコの弾くピアノの倍音が大好き。
透明で明るくて
木の葉の間から真っ直ぐに射し込む
陽の光のよう。
それは
G-durの曲にとても良く似合う。

ほら、最初の「ソ」の軽やかな響きは
これから始まる旅が
幸せな物語である予感。。

アリアに続くヴァリエーション。
ひとつひとつの音の粒が
見事にクリアに奏される。

堅い果実のような若々しいパッセージが
縦横無尽に駆け抜ける。

けれど それらは
決して音の羅列ではない。
言葉はなくても
語りが聞こえてくるよう!
それは
バロックの語法にかなった
細やかなアーティキュレーションが施されているから。

このスピードでアーティキュレーションをつけるのは
鍵盤の軽いチェンバロならば出来ても
ピアノではとても難しい。
でもフランチェスコの指は強靱でしなやかだから
いとも簡単にやってのけてしまう!



ヴァリエーションは本当に様々な形式で出来ている。
それぞれのエッセンスを強調して演奏するフランチェスコ。
まるで いにしえの音楽が
現代にぴったりマッチして
スタイリッシュに蘇ったかのよう。

ほら、こんなふうに付点のリズムを弾くと
ステップを踏みやすいんだよ!
とでも言うように。



そして今回、とても印象的だったのは
音色の変化が美しかったこと!
特に緩徐楽章の多彩な響き。
やわらかな愁いの表情。

そんなピアノを聴くと
胸がいっぱいになるよ。。



Var.30クオドリペットが きっぱりとフォルテで奏される。
この曲だけ、繰り返しをつけて。

そう、ダ・カーポしてしまったら
「ゴルトベルク」は終わってしまうから。

別れを惜しむように
最後の和音に装飾音が重ねられる。

和音が終わる。ひとつの音を残して。
それは「ソ」。
アリアの始まりの音。

旅路の果てに還って来たのは
懐かしい我が家。
旅の思い出を愛しい家族に語るように
静かに奏されるアリア。

最後の音が消えて
フランチェスコの手が鍵盤から離れても
拍手をする人は いない。
皆の心がひとつになって
この素晴らしい「音楽の時」に集中していたから。
ほんとうに幸せなひととき。

やがて静かに拍手が起こり
喝采がホールを満たす。



鳴り止まない拍手に応えたアンコールは
なんとっオリジナル曲!

フランチェスコの手首にリストバンドがw
いやあ、カッコよく決めてくれました~♫♪♬




カッコいいといえば、これ!

'17Julyフランチェスコ王子4.png

                     (写真はweb上からお借りしました)



フランチェスコは宿泊先のホテルからホールまで自転車で往復したのですって(驚!
ひえ~
サドルの高さがハンパないw




そして
フランチェスコ、今夜もすてきなサプライズをありがとう!





























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