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L'incoronazione di Poppea    [コンサートの記憶]

モンテヴェルディ:歌劇≪ポッペアの戴冠≫(演奏会形式)
(アラン・カーティス版/全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付)

指揮:鈴木優人
ポッペア:森麻季
ネローネ:レイチェル・ニコルズ
オットーネ:クリント・ファン・デア・リンデ
オッターヴィア:波多野睦美
フォルトゥナ/ドゥルジッラ:森谷真理
ヴィルトゥ:澤江衣里
アモーレ:小林沙羅
アルナルタ/乳母:藤木大地
ルカーノ:櫻田亮
セネカ:ディングル・ヤンデル
メルクーリオ:加耒徹
ダミジェッラ:松井亜希
パッラーデ:清水梢
兵士Ⅱ:谷口洋介

管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
舞台構成:田尾下哲



'17Novポッペア4.JPG



優人さんの呼吸で始まる音楽!
ある時はゆるやかに
そして、次の瞬間は華やかに
明晰な指揮は、それは見事に場面を描きわけ
オペラを牽引していく
そして指揮に呼応する管弦楽の素晴らしさ!
ひとりひとりの演奏技術の高さはもちろん、
アンサンブル能力の凄さときたら!
その超絶なオーケストラが歌い手とともに造り上げたオペラは
2度の休憩を挟んで4時間近くという長尺にもかかわらず
客席をグイグイと惹きつけ続けた。。


このオペラは今年が生誕450年のモンティヴェルディが1642年にかいたもの。
ダブル不倫の末に皇帝の妃となるポッペアの物語、ということで人間関係は複雑でどろどろw


印象的な場面はたくさんあるけれど
特に忘れられないのは第2幕の冒頭、哲学者セネカが死を決意する場面。
セネカは中傷によって皇帝から死を命じられ、それに従うことに。
友人らが彼を引き止めようとするが、セネカは辛い決断をする。。

セネカ役のディングル・ヤンデルさんの深みのあるバスが
聡明な哲学者らしい所作とともに心にしみわたる。
3人の友人 藤木大地(CT)、櫻田亮(T)、加耒徹(B)のアンサンブルも見事!
半音階で上っていく旋律が焦燥感をあおり
友への気遣いが悲痛に歌われる
それでもセネカの決意は変わらない。。

最後にセネカひとりが舞台から客席の通路に降りて歌う
舞台に残った友人たちから別れて
あちらの世界へ行こうとしているのか。。

(胸がはりさけそう・・)






モンテヴェルディは歌詞の抑揚から音楽を自然につくっていったそうです。
イタリア語がわからないと、オペラの楽しみが半減してしまいそうですが
日本語の字幕を見ながら聴いていると
歌詞をきちんと読み込んで丁寧に「しゃべって」いる歌手の言葉は
不思議なことに良く解るのです。
それからテンポ感とリズム感。
これがキチッとしてる人は、どんなにアゴーギグをつけても気持ち良く聴ける。
歌なんて伴奏に乗って歌えば形になりそうですが、どうやらそうでもなさそう。


さて、この公演は演奏会形式で上演されたのですが
素晴らしい演出のおかげで、重厚なオペラを堪能した気分です。
逆に言えばシンプルな衣装や舞台装置でも
力量のある音楽家と演出家が揃えば、素晴らしい舞台芸術となるのですね。



ともあれ(しつこいですがw)優人さんの指揮はホントにすばらしかった。
チェンバロの音も、綺麗に響いていました。
弾き振りって凄い集中力がないと出来ないと思うのですが
楽しそうにやっているところがねー、天才ですよね!
最近はモダンオケの指揮をする事が多いですが
バロックも、もっと沢山やってほしいなあ。


今回はバロックのステキな楽器がたくさん集まりましたね。
                (以下の写真はweb上からお借りしました)

'17Novポッペア1.jpg




優人さんが弾いているのはレガールという楽器で、ふいご付きのオルガンらしい。

'17Novポッペア3.jpg

ひょうきんな「ビャービャ-」という音でしたw





ところで、今回はアンドレアス・ベーレンさんが来日してくれたのです♡
管楽器の名手で、リコーダーやショームなど持ち替えながら演奏していましたが
ものすごい超絶技巧!!!なのです♫
三宮正満さんと並んで演奏されていると、もうホントにステキ!

ということで、最後にベーレンさんのおまけ画像ですw

'17Novポッペア5.jpg





































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Sound Experience       [コンサートの記憶]

クリスチャン・ヤルヴィ サウンド・エクスペリエンス2017

(プログラム)
クリスチャン・ヤルヴィ:ネーメ・ヤルヴィ生誕80年のためのコラール(日本初演)
フランチェスコ・トリスターノ:ピアノ協奏曲「アイランド・ネーション」*(日本初演)
                     Ⅰ ベル・オンブル
                     Ⅱ ジ・アイランダーズ
                     Ⅲ オパ!

ワーグナー(デ・フリーヘル編):オーケストラル・アドヴェンチャー≪ニーベルングの指環≫


クリスチャン・ヤルヴィ[指揮]
フランチェスコ・トリスターノ[ピアノ]*
新日本フィルハーモニー交響楽団


                (写真はweb上からお借りしました&後半の感想はパスです)



Korale for 80 (dedicated to Neeme Järvi)

弦楽のアンサンブルが静かにはじまる
なめらかに 優しく
柔らかであたたかく
包容力のあるハーモニー

少しずつリズムがきざまれ
やがて管楽器が
弦楽器と呼び交わすように歌い出す

繊細なパルスのうえで
きらめきながら踊る旋律。。



クリスチャン・ヤルヴィが指揮者である父の
80才の誕生祝いに作曲された作品は
音楽一家のヤルヴィ家を彷彿とさせる
愛に満ちた美しい音楽。

父上はこれを聴いて どんなに喜んだことか!
想像すると胸が熱くなる。

ちなみに「コラール」の綴りは Choral だが、
自分のイニシャルのKを使って、父への愛情を強調したそうだ(プログラムより)。




ステージの中央にピアノが運び込まれる。
いよいよ、フランチェスコの登場!






'17Novフランチェスコ1a.jpg




Piano Concerto "Island Nation"
      
   
Ⅰ Bel Ombre
弦のピチカートが夜明けを告げる
眠りから覚める混沌として秩序のない世界
ビルディングやアスファルトに反響する街の喧騒
朝日の中を歩き続ける
スニーカーのかかとに
ずっと同じ歩調でついてくる影
いつも寄り添ってくれる影。。



Ⅱ The Islanders
オーケストラに同調していたピアノが
クリック音とともにソロを奏でる
くり返すベース
リズムセクションが加わる
それは
さいはての孤島で
遠い昔から守られてきた儀式
ほら、海の波がゆれる
水滴がはじけ
光のなかにとけていく
まるで白昼夢のように。。




Ⅲ Opa!
あかあかと燃えさかる篝火
祝祭のダンス
激しく地面を踏みならし
雄壮な若者たちの雄叫びが轟く
オーディエンスも ともにクラップを打ち
熱狂が頂点に達した瞬間
音楽は切って落とされる!




'17Novフランチェスコ2a.jpg




フランチェスコの新作の日本初演は喝采で迎えられました。
彼とクリスチャン・ヤルヴィは、音楽性にとても共通するところがあり、
特にリズムの感じ方という点は一心同体のように思えるのです。



昨年、この曲の世界初演を(二人の演奏で)ネット配信で聴いた時
ぜひともナマで体験したいと強く思ったので、
こんなに早く実現したのは本当に嬉しい驚きでした。
まさにエクスペリエンス(体験)!
でもね、去年のオケはMDRライプツィヒ放送響だったのだけど
これがもの凄くノリが良くて、全員が楽しんで弾いていたのよ。
パーカッションもカッコ良かったし!
今回はね~、せめてPrc.は「その道の人」のが聴きたかったかなw



フランチェスコのソロ・アンコールは2曲。

パストラル
ラ・フランシスカーナ



またピアノの音色に磨きがかかったなあ。。

































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Lady Bess          [カーテン・コールの後に]

ミュージカル「レディ・ベス」
           ~帝国劇場

(キャスト)
レディ・ベス:花總まり
ロビン・ブレイク:加藤和樹
メアリー・チューダー:吉沢梨絵
フェリペ:古川雄大
アン・ブーリン:和音美咲
スティーブン・ガーディナー:石川禅
キャット・アシュリー:涼風真世
ロジャー・アスカム:山口祐一郎





吟遊詩人ロビンと恋に落ちた未来の英国女王ベス。
彼女は全てを捨てて、自由な世界に羽ばたくことができるのでしょうか?
幼い頃からの心の葛藤をかかえながら
ベスが成長していく姿を描いたミュージカル。


'17Octレディ・ベス.jpg






なんと美しい舞台装置でしょう!
傾斜のある巨大な円形のテーブルが
回転し、角度を変え
照明によって様々な場面に転換されます。
お城の大広間、森の中、町の居酒屋。。

そして、王族の衣装の豪華なこと!
まばゆいドレスは香り立つようです。

もう、これだけで16世紀のイングランドにタイムスリップしてしまいます。
さらに脚本の素晴らしさで物語にグイグイと引き付けられました!
再演のためにかなり書き換えられたようですが
エリザベス1世誕生までを描いた物語が
歴史に忠実なので、とても説得力があります。

説得力といえば
主要キャストの皆さんの歌唱はもちろん素晴らしいのですが
お芝居から歌に入っていくのが、とても自然で感動的!
さらに、コーロも大変に力量が高くて聴き応えがありました。
(どうしても合唱には耳が行ってしまうw)
そして、忘れちゃいけないオーケストラのクオリティの高さ!
もう、どれもこれもステキで
非日常の世界で夢を満喫してしまいました。


ミュージカルを観るのは久しぶりだったのですが
最近はこんなに進化してるんですか?
それとも「大当たり」の公演だったのかしら~?

















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Purcell Project 2017        [コンサートの記憶]

パーセル・プロジェクト2017  オードとアンセム 声楽芸術の結晶
                           ~Hakuju Hall


(プログラム)
Henry Purcell(1659-1695)


Behold, I bring you glad tidings Z.2 (見よ、私は幸福な知らせをもたらそう)
O give thanks unto the Lord Z.33  (おお、主に感謝を捧げよ)
Who hath believed ourreport Z.64  (誰が私達の知らせを信じてくれたろうか?)

Pavan in G minor Z.752      (パヴァーヌ ト短調)
Chacony in G moinor Z.730     (シャコンヌ ト短調)
Save me, O God Z.51       (おお主よ、私をお救い下さい)
From hardy climes Z.325      (厳しい天候を戦場の危難から)

(アンコール)
O sing unto the Lord Z.44     (主に向かって新しい歌を歌え)


ソプラノ: 澤江衣里 藤崎美苗
アルト: 青木洋也 布施奈緒子
テノール: 石川洋人 中嶋克彦
バス: 藤井大輔 加耒 徹

ヴァイオリン: 宮崎蓉子 廣海史帆
ヴィオラ: 中島由布良
チェロ: 西沢央子
オルガン: 山縣万里



'17Octパーセル2.jpg



17世紀イングランドの音楽は
ふくよかな黄金色の響き

オルガンと弦楽の柔らかな合奏
縦横無尽に駆け巡る歌い手たちの
艶やかな歌声と確かなアンサンブルに心が奪われる


たとえばソプラノのふたり
そしてアルトとテノールが寄り添って動くと
声質がぴったり合っていて
まるで双子のよう!

それは
オルガンとチェロの優雅なバスも同様で
なんだか ある一族の宴に見えてくる

同じ言葉でしゃべる
気の置けない会話
そして
小さい時から聴き覚えた 
古い歌を口ずさむような。。





'17Octパーセル1.jpg




青木洋也さんの指揮と器楽の華やかな演奏で始まった1曲目、
客席のサイドの扉から歌手たちが登場してステージへ。
藤井大輔さんのバスが朗々と歌い上げた後、合唱に。
パーセルがかいた、唯一のクリスマスの曲。
高らかに歌い上げられる
"Glory to God on high
and on earth, peace..."


ヘンリー・パーセルはイングランドの作曲家なので、全ての歌詞は英語で歌われます。
17世紀らしく、古い英語も使われているのでしょうか。
後半で演奏された "Save me,O God" は、
ヘンデルの「メサイア」の前半の歌詞と同じだそうです。
つまり、聖書や祈祷書の言葉が歌詞になっている教会音楽を
パーセルは多数かき残しました。

パーセル・プロジェクトは、それらを全て演奏しようという壮大なものです。
2009年のパーセル生誕350年を記念して発足したプロジェクトは、まだ道半ばといいます。

でもね、長くやってくれると
私のように漸く予定が合って聴ける人もいるのです♬

今回の曲は歌い手それぞれのソロと合唱の両方を聴けて、とても楽しめましたよ。
しかし、ソロはパートを無視したように広~い音域でかかれていて
これを歌いこなす歌手の皆さんの力量に圧倒されましたです。

特にカウンターテナーの青木洋也さんは声域が広がったのでしょうか。
声に柔らかさが増して、さらに美しくなった印象。
そしてバリトンの加耒 徹さんの、空気をビリビリと震わせる声には
聴くたびに驚きと感動でドキドキしてしまいます。
加耒さんは、このプロジェクトが古楽をやる1つのきっかけになったそうです。
そんなふうに良い仲間に恵まれて
プロジェクトはきっと最後まで走り続けることでしょう。




























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Madrigale      [語られる音たち]


ロベルタ・マメリ スペシャルワークショップ
                 ~えびらホール


今年はモンテヴェルディ生誕450年記念 ということで様々な演奏会が開かれていますが
私の大好きなソプラノ歌手のロベルタ・マメリがワークショップをするというので
3日間のうちの最終日を聞いてきました。

5声のマドリガーレ2曲のレッスン。

Ah! dolente partita(SSATB、マドリガーレ集第4巻)
Cruda Amarilli(SSATB、マドリガーレ集第4巻)

2曲目の第1ソプラノをマメリ先生が歌って下さって、超絶ステキでした!!
彼女の歌を聴いて、いつも思うのは
まったくの自然体なのに、何故あんなに強くて艶のある声が出るのだろう~?ということ。
普通にしゃべるように歌えるって凄い!



'17Octマメリ1.png



↑↑このような美貌のマメリ先生ですが、ものすごくエネルギッシュ!(チラシの写真です)
すごいスピードのイタリア語でお話しされて、
歌いながらビシビシ指示を出されてました。


(以下、自分のためのメモ)

・器楽の伴奏がない場合は自分たちで音を決めて良い。歌いやすい場所で歌う
 →A=440Hzにこだわらない。

・必ず他のパートの勉強もすること。
 そして、自分が正しい音で歌っていると他のパートも聞こえてくる。

・歌う前に声に出して歌詞を読む。→言葉のイントネーションを確かめる。
 (言葉が先に書かれ、それが音楽になっているから)

・パートどうしが同時に歌う箇所を最初に譜面上で確かめる。

・歌詞の意味を表現する。リズムの形に意味のあるものが出てくる。

・モンテヴェルディは振り子のように定まったテンポがある。

・下腹の支え。



'17Octマメリ2.jpg




ロベルタ・マメリが歌うモンテヴェルディは
旋律が空中で弧を描く
まるで鳥の羽のように!

あでやかで、色気のある音楽は
無重力のように見えるけれど
実は鋼のように強靱

それは まるで彼女の生き方のように。。





















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0才まえのコンサート      [コンサートの記憶]

第170回 0才まえのコンサート ママのおなかは特等席

                 ~Hakuju Hall

牛田 智大(ピアノ)

(プログラム)
J. S. バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第3番 嬰ハ長調 BWV848
ショパン:ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1
エルガー:愛の挨拶
プーランク:愛の小径
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
プーランク:即興曲 第15番「エディット・ピアフを讃えて」
シューマン / リスト編:献呈

リスト:愛の夢 第3番
シューマン:「こどもの情景」より トロイメライ
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43より 第18変奏
ショパン:バラード 第1番 ト短調 Op.23
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 Op.53

(アンコール)
ショパン:プレリュード Op28-7 イ長調


'17Oct牛田2.JPG




素直であたたかな音色
それはまるで春のそよ風
決して荒ぶることはない

けれど速いパッセージは
鱗をきらめかせてジャンプするトビウオのよう!

耳なじみのある曲が
ピチピチと新鮮な音楽になって
聴く者をときめかせる。。



'17Oct牛田1.jpg




「0才まえのコンサート」は公益財団法人ソニー音楽財団(Sony Music Foundation)が開催しており、
今回で170回目だそうです(凄!
妊婦さん対象の演奏会なので、トーク付きで楽しんでもらおうという趣旨です(一般も入場可)。
おかげで牛田くんの幼少の頃のお話しも聞けてラッキーでした。

プログラムもリラックスしてもらおうと名曲を選んだ牛田くん。
耳なじみのある曲は却って演奏が難しいのですが
彼はとても真摯に、それぞれの曲の良さを最大限に引き出していて素晴らしかった!

特に、後半トークなしで3曲続けて演奏された
リスト~シューマン~ラフマニノフの流れが素晴らしく
「パガニーニ~」は目頭が・・・。
すごい集中力だったバラードにも惹き込まれ
さらに!
「英雄ポロネーズ」ってこんなに良い曲でしたっけ?!w



あと数日で18才だという牛田くん。
本当に幼少の頃から活躍しているので、まだ17才か~!とビックリ。

現在ロシアに留学中ということなので
スケールの大きなピアニストになってほしいと願わずにはいられません。






















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RAY CHEN × BACH      [コンサートの記憶]


レイ・チェン 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
              ~サントリーホール

(プログラム)
J.S.バッハ:
ソナタ第1番    ト短調 BWV1001 アダージョ・フーガ・シチリアーナ・プレスト
パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002 アルマンドードゥーブル・クーラントードゥーブル・
                   サラバンドードゥーブル・ブーレードゥーブル
ソナタ第2番    イ短調 BWV1003 グラーヴェ・フーガ・アンダンテ・アレグロ


パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006 プレリュード・ルール・ロンド風ガヴォット・
                   メヌエットⅠⅡ・ブーレ・ジーグ
ソナタ第3番    ハ長調 BWV1005 アダージョ・フーガ・ラルゴ・アレグロアッサイ
パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグ・シャコンヌ





緻密にかかれた楽譜が
ドラマを観ているように生き生きと動き出す

たった4本の弦で弾いていると思えない
万華鏡のような音色と 
ダイナミクスの変化の素晴らしさ

確固たる信念が感じられる構成力は
聴く者の心をつかんで離さない。。



'17Sepレイ・チェン.jpg





J.S.バッハがかいた無伴奏ヴァイオリン曲は
全曲がソナタとパルティータの組み合わせになっている。
レイ・チェンは第1番はそれを順に演奏し、第2番のソナタまで演奏して前半を終えた。
後半は逆順で第3番のパルティータ、ソナタ。
そして第2番のパルティータを最後においた。

こうして聴くと、プログラム全体が意味深いものになる。

前半のストイックで求道者のような音楽。
それは決して停滞しているということではなく
むしろ歩をゆるめることなく進んでいく若々しい感覚に
とても好感が持てる。

そして後半は第3番の溌剌としたプレリュードからスタートし
明るく闊達な演奏が繰り広げられていく。

本当に、レイ・チェンのテンポ設定は見事!
たとえば 全体を俯瞰し台詞を割り当てたようだ。
そして彼は最高の舞台で役者をつとめる。
その一人芝居は
言葉のイントネーションや緩急、強弱を自在に操り
私の心にダイレクトに届く。

語るように音楽を紡ぎ出せるのは
おそらく彼のボウイングのためだろう。
弓の扱いの素晴らしさに目を奪われる。

そして終曲は圧巻のシャコンヌ!
これは まさに天からの啓示。

プログラムは
この曲に到達するための道のりであったことを
私は悟った。。





'17Sepレイ・チェン2.jpg
                       (この写真はweb上からお借りしました)















レイ・チェン(1989年生まれ)を知ったのは、
2009年のエリザベート王妃国際音楽コンクール(世界最難関!)でした。
ストリーミング配信で聴いた彼の演奏は本当に衝撃的。
コンクール史上、最年少で優勝したのは納得でした。
その後、何度か来日していましたが 私は聴く機会を逃していたのです。

この夏、私が敬愛するダニエル・ホープさまが「レイ・チェンのVTRに出演したよ」
とシェアしたのが この動画です~。


Ray Chen Comedy vids Vol. 2




えー!!
レイ・チェンってこんな人だったの?とビックリ。
勝手にもっとカタブツな人かと思ってました。
あー、これはリサイタル聴かなきゃ!!(すごい動機w)


でも、バッハの無伴奏全曲を一夜で演奏するというのは
いかに天才でも大変だったことでしょう。
リサイタルの最後にアンコールは無しです、とお話しして「お許し下さい」とも。
彼の人柄が伝わってきて、好感度さらにアップでした~♬






日本では大阪と東京でリサイタルがあり、ファンからのプレゼントも♡
こういう動画を作っちゃうんですねwww

プレゼント開封の儀式 ↓↓

https://www.facebook.com/raychenviolinist/videos/1647869965276418/







レイ・チェンには 人を惹きつける天賦の才があります。
それは単にポジティヴなオーラだけではなく、
繊細で思いやりのある人柄が感じられるから。
それが、彼の音楽ににじみ出ているから。。


























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Vespro    [コンサートの記憶]


バッハ・コレギウム・ジャパン
モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》
          ~オペラシティ コンサートホール


指揮:鈴木雅明

ソプラノ:ソフィ・ユンカー、松井亜希
アルト:青木洋也
テノール:櫻田 亮、谷口洋介、中嶋克彦
バス:シュテファン・フォック、加耒 徹

コルネット&トロンボーン:コンチェルト・パラティーノ

合唱と管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン








男声ソロが高らかに呼びかけると
それに応えるようにオーケストラのトゥッティが華々しく始まる。
所々に「オルフェオ」のトッカータ。

煌めく管楽器。
そしてバランスのとれた合唱。

400年以上も昔にかかれたとは思えない
生き生きとした音楽が
落差の大きい滝のように降りそそぐ!

これでもかと鳴り続ける保続音が途絶えると
付点のリズムが柔らかく跳ねる。

祈りは祭りの中にこそある。
人々の喜怒哀楽が
そのまま歌になり、リズムになる。。







'17Sep BCJモンテヴェルディa.png





今年はモンテヴェルディ生誕450年ということで
BCJも18年ぶりに この作品を再演してくれました。

管楽器にコンチェルト・パラティーノから数名のメンバーが参加し
ホーンセクションが盤石に。
コンマスは寺神戸さん、
そしてコンティヌオチームも最強です♬
なんといっても 
大塚直哉さんのチェンバロと優人さんのオルガンが同時に聴けるなんて
滅多にありませんから~♡

声楽のソリストたちも素晴らしく
また合唱は重厚な音楽なのに決してもたれることなく
それぞれの声部がクリアに聴こえます。
それはノン・ビブラートのおかげでしょうか。




祝祭的な色合いの強い作品という印象ですが
もしかしたら作曲者は
愁いや哀しみを
華やかな音楽の後ろに隠していたのかもしれません。。






'17Sep BCJモンテヴェルディ.jpg
                (この写真はweb上からお借りしました)




















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