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教会で歌いながら・・・(2)       [旅の空は]


お昼のミサで奉唱をするサンタ・クローチェ大聖堂まで歩く。

地図を見なくても、大体の方向はわかる。
まだ歩いたことのない通りを思い切って曲がってみる。
公園の樹が朝日の中でゆれる。
建物の上の階から赤ちゃんの泣き声。
生活の音。
町のにおい。
石畳の道は、昔から変わらぬたたずまいで
昔から変わらぬ人々の暮らしがあるのだろう。

少し離れすぎたかな?
あ、大丈夫。
向こうに花の大聖堂のクーポラが見える。
だから左に曲がれば
ほら
サンタ・クローチェ大聖堂の真っ白なファザードが現れた!



サンタ・クローチェ大聖堂.JPG




しかし、ミサが始まる11時近くになっても
なかなか中に入れてもらえない。
聖堂の正面で、皆でかなり待つ。


ようやく許可が下り、早足で祭壇の近くへ行く。

どんな場所で歌うのか、あらかじめ知らされていない。
席に着き、各自が歌う時に祭壇の脇に進み出る。

でも、指揮者の青木洋也先生がとても落ち着いているので
音楽に集中できる。
指揮者はミサの進行を見ながら合唱を誘導していく。

アカペラ合唱の とても綺麗な響きが
高い高い天井にのぼっていく。


そして 青木先生の独唱。
カウンターテナーの柔らかな声が
さらに美しく聖堂に響く。
歌い終わると、驚いたことに参列者から拍手がおこる。
ミサでは拍手はしないので、よほど心に感じるものがあったのだろう。
私達も独唱があることを知らされていなかったので
とても幸せな気持ちに満たされた。


そしてミサが終わると
何人もの参列者が私達の側に来て
賛辞を述べてくれた。



このツアーでの最初の合唱が大成功に終わり
まずは一安心!




フィレンツェ・サンタクローチェ2.png





午後は一路アッシジへ!























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教会で歌いながら・・・(1) [旅の空は]


9月のイタリアへ! 10日間の旅でした。

ルフトハンザ行き.jpg

ひさびさのルフトハンザ。
ドイツ製らしく機能的な飛行機です。
まずはフランクフルトで乗り継ぎ。
日本からの直行便がないのは、観光客は多くても仕事での利用が割と少ないせいだとか。
直行便、熱望しますっ!
フランクフルトでは係官に質問攻めにあいました。
何をしに行くのか?何日間?その証拠は?等々
無表情の女性係官がバシバシ聞いてくるので、あわあわしてしまいました(泣)
とりあえず通過できましたが、恐かったようう。。

同じルフトハンザの小型に乗って、いよいよイタリアへ!
フィレンツェのホテルに到着したのは夜。







フィレンツェ ドゥーモ.jpg

翌日はいいお天気!
サンタ・マリア・デル・フィオーレ(花の聖母大聖堂)が青空に映えています。
その名の通りの美しい外観♡

内部は落ち着いた雰囲気ですが
クーポラの内側に描かれた「最後の審判」は、まさに天の采配の迫力!

ドゥーモ2.jpg




次は歩いてサン・マルコ美術館へ。

サンマルコ修道院4.jpg


修道院だったものを美術館として公開しています。
フラ・アンジェリコは修道士でありながら、画才に優れた人で
美しいフレスコ画をのこしてくれました。

「受胎告知」は二階の階段上の壁に描かれていて
本当にそこに天使がやってきたように感じます。

階段を昇っていくと。。



フラ・アンジェリコ受胎告知2.jpg



フラ・アンジェリコ受胎告知3.jpg


フラ・アンジェリコ受胎告知4.jpg



フラ・アンジェリコ受胎告知5.jpg







そして、修道士が瞑想するための小部屋が廊下の両側にいくつもあります。
それぞれの部屋にフレスコ画が。

サンマルコ修道院3.jpg



サンマルコ修道院2.jpg



サンマルコ修道院1.jpg






フィレンツェは見所がわんさかあって、1日では回りきれません。
次はウフィッツィ美術館へ行く予定になっていたので、
以前に行った事のある私は失礼して別の美術館へ~。
あ、その前に「サンタ・マリア・ノヴェッラ」へ案内してもらいました。
この修道院の薬局は香料やクリーム、石鹸などで超有名。
東京にも出店していますが、やはり本場を見ておきたい。
ということで、石鹸2個お買い上げののち
一人でピッティ宮殿へ!


そうそう、路上にカラヴァッジョがいてビックリ!


フィレンツェ路上.jpg

「エマオの晩餐」を、こんな所で観られるとはw
路上にチョークで描くアーティスト。
制作中は「モナ・リザ」でしょうか。









さて、ピッティ宮殿です。
あっ噴水池で泳いでいる人がっ

ピッティ宮殿1.jpg

かわいらしいキューピットの水浴び~




この建物の一部が「パラティーナ美術館」になっています。

なんと、またもやカラヴァッジョに遭遇!(こちらはホンモノですっ)


ピッティ宮殿2.jpg





もう、本当に豪華な室内で
壁は絵画が飾り放題。写真も撮り放題!(フラッシュ禁止)

さあ~!ラファエロの部屋です!!

ピッティ宮殿3.jpg


贅沢すぎる。。





「小椅子の聖母」

ピッティ宮殿4.jpg

マリアの美しさ、キリストの愛くるしさ。
これ以上の聖母子像はないっ!と断言したいくらい。






もう、ずっと観ていたかったのですがホテルに帰る時間です(悲)
暑い暑いアルノ川のほとりを てくてく歩いて行きました。

これから歌の練習です。
このツアーは、いくつかの教会で合唱をするのです。
明日から本番!
期待と不安でドキドキ。。



































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Kit ARMSTRONG      [コンサートの記憶]

キット・アームストロング  ピアノ・リサイタル
                 ~すみだトリフォニーホール 大ホール


(プログラム)
バード:ヒュー・アシュトンのグラウンド
スウェーリンク:我が青春は過ぎ去りし
ブル:ウォルシンガム変奏曲

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988

(アンコール)
バード:オックスフォード伯爵の行進曲
リスト:クリスマスツリーより第9曲「夕べの鐘」


'17Aug Kit.jpg



少年のような、あどけない顔立ち。
姿勢良く、早足で登場すると
にこにこと親しみやすい笑顔を客席に向け おじぎをする。

しかし いったんピアノに向かうと
様子が一変する。

そこにいるのは まさに真の音楽家!




ウィリアム・バード、スウェーリンク そしてジョン・ブルは
ともに1500年代半ばに生まれた作曲家たち。
当然、彼らはチェンバロやオルガンで曲を作った。
それを どんなふうにピアノで弾くのか。
私の興味はそこにあったのだが
期待をはるかに超えた凄まじい演奏に
ただただ驚くばかり。

凄まじいというのは大げさに聞こえるかもしれないけれど
本当にすごかったのだ!

キットはポリフォニーの各声部を隅々まで把握していて
とても美しく、歌うように弾く。
それぞれの声部の音色を弾き分けるのが巧みで
全てのフレーズが それはそれは綺麗に聴こえてくる!

そして息を長く使うので、見通しの良い音楽がとても爽やか。
一点の曇りもない なめらかなガラスのように。

キットは数学の学位を持っているくらいだから
本当に頭が良いのだろう。
理知的な頭脳で分析された音楽の説得力は絶大だ。
ところが、頭の良い人の演奏は時によそよそしい事がある。
けれど キットの演奏は全く逆。

まるで いにしえの作曲家と交信しているかのよう。
そしてトランス状態に陥ったかと思うくらい
熱い、熱いパフォーマンスを繰り広げる!
ダイナミックに、情熱的に。
ああ なんて超絶なタッチだろう!



                     (以下の写真はweb上からお借りしました)

'17Aug Kit2.jpg





さあ、後半はゴルトベルク。

これも本当にさまざまな音色を使い分けて、素晴らしい演奏。
繰り返しなし、アタッカで次々に弾かれる変奏曲。
あ、これはカンタータ。
これはオルガン曲、そしてこれは協奏曲!
バッハの様々な作品を彷彿とさせる演奏に
心ときめかせて聴き入る。
愁いをおびた緩やかな曲。
躍動感という言葉を使うのも躊躇するほど闊達な曲。。

ほんとうに、キットの世界に惹き込まれて
会場は息をするのも忘れてしまったよう!
演奏者も聴衆も すごい集中力。

だから
曲の最後にキットが音の行方をあやすように鍵盤から手を離し
ゆっくりと膝に置くまで
会場は静寂につつまれていた。
ああ 何という幸せな瞬間!




'17Aug Kit3.jpg




キット・アームストロングはフランスの古い教会に住んでいて
そこで音楽活動をしているそうです。
いつか、そこで彼が弾くオルガンやチェンバロも聴いてみたいなあ。。


ほら またひとつ 夢がふえましたよ。




































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Life With You        [コンサートの記憶]

Salt(ソルト)こと塩谷哲さんのピアノを本当にひさしぶりに聴いた。
この前コンサートに行ったのは、いつだったろう?
思い出せないくらい前。。

'17Aug Salt.jpg



プログラムの1曲目はオーケストラだけの曲。
せっかくフルオケの配置になっていたのに、ここでピアノが登場するので全員退席。
小編成のアンサンブルで

ショスタコーヴィチ/ジャズ組曲 第1番

ピアノ、管楽器、マリンバの他にバンジョーとハワイアンギターが入って
なんだか昭和な雰囲気の劇伴みたいな曲w

さて、ピアノが中央に設置され
いよいよコンチェルト!フルオケです~。




チック・コリア/ラ・フィエスタ



イントロはピアノ・ソロ。
ころころと転がるような軽やかなフレーズ。
もう、これだけでSaltさんの世界!

次第にスペインの香りがハーモニーに混じり
そして一気にリズムが繰り出される。

躍動する音のひとつひとつに命が宿っているよう!
それらが一体となってグルーヴを生み出していく。

オーケストラが誘われるように
柔らかなハーモニーを奏でる。
旋法の中で弧を描いていた音楽が、メジャーに転調!
さあ、きた!
「フィエスタ」のメロディーだ。
Saltさんのピアノが爽やかに明るく踊る、踊る。。


豊かなオーケストレーションの素晴らしさ!
カスタネットが刻むリズムはフラメンコ。
情熱的な空気が渦巻くよう。

そしてSaltさんのインプロヴィゼーションのかっこよさ!
繰り広げられるタイトなパフォーマンスに
オケも触発され、パワー全開!
ピアノと一体となってエンディングへとなだれ込んでいく。。





「フィエスタ」はチック本人はもちろん、小曽根さんも演奏していますが
この日の演奏はチックとゲイリー・バートンがオケと共演したライブのバージョンを
Saltさんがさらに編曲したものだそうです。
この曲を掌握して指揮をしたアクセルロッドさんにも拍手を!



アンコールはSaltさんのソロで Life With You 

あたたかな、そして深いSaltさんの曲。
以前、何度もくり返し聴いた 大好きな曲。
心の深いところに寄り添ってくれる
Saltさんならではのアコード。




懐かしい思い出がよみがえり
涙・涙。。



      





























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O Salutaris           [音のしずく]



やわらかな笑顔

やさしい眼差し




でも

あなたは何も言わない


そして

私も何も言わない



お互いに知っているけれど

言葉にしてしまうと

こわれてしまうかもしれないから






聖堂の鐘

祈りの声



心をこめて歌う歌が

美しく響きますように



幼いころからの夢が

かないますように。。。



















O Salutaris from Messe a Trois Voix by Andre Caplet















































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バビロンの川のほとりに      [コンサートの記憶]

バビロンの川のほとりに(北ドイツの合唱作品を集めて)
              ~日本福音ルーテル東京教会


(出演)

青木洋也/アルト
藤崎美苗・澤江衣里/ソプラノ
中嶋克彦/テノール
加耒 徹/バス

原田 陽・小池香織/ヴァイオリン
小池香織・鬼澤悠歌/ヴィオラ・ダ・ガンバ
角谷朋紀/ヴィオローネ
山縣万里/オルガン


(プログラム)

伝ブクステフーデ:マニフィカト
ブクステフーデ(1637~1707):7つのソナタより 変ロ長調op.1-4
ブクステフーデ:イエス様、わが喜び

ベルンハルト(1628~1692):主よ、今こそ あなたの僕を
プフレーガー(1635~1686):バビロンの川のほとりに
ヴェックマン(1616~1674):主がシオンの捕らわれ人を救ったとき
トゥンダー(1614~1667):主が家を建てないところで


'17Julyバビロン川1.jpg





心の一番深いところに ダイレクトに届く音

まるで光の矢のように
まっすぐに降りてきて

いつしか
透明な水のように
素直になった自分がいる。。

歌声と器楽は
綾織りのように彩り豊か
プログラムは
まるでひと綴りの物語

祈りと平和への思いが交錯した
幸せな時間に感謝。。




'17Julyバビロン川3.JPG


北ドイツのバロック時代、バッハよりひと世代前の作曲家たち。
ブクステフーデ以外は知らない名前だったけれど
どの曲も生き生きとしていて、優しさに満ちた作品ばかり。
この後をバッハが引き継いでいくのだろうという予感。
そして少しだけルネサンスの香りもして
なんだか
淡い初恋のような時間でした。


最初は、付点のリズムに乗って
明るくわきたつような曲から。
合唱と器楽全員での華やかな演奏。

次は器楽だけでソナタ。
可愛らしい音色のオルガンのオスティナート。
ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバは
即興しているように自由に歌う。
そして表情豊かな緩徐楽章とが交互に奏されると
童心に還ったようにワクワクする。

前半の最後は
演奏会形式のオペラを観るよう!
器楽、アリア、そして合唱と場面が転換され
信仰の言葉が紡がれていく。
小編成だからこそ出来る緻密な音楽に
我を忘れて聴き入ってしまう。



'17Julyバビロン川4b.jpg
               (この写真のみweb上からお借りしました)




それにしても、歌手たちの声の心地よさときたら!
ヴィヴラートを廃した歌唱のすばらしさ。
そして、カノンになり、ハーモニーになる時
互いの声質を引き立て合い、
この上なく ふくよかな響きを醸し出す。

そんな美しいベルンハルトの作品。

さあ 次が、この日の白眉!
演奏会のタイトルにもなっている「バビロンの川のほとりに」

下降する旋律が
涙を流すように 切々と語られる。
浮遊する悲しみと
そよぐ風が見えるような合唱曲。
空はどこまでも青く
川面はそれを映して穏やかに流れている。。



「この曲の歌詞は旧約聖書の「詩編」第137編の1-4節が採られている。
これはバビロンの国で捕虜となっているイスラエル人の歌で、
バビロンの川のほとりに座って、失った故郷エルサレムのシオンという丘を思い出して
涙を流しているという嘆きの歌である、
イスラエル人の歌は神にかかわる宗教歌なので、
その神から見捨てられ、捕虜に身を落としているのに
どうして神を賛美する歌を歌える気になるだろうかと語られる」
          (プログラム・ノートより)



そんな、打ちひしがれた物語は
最後の曲で救いの場面をむかえる。

「主がシオンの捕らわれ人をお救いになられたら」

空虚な心が喜びで満たされ
あたたかな腕に抱かれるように
幸せな幕切れとなる。




'17Julyバビロン川2.jpg





歌詞と音楽が見事に融合した作品たちが
語るように奏される。
そんな、豊かで味わい深い時間は
極上の幸福となって
いつまでも
心に
あたたかな余韻を残すのです。。

























Chamber Music            [コンサートの記憶]

ミロスラフ・クルティシェフ(Pf)が室内楽を演奏しました。

(プログラム)
ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番c-moll Op.60
フランク:ピアノ五重奏曲f-moll

(アンコール)
ブラームス:ピアノ五重奏曲 f-moll Op.34第2楽章


*おことわり*私はミロスラフ・クルティシェフのファンなので、
       彼のことだけを書きます。





'17Julyクルティ2.JPG



クルティが弾く室内楽を聴くのは初めて。
YTでも見た記憶がない。

一体どんな演奏になるか、想像もつかなかったけれど
ブラームスの冒頭、ピアノの強烈な一撃から始まり
扇の要としての役割をしっかりと担っていて
本当に嬉しく、誇らしい気持ちでいっぱいに。。


ブラームスらしい重厚な和音と
容赦なく連続する三連符の動き。
クルティシェフの大きい手、強靱な指は
難所を軽々と越え、弦楽をリードする。

ひとたび伴奏にまわれば
深くバスを効かせて
ハーモニーの動きをクリアにし
音楽の方向を指し示す。

そして緩徐楽章のメロディーを奏でる時
彼のピアノが本当に音程感のあるものだと
あらためて思い起こさせてくれる。

また、どんなに速い時も弦楽を聴き
コンタクトをとり続ける。
独奏の時は(あたりまえだけど)前を向いているから
あの大きな目をさらに見開いて
弦楽奏者たちを見るのは新鮮w


以前、クルティの演奏には暗い淵のようなところがあった。
それも 本当に素晴らしい個性だと思っていたけれど
今はそんな暗い部分が減ってきたように思う。

現に、短調の部分の多い曲だというのに
それを忘れさせてくれる味わい。
最後のハ長調の和音に向かって突き進んでいくかのよう!




フランクは弦楽がひとり増え、されに重層的な音楽になる。
どちらかというと、このフランスものの質感が
クルティの音に合っているように思う。

とても激しく、官能的ともいえるフランクの作品。
でもそれが妙に生々しくならないのは
クルティのピアノに宿る神々しい響きのためかもしれない。

絶え間ない流れを
ピアノが次の方向へとイニシアティブを取る。

優しさあふれる モノローグ。

そして
一瞬のブレイクの後
放物線を描き、
まさにジャストのタイミングで降りてくるピアノ!
ああ、本当に
これが聴けて幸せ。。


鳴り止まない拍手にこたえてのアンコール。
ブラームスの優しい、春の昼下がりのような曲。
愁いを忘れて
あたたかな光の中でまどろんでいたい。
いつまでも。。

















'17Julyクルティ.jpg


こちらは会場でゲットしたクルティの新譜です。
去年、録音しているという情報がありましたが
これだったのですね!




そして、嬉しいことが もう一つ。
この日の演奏会がテレビで放映されます!

NHK BSプレミアム
「クラシック倶楽部」
2017年9月29日 午前5:00~5:55


やった、クルティ!
全国放送だよ~~~♪♬♫
























きっと またね         [コンサートの記憶]

フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル
               ~三鷹市芸術文化センター 風のホール




(プログラム)
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988

ギボンズ:ヴァージナルのために書かれた作品より
          パヴァン/エアー/フランス風エアー/イタリア風グラウンド/グラウンド
トリスターノ:Circle Songs(2017)より
          Circle Song3 / All I have/ My old number /Heraklion
ロッシ:3つのトッカータ
          第1番/第2番/第7番
ラモー=トリスターノ:歌劇「カストールとポリュックス」より序曲
トリスターノ:ラ・フランシスカーナ

(アンコール)
デリック・メイ=トリスターノ:ストリングス・オブ・ライフ





'17Julyフランチェスコ三鷹2.jpg

                     (写真はweb上からお借りしました)




ステージの上手から登場したフランチェスコは
ゆったりとした足どりでピアノの後ろを回って鍵盤の前へ進み
いつもように 膝に手を置いて深々とおじぎをする。
真っ直ぐに伸ばした長い足に編み上げのショートブーツ。
細身の身体にフィットした黒いジャケットが良く似合う。


ゴルトベルクは
先日の王子ホールの時よりもタッチが優しく聴こえる。
羽のように柔らかく、春のそよ風のようにあたたかい。

同じ曲なのに
こんなに違って聴こえるなんて!

ホールが変わり、オーディエンスが変わったこと
そして天気や演奏者の体調も影響して
音楽は生き物のように変化する。。


たとえば
今日のゴルトベルクがクリームソーダなら
この間のはかき氷ね。
氷の粒が混じっているくらい粗いかき氷。
食べているうちに頭がキーンとしてくるやつ。

私はかき氷の方が好きだよ、フランチェスコ。




後半はギボンズの作品から。
ヴァージナルは、とてもつつましい楽器で
閉じた空間が似合うはずなのに
フランチェスコがグランドピアノで弾くと
柔らかな抑揚と豊かな響きで
古い時代のイギリスの音楽が饒舌に彩られる。

続くCircle Songsは、先日Hakuju Hallで聴いたのは最初の1曲だけ。
でも、その時と同じく
どの曲もハーモニーが本当に美しい。
そしてテンポが緩やか~中庸で
今までのテクノ的なオリジナル曲とは全く違う。
まるで映画音楽のように
それぞれのシーンが再現されていくよう。。

そして次は17世紀のロッシの作品。
こんなふうに 古い時代と現代を行きつ戻りつしても
不思議なくらい違和感がない。

トッカータは、
リュートなどが調弦をして試し弾きをしているうちに
曲になっていったといういわれがある。
もとはといえば即興。
それがフランチェスコにフィットするのだろう。
ともすれば、とりとめのない演奏に陥りやすい曲なのに
ダンスをリードしてくれるような彼の演奏は
ドライブの仕方も、間のとり方も
ほんとうに小気味よくて、思わず微笑んでしまう。


さらにラモーになると
これはもう踊り出したくなってしまう!
フランチェスコが弾いているのはピアノなのに
オリジナル楽器のオーケストラの にぎやかな演奏が聴こえてくる。

躍動するヴィオラ・ダ・ガンバ。
丁々発止のオーボエ・ダモーレとフラウト・トラベルソ。
バイオリンが歌い、ファゴットが仕掛ける。
ティンパニがリズムを繰り出すと
ダンスは最高潮に!

大きな拍手と歓声の中
間を置かずにオリジナル曲のラ・フランシスカーナが始まる。
即興のイントロの華やかなこと!
続くテクノも超カッコいいグルーヴはそのまま、
もの凄く豪華!!

ああ、どうしよう
これが最後の曲だなんて信じたくない!

そんなセンチメンタルな気持ちを察してくれたのか
アンコールはデリック・メイの曲。
静かに始まったイントロに 一瞬 泣きそうになったけれど
疾走するテクノは
きっと またね
という約束だったよね。











こうしてフランチェスコ・トリスターノのジャパンツアー6公演
(私はそのうちの3公演を聴きました♫)が終わりました。

でもね、今年は11月にまた来日です!
今度はオリジナルのピアノ・コンチェルト(日本初演)ですよ。
ものすごーくカッコイイ曲なので(配信で観ました♫)
ナマで聴けるのが本当に楽しみ~♡































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